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炎者の旅人  作者: 鬼灯
14/22

情報屋とのファーストコンタクト

何でだろう。ストーリーが全然進まない…。



 教会の入り口のところで礼拝をしていた獣人とシスター達はこちらが入ってくる前から視線を向けていたようだ。恐らく、獣人の5感で今来ると分かったのだろう。

 気づくと同時に、地に膝を着き祈った。

 

 俺は驚いた。予想とだいぶ違った。俺は神様などと崇めているのは都合のいい様に形だけのもので、助けてもらうための大義名分であり、利用するためだけなのだと思い込んでいた。

 まあ多くの人はそんな感じだとは思うが、今ここに居た人たちは違った。ずうずうしく、初対面の俺に『神様』だからで私事を頼むわけではなく、声もかけず、ただ祈っていたのは驚きだった。


 人は都合のいい生き物だ。だからこそ、嬉しかった。ただ心が暖まった。それだけだ。

 なのであれば、俺はその祈りにふさわしい活躍をするべきだろう。


 そう思いながら教会を後にした。


 ★★★


 「さて、もう一回森で魔物狩るか」と思い、歩みを進めていた。が、


 「ちょっとお話いいですか」


 声を出した方を見てみると、猫獣人の背の高めの優男がこちらを見ていた。


 「俺ですか?忙しいので無理です。他を当たってください。」


 今まで俺に話しかけてきたのはプレイヤー、住民問わず冒険者、そして、その誰もがパーティーつまり複数人(・・・)いるはずなのにこいつは一人どう考えても怪しい。


 「まあ、まあそういわず。ちょっとお話したいだけなんですよ」


 うさんくさい。絶対『ちょっと』ではすまないだろう…。


 「なぜ俺なんですか?」


 ごまかしたらこれ以上話は聞かない。


 「分かりました。正直に言いましょう。私は情報屋です。なので最前線を突き進んでいるあなたをずっと探していて、ようやく見つけたということなんですよ」


…嘘ではないな。ここで、嘘をついた場合、俺との関係が悪化するのは明白だ。わざわざ、そんな危険を冒すぐらいなら正直に言うはずだしな。

 だがまあ、どちらにしろ…


 「教える義理はないな。」


 教えて得することなど一つもない。むしろ損するだけだ。


 「もちろん、ただで教えてもらうつもりはありませんよ。私達が独自(・・)に得ている情報をお教えしましょう。」


 交渉になれているな。ここで、俺が欲しいものを考え。『独自の情報』という怪しい言葉で誘ってきた。 金やこれから得た情報をいち早く教えるなんていった日には、すぐさまその場を去ったことだろう。

 だがその回答では不十分だ。重要な情報でも俺が最前線って言ってるんだから、情報量は俺のほうが明らかに上。俺が損するのは確定だ。


 「『独自の情報』というのはどういったものか知りませんが、教える気は無いので」


 目先の利益ばかりで交渉をおろそかにするとはな。それだけ、俺の持っている情報が欲しかったと言うことか。情報屋として半人前だな。


 「へ~そうですか。」


 男は俺の答えに眉をピクリと動かした。俺に断られると思わなかったのだろう。


 「じゃあな、先を急ぐからな。」


 有無を言わさず俺はその場を後にし森へと向かった


 

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