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サイボーグVSサイボーグ

『さあ早く侵入者を処分してください、そうしないとあなた自身がスクラップとして売り払われてしまいますよ』


 そんな事言われても、2502年?俺が生きていたのは2030年だから472年後!

 

 あとなんか暗算が早い!俺機械化されちゃってる!


『この映像の場所なんですが、その扉を開けて30メートルぐらいの位置で、撃たれているのはこの扉なんですよね』


「早く言って!?もうそこまで入られてるじゃないの!」


 スクラップになる一歩手前じゃないか。


「戦うって言っても銃なんか撃った事どころか触った事もないんだけど」


『それも大丈夫、補助頭脳がターゲッティングも射撃補正も全部助けてくれます』


 やっぱり脳のほうも機械化が進んでた。


『それにあなたのそのボディは一見オールドなクラシックSFに出てくるふざけたロボットみたいな見た目ですが……』


「オールドでクラシックってどんだけ古臭い感じを強調したいんだよ!」


『全身耐ビームコーティング済みの超高級モデルです、侵入者共が撃ってくるビームなんてすべて弾く事が可能です』


「って、ええ!ここにきて無双要素、じゃあただ出て行って撃ちまくればいいだけって事か?」


『そうなります、ただ物理的なダメージについてはそれほどの防御力を持ちませんので、近づかれないように気を付けてください』


 なおさら早く片付けなくちゃならない状況じゃないか、押し入られてタコ殴りにされたら終わりだ。


 覚悟を決めてドアの前に立つ、夢かも知れないけれど現実かも知れない、なら生き残る為に全力を尽くそう。


「よし!泥棒を倒しに行く」


『ドアを開けます、侵入者共の排除をお願いします』


 ドアが左右にゆっくりと開く、ドアの前は真っ直ぐな通路になっていてその先に先程映像で見た大男が見える。


 あいつかと思った瞬間、ビームが飛んできて俺のボディに命中する。


「痛ぁ!く無い」


 言われた通りビームは効いてないようだ、ならば!


 まだ空きかけのドアの隙間から大男の頭を狙い引き金を引く。


 俺のアームが握ったビームガンからビームが放たれ、一瞬のうちに大男に到達、大男の頭が消し飛びその大きな体が廊下に倒れ込む。


「やったぜ」


『その調子であと3匹です』


 罪悪感も忌避感も無い、なんか調整されちゃってるかもしれないが今はいい。


 開ききったドアから外に出て残りの3人を探す。


 パンク女が何やら叫びながら通路を駆けてくる、格好の的では無いか、狙い撃とうとすると補助脳から解析データが送られてきて視界に追加情報が表示される、パンク女の胸部の真ん中、そこに機械の体を動かす為のジェネレーターが存在するようだ。

 

 俺は狙いを絞りその一点だけを貫くようにビームを発射する。


 撃ちだされたビームは一寸の狂いも無く狙った部分を撃ち抜く。


 胸に穴の開いたパンク女は糸の切れた人形のように倒れ動かなくなった。


 この調子なら残り二人もあっという間だ、勝確のイベント戦闘ではないか。


 先程の映像からすると通路の先、約30メートル先の所にある曲がり角の所に残りの二人は隠れている、近づきすぎて殴られたりするのはマズいらしいがこのまま睨み合ってもしょうがない。


 俺は4本の足を違和感なく使いこなし通路を走る、どうせ向こうの武器は効かないのだからさっさと接近して倒してしまうぞ。


 通路の壁からペットボトル男が顔を出す、曲がり角を遮蔽にして撃ち合うつもりだろうが逆に撃ち抜いてやる、ビームガンの狙いを男に向けようとしたが、男は思わぬ行動に出る。


 ペットボトル男が通路の真ん中まで飛び出してきた、両手で銃を構えてこちらを狙う、効かない攻撃を気に掛ける必要は無い、相手の動きを無視して狙いを定めるがなんか見たことある感じの銃のフォルムに一瞬意識を奪われる。


『避けてください!』


 ペットボトル男が手に持っているのはリボルバー、ダーティなあいつが持ってそうなデカい拳銃、そう認識した瞬間、爆音がマイクに届き、俺の体に強い衝撃が伝わり体が数メートル後ろまで飛ぶ。


 視界情報にノイズが走り体が思うように動かない、何がどうなって。


『火薬式の拳銃です、まさかそこまで文明が衰退しているだなんて、完全に想定外です』


 視界に現在のボディの情報が表示される、リアルなCGで描かれた俺のボディには大きな弾痕が出来ており、周囲の装甲が内側に向けて大きく曲がってしまっている。


「これはひょっとしなくてもマズいか?」


『侵入者の排除を速やかに行ってください、そうすれば修理も可能です』


 視界の端っこになんかタイムカウントが表示され始めた、これは言わずもがなって事でしょうかね?


 通路の奥からゴリ女が走って近づいてくる、手足が大きく動きは遅いがあれで殴られたら一巻の終わりだ。


 何とか動こうとするが思ったように行かない、アームの制御も狂い狙う事が出来ない、レッグも思ったように動かず走って逃げる事も叶わない。


『2メートル後ろまで下がって下さい』


 2メートル、なんとか行けるか、レッグ部分に力を入れて何とか動かす。


 カチャカチャと地面を這うように何とか後退する、1メートル。


 ゴリ女がもう数メートル先まで迫っている、何とか這うがつるつるの床に対して金属の足が滑る。


 ゴリ女がもう1メートル手前まで来てる、あの振り上げ腕を降ろせば終わりだ。


 それでも諦めず全力で這う、ゴリ女がもう目の前。


 もう拳が振り下ろされる、その瞬間、壁の端末から電撃が走る、目視で電気の流れが見えるぐらいの高電圧、それがゴリ女に届き一瞬で全身を焼き尽くされそのまま動かなくなる。


『電子操作盤に高電圧をかけてオーバーロードさせ放電現象を発生させました、側にいた奴も感電して無事では無いでしょう』


 ナイスサポート、あとはペットボトル男を残すのみ。


『そのままビームガンを正面に構えて』


 ポニタスの股の先、ペットボトルが駆けだしてる姿が見える、ポニタスが邪魔でこちらを撃てないでいるようだ、何とか動くようになったアームで狙いを付ける。


『今です。』


 引き金を引くが撃ちだされてたビームがどうなったか、確認する前に視界のカウントダウンがゼロになり俺の意識は闇に落ちた。

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