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吾輩は神である。そして今、猛烈にキレている。  作者: じょん-ドゥ


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第53話:神、四天王の「特殊な欲求」に絶句する

 絨毯を街の死角に着陸させ、吾輩たちは認識阻害を

 解いて、街の最奥にそびえる巨大なコロシアムへと

 足を踏み入れた。だが、そこで吾輩の全知を

 揺るがす、この世の終わりのような光景を目にする。

 闘技場の中央、本来なら死闘が繰り広げられるはずの

 舞台で、四天王の一人である巨躯の男が、見たことも

 ないような複雑な縄の結び目で全身を縛り上げられ、

 恍惚とした表情で床を転がっていた。


「さあ、もっとだ! もっと強く打て、獣人たちよ!

 貴様らの鋭い爪、燃え盛るろうそくの火、そして

 容赦ない鞭の音。ああ、たまらん!

 この痛みこそが、俺に生を実感させるのだ!」


 四天王の叫びに答え、獣人たちは困惑しつつも、

 手に持った鞭を振るい、熱い蝋を垂らしている。

 彼らは戦っているのではない。ただ一方的に、

 変態的な欲望を抱えた巨男を奉仕しているのだ。


「もっと、もっとだ! 俺の頑強な皮膚を貫くほどの

 愛の鞭をくれ! これこそが、我が人生の極致!

 ひゃうんっ! いい、今の感触、最高だぞ!」


 カイルはミスリル剣を抜くことすら忘れ、あまりの

 視覚暴力に、ただ静かに顔を覆って震えていた。

 セレスは手に持った温泉饅頭を落とし、

 虚無の表情で、もう帰りたいと呟いている。


「アスタロ様。解析の結果、この四天王は自らに

 痛みへの超感受性という追加パッチを適用しています。

 管理不能な、純度百パーセントの変態です」


 ルナリエが汚物を見るような眼差しでバインダーを

 構える。吾輩は、隣で同じく口を開けて見入っている

 ヴィータの襟首を掴み、力一杯に揺さぶった。


「おい、ヴィータ! 貴様に問いたい。

 一体どんな基準で、こんな奴を四天王に選んだのだ!

 他の世界で捨てられた奴らに仕事を紹介してくれと

 頼んだ結果が、この緊縛魔だというのか!」


「いや、違うんだアスタロ! あいつも元は、

 別の世界で孤軍奮闘していた不屈の騎士だったんだよ!

 でも生命神の祝福で絶対に死なない体を与えたら、

 刺激が足りなくなって、こじらせたんだよ!」


 吾輩は神である。

 今日からはこの世界のルールであり、

 元騎士の変態を再就職させたヴィータの審美眼を疑い、

 この救いようのないバグをどう処分すべきか、

 深い溜息を吐き出す、苦労性の創造主である。

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