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吾輩は神である。そして今、猛烈にキレている。  作者: じょん-ドゥ


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第37話:神、ニート神に「神権剥奪」を突きつける

 神罰の雷を寸前でルナリエに止められ、吾輩は

 忌々しげに拳を下ろした。だが、残る三人の

 四天王と現魔王のバグを放置するわけにはいかん。

 吾輩は、鼻水を垂らして震える生命神を睨みつけた。


「ええい、もうよい! これ以上貴様と問答しても

 リソースの無駄だ。話は決まった。

 吾輩たちが残る四天王の元へ直接出向き、

 その不快な祝福ごと、実力でデバッグしてやる!」


「えっ、あの子たちをいじめるの? やめてよ!

 みんな、ただ仲良くお酒を飲んでるだけなのに!」


 情けない声を上げる生命神の額に、吾輩は

 指先を突きつけ、冷徹に最後通牒を告げた。


「当然だ。そして生命神、お前にもう用はない。

 今すぐ管理領域へ戻り、ママに叱られてこい!

 二度とこの世界に余計なものを持ち込むな!」


 だが、この野郎の神は、あろうことか再び

 地面に寝転がり、地団駄を踏みながら叫んだ。


「やだやだ! 帰りたくない! あの子たちは

 俺の癒やしなんだ! 俺はここに残って、

 みんなの幸せを見守る義務があるんだぁ!」


「……。アスタロ様。生命神様がこの世界で

 神の力を保持したまま居座り続ければ、

 将来的にまた別の世界の魔物を連れ込むなど、

 システムの脆弱性が放置されることになります」


 ルナリエが眼鏡の奥の瞳を光らせ、事務的に

 追放を促す。吾輩はその言葉に深く頷くと、

 逃げようとする生命神の襟首を掴み上げた。


「よし、生命神。貴様に二つの選択肢をやる。

 一つ、今すぐおとなしく自分の世界へ帰り、

 ママの説教を甘んじて受けること」


「う、うげぇ! それだけは勘弁してよぉ!」


「二つ、神の座を降り、人間としてこの世界に

 留まることだ。神の権能をすべて剥奪し、

 ただの脆弱な生物になれば、居座るのを許してやる。

 安心しろ。自分の世界に帰る気になった時は、

 また神の力を戻してやる。」


 吾輩が突きつけた「人間化」という究極の二択に、

 生命神は硬直した。ふと見れば、先ほどまで

 騒いでいたセレスが妙に静かだ。案の定、彼女は

 宴席の残飯を平らげ、盛大なイビキをかいて寝ていた。


「うっ……。わかったよ。人間になる。

 ママに怒られるより、ここでみんなといたいもん」


「賢明な判断だ。……。では、強制デバッグ開始!」


 吾輩が指先を鳴らした瞬間、生命神を黄金の光が

 包み込み、神格という名の巨大なデータが

 一気に削ぎ落とされた。次の瞬間。


「ぐ、ぎゃぁぁぁぁ! あ、頭が! 頭が痛い!

 気持ち悪い……! なにこれ、死ぬぅぅ!」


 神の耐性を失った途端、それまで浴びるように

 飲んでいた酒の毒素が、一気に二日酔いとして

 彼の貧弱な肉体を襲った。地面を転げ回る

 かつての神を、ルナリエが冷ややかに見下ろす。


「自業自得です。人間になれば、自らの毒物の

 代償は自ら払う。それが世界の物理法則です」


「……。アスタロ様。夜も更けました。

 一旦この森で夜を明かしましょう。

 明日の朝、砦へと出発することにします」


 吾輩は、嘔吐に耐える元神と、幸せそうに

 寝惚けているセレス、そして黙々と鎧を脱ぎ

 眠りにつくカイルを眺めた。

 吾輩は神である。

 そして、今日からはこの世界のルールであり――

 身内を一人、無様な人間に叩き落とした達成感と、

 明日の砦への報告を控え、静かに目を閉じる

 最高に疲れ果てた創造主である。

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