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巨人都市  作者: ハネクリ0831


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最低限の生活を得るために ダンボール

イーサンは積み上げられた箱を見つめながら、ふとつぶやいた。


「これ……ダンボールじゃないのか?」


「まさか。でも見た目的には木箱には見えないな。」


リャンも首をかしげながら箱へ近づく。


2人は慎重に箱へ歩み寄ると、手を伸ばして表面に触れてみた。


イーサンは軽く箱を叩きながら確信したように言う。


「やっぱりダンボールだ。」


「いや、こんなに全部ダンボールなのは初めてだ。」


リャンは周囲を見回し、どこまでも積み上げられた箱の山に驚きを隠せなかった。


2人はしばらくその光景に見入っていた。


やがてイーサンが気持ちを切り替えるように言う。


「まあ、そんなことより目的のものを探そう。」


「ああ、そうだな。」


リャンも頷いた。


イーサンはポケットから書き写した日本語一覧を取り出し、紙を広げた。


「この文字があるものが塩だ。」


そう言って一覧の中の**『塩』**と書かれた文字を指差す。


「了解。じゃあ探しましょうか。」


リャンは一覧を一度見てから周囲を見渡し、2人は巨大なダンボールの間を縫うように歩き始めた。


2人はダンボールの間を慎重に進み始めた。


巨大な箱が何列にも並び、その隙間は2人にとって谷間のようだった。


「しかし広いな……。」


リャンは辺りを見回しながらつぶやく。


「保管庫だからな。商品がたくさんあるんだろう。」


イーサンは日本語一覧を片手に、箱の側面へ書かれた文字を一つひとつ確認していく。


「あったか?」


リャンが尋ねる。


「いや、これは違う。」


イーサンは首を横に振った。


2人は次の列へ移動する。


「これも違うな……。」


リャンも箱に書かれた文字を見比べながら歩いていた。


しばらく探し続けると、イーサンが突然足を止めた。


「おい、待て。」


「どうした?」


リャンも立ち止まり、イーサンの視線の先を見る。


イーサンは一つのダンボールを指差した。


「この文字……。」


そう言って手元の一覧と何度も見比べる。


「『塩』だ。」


「本当か!」


リャンは思わず声を弾ませた。


「間違いない。これが目的の品だ。」


イーサンは少し笑みを浮かべながら頷く。


「よし、中を確認してみよう。」


ちょうどダンボールの蓋が開いていたため、2人は縁まで登ると、そのまま中へ飛び移った。


目の前には白い袋が何十個も整然と積み重ねられていた。


「おお……。」


リャンは思わず息をのむ。


「全部、塩か?」


イーサンは袋の一つへ近づき、印刷された文字をもう一度確認した。


「間違いない。塩だ。」


「やったな。」


リャンは嬉しそうに笑う。


「これだけあれば、しばらく塩には困らない。」


イーサンは袋の山を見上げながら満足そうに頷いた。


「と言っても、持っていくのは一つだけだ。」


「どうしてだ?」


リャンが不思議そうな表情を浮かべる。


「全部取ると、巨人達に騒がれてしまう可能性がある。」


イーサンは真剣な表情で答えた。


「なるほど。」


リャンは納得したように頷く。


「できる限り目立たないことが基本だ。少しでも異変があれば警戒される。」


そう言うと、イーサンは塩の袋にそっと手を触れた。


「よし。」


能力で袋を小さくすると、元の何十分の一ほどの大きさになった。


「これなら運べるな。」


リャンが感心したように言う。


「ああ。必要になったら元の大きさに戻せばいい。」


イーサンは小さくなった塩の袋を背負い、2人は来た道を引き返すことにした。


「じゃあ、目的のものも見つけましたし、退散しましょうか。」


「あ、いや、ちょっと待って。」


リャンが何かに気づいたように足を止める。


「どうした?」


イーサンが振り返ると、リャンはある一角を指差した。


「なんか、あそこだけ他の場所とは違うぞ。」


イーサンもその方向へ目を向ける。


確かに、周囲のダンボールはきれいに整列して積み上げられているのに対し、その一角だけは箱や袋が雑多に置かれ、まるで急いで集められたような状態になっていた。


「本当だ……。」


イーサンは小さくつぶやく。


「折角だし、行ってみようか。」


リャンは興味深そうに笑う。


「うーん……。」


イーサンは腕を組み、少し迷った。


余計な行動は危険だ。


だが、あの場所だけ様子が違うのも気になる。


「少し時間を確認するか。」


イーサンは懐から懐中時計を取り出し、蓋を開いた。


時計の針はちょうど夜の12時を指していた。


「もう日が変わってたのか。」


イーサンは時計をしまい、もう一度雑多に荷物が置かれた場所へ目を向ける。


「でも……折角だし、行ってみる価値はあるかな。」


そう言って小さく笑う。


「よし、決まりだな。」


リャンも頷く。


2人は周囲を警戒しながら、整然と並んだダンボールの間を抜け、荷物が無造作に積まれた一角へ静かに向かっていった。

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