↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巨人都市  作者: ハネクリ0831


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/61

最低限の生活を得るために 未来の道具

すると画面の文字が英語に切り替わった。


リャンは思わず目を見開いた。


「おお……!」


イーサンも驚いたように画面を覗き込む。


「これで文字が読めるな」


二人は顔を寄せ合いながら、スマートフォンの画面を次々と触っていった。


画面下に並んでいる四角い印の一つをタップすると、また別の画面が現れる。


「なんだこれ?」


「待て……地図か?」


表示されたのはオオホリパーク周辺の地図だった。


イーサンが恐る恐る両指を画面に置き、ゆっくり動かす。


すると地図が滑らかに縮小された。


「おお!」


「拡大も縮小もできるのか!」


二人は顔を見合わせた。


イーサンは感心したようにうなずく。


「これはいいな。行動範囲が広くなる。早速模写しよう」


そう言うと、彼は荷物の中から紙と鉛筆を取り出した。


道路。

店。

病院。

図書館。

公園。


画面に映る情報を一つずつ丁寧に書き写していく。


途中で何度も地図を拡大したり縮小したりしながら、周辺の地形を紙の上に再現していった。


作業は思った以上に時間がかかった。


気が付けば一時間近く経過していた。


ようやく書き終えたイーサンは、大きく息を吐いた。


「ふう……できた」


彼は紙を掲げる。


「これで外に出やすくなる」


リャンもその地図を見ながらうなずいた。


「確かにな。迷う可能性がかなり減る」


しかし彼はすぐに別のものへ興味を移した。


画面上部にある楕円形の部分を指差す。


「一つ気になったんだが、この上の楕円形のやつは何かな?」


そう言ってタップする。


すると画面下から文字盤が現れた。


リャンは驚きの声を上げる。


「スゲー! タイプライターのキーボードが出てきた!」


イーサンも感心する。


「これで文字を打つのか」


彼は試しに英語で『Library』と入力した。


数秒後。


画面には図書館までの道筋が青い線で表示された。


さらに距離や予想移動時間まで書かれている。


リャンは思わず声を上げた。


「ここまでできるのか!?」


「目的地を入れるだけで案内してくれるのか……」


イーサンも信じられないという表情だった。


「地図帳も方位磁石もいらないじゃないか」


「未来の道具ってやつだな」


二人はしばらく画面を見つめていた。


だがリャンの好奇心はまだ止まらない。


今度は右上のアイコンを押してみた。


するとメニューらしき一覧が表示される。


その中にあった「航空写真」を選択した。


次の瞬間。


地図だった場所が、空から撮影した写真へと変わった。


「うわっ!」


リャンは思わず声を上げた。


「こんな気軽に空から写真が見れるのか!?」


画面には道路や建物、公園の木々まではっきり映っている。


まるで鳥になって空を飛んでいるようだった。


イーサンも言葉を失う。


「信じられないな……」


「俺たちの時代だったら軍隊か大金持ちしか見られない情報だぞ」


「それを誰でも見られるのか……」


二人はしばらく無言のまま画面を見つめていた。


やがてイーサンが地図の南東側を指差した。


そこには住宅街が広がっている。


「そういえば――」


彼は少し考え込むように言った。


「ここは庭付きの一軒家が多いな」


リャンも画面を覗き込む。


「本当だ。家同士も少し離れてる」


イーサンの目が輝く。


「人目につきにくい場所もありそうだ」


「もしかしたら理想の場所が見つかるかもしれない」


リャンは笑った。


「やっと引っ越し先探しか?」


「ああ」


イーサンは航空写真を見つめながらうなずく。


「まずは情報収集だ。せっかく未来の道具を手に入れたんだからな」


イーサンは腕を組みながら言った。


「まずはこの国の言語を勉強したい」


リャンは首を傾げる。


「どうやって?」


「そりゃ……とりあえず適当に操作すればいいよ」


そう言いながらイーサンはスマートフォンをいじり始めた。


指で画面を滑らせていると、ふとあるアイコンが目に入る。


「お?」


アイコンの下には英語で『Translate』と書かれていた。


イーサンは得意げな顔になる。


「ほら、これですればいい」


タップするとアプリが起動した。


画面には二つの枠が表示されている。


上が英語。

下が見慣れない言語だった。


「翻訳機か?」


リャンが身を乗り出した。


「たぶんそうだな」


イーサンは試しに英語で『Hospital』と入力した。


すると一瞬で下の枠に別の文字列が表示された。


「おお!」


「もう翻訳されたのか!」


さらにその下には英語風の発音表記まで表示されている。


イーサンは画面を見つめながら首をひねった。


「正直まだわからないが……なんとなくこれでいいのだろう」


「少なくとも辞書よりは速いな」


リャンも感心していた。


「未来ってすげぇな」


二人が画面を眺めていると、リャンがある小さなアイコンに気付いた。


「こんなんだろう?」


そう言ってスピーカーの形をしたアイコンをタップした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。