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巨人都市  作者: ハネクリ0831


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エピローグ びよん、びよん

イーサンはダンボールの山を見つめながら笑った。


「いいものが見つかるといいな。」


リャンも期待に胸を膨らませながらうなずく。


「確かにな。」


二人はリビングに積み上げたダンボールやビニール袋の前へ座り込み、一つずつ中身を確認し始めた。


まず最初に調べることにしたのは、ダンボールに入っていた食料だった。


イーサンが一箱ずつ開けていく。


中には様々な種類の缶詰がぎっしりと詰まっていた。


フルーツ、肉、魚、ランチョンミート、鮭、コンビーフなど、実に豊富な種類がある。


ラベルの絵を見れば中身が想像できるものもあれば、文字だけで何が入っているのか分からないものも少なくなかった。


リャンは缶詰を一本一本並べながら感心する。


「これだけあったら飽きが来ないよ。」


イーサンも缶詰の山を見渡して笑う。


「確かにな。」


続いて乾麺が入ったダンボールを開ける。


予想通り、中には乾麺がたくさん入っていた。


割れてしまった麺も混ざっている。


さらに奥を探ると、乾麺だけではなくビスケットなどの保存が利きそうな食品も入っていた。


「おっ、これは嬉しいな。」


リャンはビスケットの袋を手に取り、満足そうにうなずく。


その時、イーサンが箱の隅から見慣れないものを取り出した。


「なんだこれは?」


それは袋に入った、細長い棒のような食べ物だった。


色は黄色く、外側には白い膜のようなものが付いている。


リャンは興味津々といった様子で身を乗り出した。


「とりあえず開けてみようよ。」


イーサンもうなずく。


「そうだな。」


袋を開けた瞬間、独特の香りがふわりと広がった。


リャンは鼻をひくつかせる。


「この匂いは……。」


少し考えた後、表情を明るくした。


「チーズだ。」


イーサンは驚いたように目を丸くする。


「すごいな。こんな柔らかいものは初めてだ。」


恐る恐る指でつまんでみると、細長い黄色い塊は弾力を持って伸びた。


「おお……。」


指を動かすたびに、びよん、びよんとしなやかに曲がる。


リャンは思わず笑い出した。


「面白い食べ物だな。」


イーサンも興味深そうに眺めながら言う。


リャンは細長いチーズを見つめながら言った。


「元の大きさに戻してみて。」


イーサンはうなずく。


「ああ、そうだな。」


能力を使い、細長いチーズを元の大きさへ戻す。


二人はしばらく眺めた後、まず外側の白い膜の部分を少し切り取って口へ運んだ。


イーサンはゆっくり噛みながら味を確かめる。


「……これは魚だな。」


リャンも何度か噛んでからうなずいた。


「だな。魚のすり身みたいな味がする。」


今度は黄色い部分だけを切り分けて食べてみる。


イーサンの表情が少し緩む。


「やっぱりチーズだ。」


リャンも満足そうに笑う。


「濃厚だけど食べやすいな。」


そして最後に、二人は白い外側と黄色い中身を一緒に口へ入れた。


その瞬間――。


イーサンは思わず目を見開いた。


「……っ!」


リャンも驚いて動きが止まる。


「なんだこれ……!」


最初に魚の旨味がふわっと口いっぱいに広がる。


噛むほどに外側の弾力ある食感が心地よく、後から中のチーズがゆっくりと溶け出した。


濃厚でまろやかなコクが魚の塩気と合わさり、それぞれを食べた時とはまるで別の味へと変わる。


外側はプリッとした歯ごたえ。


中はとろりと柔らかく、口の中でなめらかに広がる。


魚の風味がチーズの濃厚さを引き立て、チーズは魚の旨味を包み込むように調和していた。


イーサンは何度も噛みしめながら感動したようにつぶやく。


「……うまい。」


リャンも何度もうなずく。


「別々でも美味しかったけど、一緒に食べると全然違うな。」


イーサンは残ったチーズを見つめながら笑う。


「これを考えた人は天才じゃないか。」


リャンは思わずもう一口切り分ける。


そのまま口へ放り込み、満面の笑みを浮かべた。


「……すぐなくなりそうだ。」


二人は顔を見合わせると、小さく笑い合った。


その言葉の通りだった。


そう言って食べ始めた二人だったが、一口が二口、二口が三口と止まらない。


「これ、本当にうまいな。」


「止まらないぞ。」


夢中になって食べ続けるうちに、あれだけ大きかった一本はみるみる短くなっていく。


気が付けば――


最後の一切れまで食べ尽くしていた。


リャンは満足そうに床へ寝転がり、お腹を軽くさする。


「あー、食った。」


イーサンも深く息を吐き、笑みを浮かべる。


「美味かった。すごく気に入った。」


イーサンにとっては、それまで食べたどんな料理よりも印象に残る味だった。


魚の旨味とチーズの濃厚な風味。


あの独特の食感と絶妙な組み合わせは、前の世界では一度も味わったことがない。


「今まで食べた中で、一番美味しかったかもしれない。」


もちろん、この時の二人は知る由もない。


彼らが夢中になって食べていたその食べ物の正体は、この世界では**「チーカマ」**と呼ばれる、魚肉練り製品とチーズを組み合わせた食品だったのである。

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