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世界の十字路【全話統合版】  作者: 時雨青葉
【第2部】守護する獣の街
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波間に消えていく祈り

 ゆらゆらと水中のような闇の中を漂う中、二つの泣き声を聞いた。



「―――――、―――」

「―――!!」



 泣き声に紛れて、誰かの声が聞こえてくる。



 知ってるはずの声。

 でも、全く知らないような気もする声。



 闇の中に見えては消える白い何かと、とある映像の欠片(かけら)

 それらは脳裏にひらめいて、不思議なほど綺麗に意識から零れ落ちていく。



「いいんだよ。君は見なくて。」



 全てがおぼろげな世界で、唯一はっきりとした声が響いた。

 それなのに、この声もまた、するすると忘却の彼方(かなた)へと流れていってしまう。



「いいんだ。これは……君の記憶じゃない。君が抱える必要のないもの。だからどうか……これ以上は直視しないで。」



 祈るような声。



 この声を忘れてはいけない気がした。



 この声を―――この言葉の意味を理解することで、きっと自分の中の何かが変わる。



 そう思うのに……



 ゆらり、ゆらりと。



 波間に漂うような心地よい微睡(まどろ)みの中、なす(すべ)もなく、声は()(くう)へと消えていく―――



<第6章 古からの暗示>END 次章へ続く…



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