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巨人都市  作者: ハネクリ0831


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最低限の生活を得るために 腐ってしまっていた

2020年5月5日

福岡県福岡市住宅街


拠点の確保に成功したイーサンたち。だが、今度は別の重大な問題に直面していた。


今から2日前、以前狩った鴨から取った肉は、すべて腐ってしまっていた。


日干しにして保存していたが、どうやら乾燥が不十分だったようだ。


イーサンは腐った肉を見つめながら、小さくため息をついた。


「……非常に困ったことだ。」


リャンは肉を指先で軽くつつき、首を横に振る。


「日干しした場所は少し日陰気味だったし、そもそもこの国は少しジメジメしている。少なくとも、この辺りでは日干しだけで保存するのは難しいかもしれないな。」


「せっかくの獲物だったのに、全部無駄になってしまったか……。」


「これも経験だよ。次は失敗しなければいい。」


現時点で残っている食料は、タンポポを日干しにしたものと、各種缶詰だけだった。


リャンは缶詰を見渡しながら腕を組む。


「また何度も狩りをするのもいいが、銃弾も有限だからな。有事の時に弾が無くなったら、自分たちの身を守れなくなる。」


イーサンが

「確かに。食料を得るたびに弾を消費していたら、いずれ立ち行かなくなる。」


リャンが

「となると、まずは保存方法を増やした方がいい。」


イーサンは少し考え込み、やがてうなずいた。


「となると、まずは保存方法のレパートリーを増やさないといけないか。」


リャンが

「手っ取り早いのは塩干しだな。」


イーサンの表情が少し明るくなる。


「なるほど。塩ダラみたいにするのか。」


リャンが

「そう。肉にたっぷり塩を擦り込んで水分を抜けば、日干しだけよりずっと長持ちする。」


イーサンが

「塩は調理以外にも色々使えるからな。」


リャンが

「その通りだ。保存にも使えるのは勿論、傷口の消毒や革の加工なんかにも役立つ。手に入れて損はない。」


イーサンは頷くと、荷物の中から丁寧に折り畳んでいた手書きの地図を取り出し、床に広げた。


「早速だが、それについての計画だ。」


リャンは地図を覗き込みながら身を乗り出す。


「どこへ向かう?」


イーサンは地図の東側を指差した。


「ここから東側だが、舞鶴公園という場所の周辺に食料品店があることを見つけた。」


以前、酔い潰れた巨人が持っていた機械から知ったことだが、我々が最初にいた大濠公園の隣には舞鶴公園があるらしい。


「まあ、それは置いといて……。」


そう言うと、再び地図の一点を指差した。


「そこで塩を確保する。」


「食料だけじゃなく、保存技術も手に入るわけだな。」


「そういうことだ。」


そして、イーサンはさらに別の場所へ指を移した。


「他にも向かいたい場所がある。」


リャンが

「ここは?」


「ここには資源ごみの回収場所があるみたいだ。うまくいけば質のいい資材が手に入るかもしれない。」


リャンの目が輝く。


「そうすれば生活が少し良くなるな。金属や木材、それに使えそうな道具も見つかるかもしれない。」


イーサンが

「運が良ければ、この拠点をもっと快適にできる。」


二人は顔を見合わせ、小さく笑った。


未知の場所への期待と、新たな発見への好奇心で胸が高鳴っていた。


イーサンは地図を畳み、静かに言った。


「出発は21時だ。」


リャンが

「了解。それまで準備をしたり、体を休めたりしますか。」


イーサンが

「だな。夜は長くなる。万全の状態で行こう。」


リャンが

「よし、出発までに装備も点検しておく。」


まずは腐った鴨肉を埋め


二人はそれぞれ準備を済ませると、夜の探索に備えて静かに横になり、しばしの眠りについた。


やがて時刻は21時になった。


外はすっかり夜の闇に包まれ、昼間に聞こえていた鳥の鳴き声も静まり返っている。


拠点の中では、イーサンとリャンが最後の装備確認を行っていた。


イーサンは散弾銃の状態を確認し、安全装置を確かめると背中へ担ぐ。


「弾薬よし……水筒よし……地図もある。」


リャンも馬具を締め直しながら頷いた。


「馬の体調も問題ない。今夜も頼むぞ。」


馬は小さく鼻を鳴らし、二人の声に応えるように前脚を軽く踏み鳴らした。


イーサンは手綱を握ると馬に跨った。


「よし、行くとしますか。」


リャンも馬に乗りながら微笑む。


「これが成功するといいな。塩が手に入れば、食料事情もかなり改善する。」


イーサンは夜空を見上げ、小さく息を吐いた。


「まあ、どうなるかは分からないが、やれることはやろう。」


リャンが

「資源ごみ置き場も期待している。思わぬ掘り出し物があるかもしれない。」


イーサンが

「そうだな。今は少しでも使える物を集めて、生活を安定させるのが最優先だ。」


リャンが

「無理は禁物だ。危険だと思ったら、すぐ引き返そう。」


イーサンが

「ああ、生きて帰ることが一番重要だからな。」


二人は互いに頷き合うと、静かに馬を歩かせた。

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