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巨人都市  作者: ハネクリ0831


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知った能力 一ついい考えが思い付いた

二人は以前確保していた木の洞の拠点へ戻った。


荷物を下ろしたイーサンは洞の中を見回した。


「ここに来るのは数日ぶりだけど、ずいぶん長い間来ていない感じがするな」


リャンも周囲を見渡す。


「ああ、確かにな」


たった数日しか経っていない。


それなのに空き家探しや食料探し、そして今日の不思議な能力の発見など、色々なことがありすぎた。


そのせいか、何週間も離れていたような気がした。


「とりあえず今日は収穫があっただけ良かったな」


リャンが袋を下ろしながら言う。


「そうだな」


イーサンも頷いた。


二人はさっそく採取したたんぽぽの下処理を始めた。


明日になったら天日干しにする予定だ。


現時点で使える保存方法はそれしかない。


近くで確保した水を使い、葉や茎についた土を洗い流していく。


「本当は塩漬けとかできれば良いんだけどな」


リャンが言った。


「塩は貴重品だからな」


イーサンは首を横に振る。


二人は少量の塩を持っている。


しかしそれは食事用だけではない。


生きるために必要な物資だ。


何より補充する手段が見つかっていない。


「使い切ったら終わりだからな」


「だから乾燥保存か」


「今はそれしかないな」


一通り洗い終えると、二人は食べる分だけを別に取り分けた。


リャンが腹を押さえながら笑う。


「飯にしますか」


「そうだな。今日は色々あったしな」


今日の夕食は、採取したたんぽぽを使った炒め物だった。


まず縮小していたたんぽぽの一部を取り出す。


イーサンはそれを手に持つと、心の中で念じた。


(元の大きさに戻れ)


しゅるるるるっ。


小さかった葉と茎がみるみる大きくなっていく。


リャンはその様子を見ながら苦笑した。


「何回見ても不思議だな」


「私もまだ慣れない」


二人は木の洞の外へ出た。


そして乾いた小枝や枯れ草を集め、小さな焚き火を作る。


火打石を使うと、やがて小さな炎が揺れ始めた。


イーサンは手持ちのフライパンを火にかける。


温まったところで細かく刻んだたんぽぽの葉と茎を入れた。


じゅうっ――。


静かな音と共に香りが立ち上る。


「見た目は普通の野菜炒めだな」


リャンが言う。


「材料は全部たんぽぽだけどな」


イーサンが笑った。


しばらく炒めると料理は完成した。


二人は平たい木の皮を皿代わりにして料理を盛り付ける。


「いただきます」


まずリャンが一口食べる。


もぐもぐと噛んだ後、


「苦いな」


と真顔で言った。


イーサンは思わず吹き出した。


「だろうな」


自分も一口食べる。


確かに独特の苦味はある。


だが食べられないほどではない。


むしろ今日一日働いた後では十分ごちそうだった。


「まあ、食えるな」


「それが最大級の褒め言葉だな」


二人は笑った。


焚き火の炎が揺れる。


夜風が草を揺らし、遠くから虫の鳴き声が聞こえてくる。


今日は食料を確保できた。


そして不思議な能力も見つかった。


先のことはまだ分からない。


それでも昨日よりは確実に前へ進んでいる。


そう思いながら、二人は静かな夕食の時間を過ごすのだった。


食事を終えた二人は、焚き火のそばでしばらく休んでいた。


木の枝がぱちぱちと音を立てる。


今日一日の疲れもあって、二人とも少しぼんやりしていた。


そんな時だった。


リャンが突然口を開く。


「私ね、一ついい考えが思い付いたんだ」


イーサンは顔を上げた。


「どういったものだ?」


リャンは少し得意げな表情を浮かべる。


「それはね……」


そこで一度言葉を区切った。


「今日見つけた能力を利用するんだよ」


イーサンが首を傾げる。


「能力?」


「そう。物を大きくしたり小さくしたりするやつだ」


「それがどうした?」


リャンは焚き火の横に置いてあった縮小したたんぽぽを指差した。


「俺たちは今まで荷物を運ぶのに苦労していただろ?」


「ああ」


「でもこの能力があれば、見つけた食料を全部小さくして持ち帰れる」


「それは確かに」


イーサンは頷く。


今日もそのおかげで大量のたんぽぽを楽に運べた。


だがリャンはさらに続けた。


「それだけじゃない」


「まだあるのか?」


「例えばだ」


リャンは地面に枝で簡単な絵を描いた。

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