108/1258
破滅の予兆
あれから、どれだけの時間が経った頃か。
床に投げ出されていたフェンの手が、ピクリと痙攣した。
ゆっくりと身を起こしたフェンは立ち上がりはせず、近くの壁へともたれかかる。
「ははは……」
フェンの口から、乾いた笑い声が零れた。
「実さん、すごいな……」
それだけ呟いた彼は―――
「あはは……あはははははっ!」
大声で笑い始めた。
その声は決して明るいものではなく、むしろ禍々しさを感じさせる。
「ありがとう。感謝してもしきれないくらいだ。」
フェンは嗤った。
それは、近付く者全てを恐れさせるような、狂気に満ちた笑顔だ。
フェンは自分の両手を掲げ、うっとりと目を細める。
「……シェイラ。」
これで、もう大丈夫。
何も怖くない。
手に入れるものは手に入れたのだ。
だから後は……
そう、後は―――




