1話
「ちょっと夏目君!しっかりと聞いてるの?居眠りなんかしないでしっかり聞きなさい。」
先生の大きな声が頭にずしりと響く。
「またかよ夏目。お前ほんと歴史のときはよくねるんな。」
竜也がそう大きな声で笑いながらそう言ってくる。
僕は歴史の授業が苦手だ。だからと言って学ぶべきではない理由にはならないけど…
だけど、こんな真実かどうかも分からないことを聞いたって意味がないとは思う。
さすがにもう高校2年生で内申は気にするけど…どうしようもないものは仕方がない。
僕は今高校2年生の16歳だ。特に趣味とかはなくて勉強ぐらいしかやることがない。
今話しかけてきた奴は友達の斎藤竜也だ。1年生の時に教室で知り合ってそこから仲良くなった。
あとお互いに幼馴染が1人ずついるけどそれは後の話。
まだチカチカする視界を通してこの平和な世界に意識をゆっくりと戻した。
「・・・ですので、そういうことで第三次世界大戦は終わったわけです。では次からはその後の新政府の立て直しについて学んでいきましょう。」
そう言っていつもタイミングよくチャイムを鳴らす。
みんなががたがたと帰りの準備をする中一人の男子が後ろを向いて話しかけてきた。
「おい夏目。今日稔と比奈子と一緒にゲーセンに行く予定だぜ。」
「え、行くこと前提かよ。」
そうやっていつも竜也に強制されるが別に嫌だとは思わない。
3人といると楽しく、不安がなくなるからだ。
*
「くそ!このクレーン詐欺だろ!」
「もう竜也君そんな乱暴言わないない。」
竜也は掴む気のない無機物に向かってそう怒鳴る。
それを注意するのは舞姫稔だ。この二人は幼馴染で稔は竜也にとっての…母親的な存在だ。
「こら!またボーとして。ナツもこれしよ!」
そういって手を引っ張っているのは櫻塚比奈子だ。
比奈子とは幼馴染でいつも僕の前に立って足を引っ張ってくれている。
3人とはなんでも話せるぐらいいつも一緒に遊んでいる。
「次あのマ〇オカートやろ!負けたらドーナツおごりね!」
「おしゃ!こういうのは言ったもん負けって決まってんだ。財布開いてまってろよ!」
「私、家でよくするからこういうの得意なんですよ。」
・・・
「ははっ。いった通りだろ?」
「うぇ~。ナツには勝てると思ったのに~。しかも竜也!一番高いやつ買うなんて!女子なんだから遠慮しなさいよ!」
「勝負はいつもガチだぜ。それに男女平等主なもんでな。」
泣きべそをかく比奈子を横に竜也はいつもみたいに大きな声で笑っている。
本当に戦争なんてあったのだろうか。僕たちが生まれてすぐのことだから覚えていない。
親が言うにはこの世の終わりを感じたらしいが。
「なんだよ夏目。」
「いいや。こんな日々続けばいいな、と思っただけだ。」
「なんだよそれ。」
そう言ってまたみんなに笑われまた1日が終わった。
*
「なんだと!アメリカが宣戦布告だと!こんな小国たった1年じゃ対抗できる戦力作れるわけないだろ…」
ある男が重くまた悲しみと怒りが混じった声で叫ぶそこは何かの基地だろうか。
その男は武装していた。重そうな分厚い服をき胸にはナイフを備え、大きな銃を背負っている。
そこには窓がなくどこだか全く見当がつかなかった。
「よし分かった。―――はRLを準備しておけ。絶対にばれるなよ!」
男は誰かにそう伝えた。
「師走隊長そろそろ行きますか。今こそ私達の出番です。」
すると部下なのだろう敬語で話すが少し震えているような気がする。
「ああ、行こう。あの部屋には入れさせないさ。」
その男は14人ぐらいを連れて走っている。
するとだんだんと銃声が聞こえ始めた。その集団は再度気を引き締める。顔は決して諦めている素振りはない。
「おいお前ら。決して最後まであきらめるなよ。俺が必ず助けに行く。」
「隊長の助けなんかひt…」
刹那、煙が立ち込めた。するとバタバタとその部隊が倒れていく。
隊長と呼ばれていた男は一瞬狼狽えを見せたがすぐに立ち直り倒れた部下を引きずろうとした瞬間あたりが真っ白…
「っつあぁ!はぁはぁ」
僕はそこで目が覚めた。対して暑くないのに汗だくになっていた。
外を見るとすでに明るくスズメが鳴いていた。
親はいつも通りに仕事でおらず、リビングは静かだった。
朝食を食べ学校に行く準備をしているとインターフォンが鳴りまたいつもみたいに3人が待っていた。




