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『Leve E, Level E 侵入者は現在地下205メートル。Level E, Level E 侵入者は・・・』


 無慈悲な機械がそう言う。地上から250メートルも離れた別世界で数十人の大人たちがその声を聴いている。

 男が焦った声でそれに怒鳴り問いかける。


「おいNi63!睦月部隊はどうなった!」


『はい。睦月部隊計15名は地下185で頭蓋骨破損、心臓消失などで倒れています。被害率は83%。敵の被害率は3%です』


 Ni63と呼ばれているその機械はやはり無慈悲な声で答えた。その言葉は部屋に残された人たちの心の奥を耳を通して重くのしかかった。


「嘘。あの二人新婚だったのに…」


「麗華!今は自分のことと最低限の解決策を考えろ。余計なことは忘れろ。この子達は決して渡してはいけない。死体ですらな。」


「す、すいません。先生… Niっちゃん。師走部隊は…現在どうなっているの。」


『はい。現在師走部隊計15名のうち11名223でガスにより倒れています。被害率は92%…』


「あぁ…」


 声にならない声がその部屋に響いた。


「くそっ!あいつら国連を脱退したからってプライドすらねーのかよ!もうそこまで来ているのか…お前らこれなら奴らに取られても中身は見れねえ。何か一言ずつあるなら残しな。もう時間はない。」


「先生それは…」


 別の男はそう尋ねた。いやもはや疑問でもなく、ただそう言うことで何か道が開けることを望んだのかもしれない。その道はないことに気づきながらも。


「みんなよく今までこの奥深く狭いところで頑張ってくれた。それはとてもありがたい。このようなことになってしまったが私たちの研究は決して無駄ではない。必ずこの先のずっと未来。もしかすると明日かもしれない。その時に必ず花は開いてくれるだろう。そして、わたしたちは研究者でまた親だ。最後までこの子達を守って、親なら失格だろうが自由をこの子達に…」


「はい先生!」「もちろんですよ先生。ありがとうございます。」「先生最後までいい親でいましょう。」


 一人、また一人今にも崩れてしまいそうな感情を押し殺してそう水槽の前で言葉を交わしていた。


『侵入まで約3分です。最終権限を発動してください。なお、発動しなかった場合は敵の侵入と共に自動的に発動します。』


「君たち二人は元気に暮らして、家庭をもって、世界を見て、一生を大切にしてくれ。その成長を見れない私達をどうか許してほしい。」


 男がそういい終わると同時に何かを言った。するとその目の前の二つの水槽はパイプに吸われて上に消えていった。外につながっているのだろうか。その研究者たちはなんだか安心したような顔をしながら涙を流していた。


「夏目、小雪。元気でな。」


 周りに聞こえるかどうかの小さな声がその男の最後の言葉だった。




*




 第二次世界大戦が終わってからやっと世界は平和になった、はずだった。核の抑止力は絶大なものでそこから何百年も戦争はなかった。

 しかし、あることがきっかけで国際連盟の常任理事国ら自らが連盟を抜けていった。その理由はどこかの国の首領が殺されたと学校では習っている。その時のデータは第三次世界大戦中にうやむやになったらしく詳しいことは分からない。しかし一つ確かなのは、今現在日本はアメリカ領日本地域であるということ。

 世界中から日本国は孤立し世界大戦のときたった一国で戦ったとされている。

その戦争で日本国領土の支配はほとんどがアメリカがしたために今現在の政治はアメリカが行っている。

アメリカにより階級制度が導入されたために人権は制限され僕たち元日本人は厳重な監視のもと何とか普段と変わらない生活が保たれている。

この超監視社会になった今、そのことが真実かどうかは知る由もなかった。

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