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巨人都市  作者: ハネクリ0831


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10/21

全ての始まり 大きさにびっくり

???


 二人は岸沿いに沿って慎重に歩を進めた。


 湿った土は相変わらず柔らかく、踏み込むたびにわずかに沈む。巨大な植物は背後に残り、視界は徐々に開けていく。だがその分だけ、別の異質さが前面に現れ始めていた。


 しばらく進んだ先で、リャンが足を止める。


「……おい」


 その声は低く、いつもより硬い。


 イーサンも視線を上げた瞬間、言葉を失った。


 そこにあったのは──橋だった。


 だが、ただの橋ではない。


 明らかに人工的に造られた構造物。それは間違いなく“誰かの手”によるものだった。問題はその規模だった。


 橋の柵は、見上げるほどの高さに達している。人間の尺度では到底説明できない巨大さ。まるで巨人が通行するために設計されたかのような比率だった。


 橋脚は森の木々を軽々と超え、構造体そのものが空間に突き刺さっているように見える。


 イーサンは無意識に一歩後ずさった。


「……なんだ、これ」


 声がかすれる。


 リャンもまた、しばらく言葉を失っていたが、やがてゆっくりと呟く。


「なあ……ここはもう、私たちの世界じゃないことは確定してるな」


 その言葉は、冗談ではなく事実の確認だった。


 イーサンは橋を見上げたまま、短く答える。


「ああ……確かにな」


 風が吹き抜ける。


 その音さえも、どこか遠くから響いてくるように感じられた。


 二人の間に沈黙が落ちる。


 巨大な橋だけが、何事もなかったかのようにそこに存在し続けていた。



 しばらくの沈黙のあと、リャンがゆっくりと息を吐いた。


「……行くか?」


 その声には迷いもあったが、止まるという選択肢は最初からなかった。


 イーサンは橋の上を見上げる。巨大な柵が空へと伸び、その奥は霧のような光に溶けている。先が見えない。だが同時に、ここで立ち止まる方が危険な気がした。


「……ああ。渡るしかない」


 短くそう答え、イーサンは散弾銃のスリングを締め直した。


 一歩。


 橋へ足を踏み入れる。


 リャンも後に続く。


「でかいな……近くで見ると余計に意味が分からん」


 イーサンは柵に目をやる。一定間隔で並んでいる。


 するとリャンは小さく笑った。


「とりあえずさ、戻るって選択肢は今さらないよな」


イーサンも短く息を吐く。


「最初からない」


二人は再び歩き出した。



橋を渡り切った瞬間、空気がまた変わった。


そこには、確かに“人工的な空間”が広がっていた。


整然と並ぶベンチ。整えられた花壇。街路のように区切られた空間。どれも明らかに誰かが設計し、配置したものだった。


だが──すべてが規格外だった。


ベンチは建物のように大きく、座面は二人の身長を軽く超える。花壇の縁は壁のように立ち上がり、そこに植えられた植物もまた異様なサイズだった。


イーサンは思わず周囲を見回す。


「……全部、デカすぎるだろ」


リャンも同じく呆れたように呟いた。


「ここ、基準が全部おかしいな……」


さらに進むと、地面の色が変わった。


黄色い道だった。


しかしそれは単なる舗装ではない。表面はなめらかで、どこか人工的な質感を持ちながらも、近づくと微妙に柔らかい。


イーサンがしゃがみ込み、指先で触れる。


「……ゴムみたいな匂いがするな」


リャンは顔をしかめた。


「なんで街の道にそんなもん敷くんだよ」


「さあな……俺にも分からん」


イーサンは立ち上がり、周囲を警戒しながら視線を上げた。


黄色い道は、まっすぐ奥へと続いている。その先には、さらに巨大な構造物の影がうっすらと見え始めていた。


違和感。


説明できない“設計意図”のようなものが、この場所全体に流れている。


リャンが小さく肩をすくめる。


「まあいいや。行けば分かるだろ」


イーサンはすぐには返事をしなかった。


ただ、視線を前に固定したまま短く答える。


「……ああ。行くしかないな」


二人は黄色い道へと足を踏み入れた。


柔らかい感触が靴の裏に沈み込み、まるでこの世界そのものに踏み込んでいくような感覚がした。


二人は、巨大な構造物の影に沿ってさらに進んだ。


やがて目の前に現れたのは、異様に大きな看板だった。


それは長方形のような形をしていたが、スケールが狂っている。人間の家ほどの高さがあり、表面にはびっしりと文字と図が刻まれていた。


イーサンは少し距離を取り、目を細めて全体を見渡す。


「……地図、っぽいな」


リャンも横から覗き込むが、すぐに肩をすくめた。


「いや無理だろこれ。何語だ?」


イーサンは唇を結ぶ。


彼は一応、ある人物から基礎的な文字体系は教わっていた。母国語の読み書きはできる。


だがこれは違った。


見たことのない記号の連なり。意味の切れ目すら掴めない。


「読めない……完全に別の言語だ」


リャンはため息をつく。


二人はしばらく沈黙したまま看板を見上げた。


ただ一つだけ、異様にはっきりと読める部分があった。


イーサンの視線がそこに吸い寄せられる。


「……ここだけは分かるな」


リャンが身を乗り出す。


そこには、を持って浮かび上がる文字列。


OHORI PARK


イーサンはその単語をもう一度ゆっくりと読み返した。何故なら母国語だからだ


「オオホリ……パーク?」


リャンが首をかしげる。


「パークって事は公園?」


イーサンはすぐには答えられなかった。


いまだに何処か詳しくは分からないが

分かったことはここは公園である事がわかった。

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