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炎者の旅人  作者: 鬼灯
15/22

ゴブリンの森

しばらく更新が難しくなると思いますがご了承ください

 

 この森はゴブリンの森と言われている。この森そのものが、やつらのテリトリーのようで、ゴブリン以外の魔物はいない。そして、やつらはずっと森に住んでいる。つまり、森の戦闘に慣れているということだ。


 俺は森の奥を『隠密』を上手く使い気配を隠しながら進んでいく。


 そうしていると、ガサゴソと音が聞こえた。見てみると、木のこん棒を持ったゴブリン5匹と他のゴブリンとは違い大きく軽装ではあるが装備をつけたのが2匹いた。初めて見るが、上位種のゴブリンジェネラルだろう。ゴブリンジェネラルは近距離戦のゴブリンの上位種でその武器はゴブリンジェネラルによって違う。この2匹はどちらも剣を持っていた。


 気づかれる前に、威力重視の小さい火の玉を5個作った。動かずに火を操作するのはそこまで難しくないが動きながらだと火を生み出すのは中々厳しい。維持は造作も無いが。


 火の玉をゴブリンに向け放った。最短距離で。さすがは上位種と言うべきか、ゴブリンジェネラルはすぐ気づき、距離をとった。「そうなるよな」と一言つぶやいた。

 火の玉は全て命中し、3匹死亡、2匹重症とまずまずの結果だ。とどめは後回しにして、まずはゴブリンジェネラルからだ。


 俺は火の玉を複数個作りながら走る。火の形はシンプルなものほど早く正確に作れる。


 接近し、すでに体勢を整えているジェネラルの片方に生成した速度重視の火の玉を全て放つ。そしてもう片方のジェネラルに肉薄し、すでに抜いていた剣で切り上げる。しかし、ジェネラルもだてに上位種ではない。俺の一撃を剣で切り払うように抑える。俺より速くないが力は俺より強い、何より奴には剣術の心得があるようだった。奴の力を利用し後ろに下がる。

 火の玉を受けていたジェネラルは致命傷ではないが多少ダメージは与えられたようだ。動きに問題が出るほどではなく、俺に向かった突撃してきた。俺はさっきより強い威力重視の火の玉を4個生成し、突撃に備える。剣での勝負をしたジェネラルは2歩遅れで俺に向かってくる。

 3メートルを切った所でおれは火の玉を4つとも放った。速さ重視でもなくてもこの距離で回避するのは中々難しい。だが…

 2歩遅れていたジェネラルは先を進んでいたジェネラルを肉壁にし無傷だった。油断した俺は斬りつけられ…る訳がないだろ。俺が火の玉を放った真意は、煙幕として姿をくらませることが一番の理由だ。油断せず確実にだ。火の玉を放った俺は即座に次の行動に移っていた。まさか、味方を犠牲にするとは思わなかったが。俺は奴の背後を取り斬りつけた。ジェネラルは急に俺が背後に現れたことに、驚いた様子であったが、前転のように前に転がり、浅くしか斬れなかった。隠密はまだまだ精進が足りないな!

 ジェネラルの剣術は俺と同等ぐらいだ。つまり、剣で戦わないともったいない!

 

 ジェネラルは前転してすぐ、叫びながら俺に突撃してきた。「まあ、火という遠距離攻撃がある俺に距離をあけるのは得策じゃないよな」と呟きながら、剣を構える。


 ジェネラルは走った勢いで剣を振り下ろす。捌ききれないので横ステップで回避する。振り下ろしてわずかに硬直状態のジェネラルに、斬りかかる。回避しきれず攻撃をもろに与えたが仕留め切れない。ジェネラルが剣を振り上げて俺と距離をとろうとする。だが、俺は引かない。さっきは2対1と追撃をしていると不意打ちを食らう可能性があったが、もう1体のジェネラルは瀕死状態だから追撃をためらう必要なし!

 ジェネラルの一撃を受け流し、首を斬る!「とった!」そう思ったが、奴はあろうことか左手で首をガードした。肉に阻まれ、切り落とすのは難しいし剣を引き抜くのも難しい。なのであれば!俺は即座に剣から手を離し、鳩尾に向かって発勁(はっけい)のように衝撃を与える。中国武術を習っていたわけではない、ただステータス任せにやった発剄(はっけい)だ。だが、ただの(・・・)発剄(はっけい)ではない、手に火を纏わせ繰り出した一撃だ。さすがにジェネラルもこれは利いたようで、すこし怯んだ。同じ要領で手に火を纏わせ、胴体に連打する。殴って殴って殴って殴って殴るだけだ。

 ジェネラルがたまらず膝を地面に着けた時、頭に回転蹴りをぶちかました。頭は変な方向に曲がった。

 勝ったのだ。

 

 いまだ高揚している、この気持ちを時間を掛け落ち着けた。そうすると見えてなかったことが見えてくる。

剣の使い方に俺は自信がまったく持てていないことで剣の攻撃を積極的に仕掛けていない事やゴブリンジェネラルに知性が見られたこと、警戒しすぎて戦闘に時間が掛かったこと。あとは、木々に火が燃え移りそうになったこと…。さっきは、職業に就くために町へと戻ったが今はその必要は無い。


 「もっと、強くなりたいな」


 力を求め、森の奥へと進んでいく。

 

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