表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吾輩は神である。そして今、猛烈にキレている。  作者: じょん-ドゥ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/32

第11話:神、ニート神に「究極の選択」を迫る

 気がつけば、ギルドの窓から差し込む光は、

 燃えるような赤に染まっていた。

 不毛な言い争いを続けて、もう数時間が経過した。

 酒場の客も、呆れて半分くらい帰っている。


「……はぁ。分かった、分かったよ。

 もう勝手にしろ。ただし、条件がある。

 これが吾輩の最後に出す妥協案だきょうあんだ」


 吾輩は、床に張り付いたセレスの襟首を離し、

 指先を突きつけた。


「神のままで居座らせるわけにはいかん。

 吾輩の力で、お前を一時的に『人間』に変える。

 権能を封じ、ただの非力な女としてなら、

 この世界に留まることを認めよう。

 ……安心しろ。神界に帰る時は、

 ちゃんと元に戻してやるからな」


「えぇっ!? 人間になるの!?

 やだやだ! 絶対に嫌だよ!」


 セレスは、顔を真っ赤にして

 激しく首を横に振った。


「神様の力がないと、ぐーたらできないじゃん!

 魔法でぱぱっと寝床を作ったり、

 おつまみを無から出したりできないし……

 何より、力を使ってお金を出さないと、

 ぐーたらなんてしてられないでしょ!?」


「…………。おい、ルナリエ。聞いたか?」


「はい。はっきりと『神の力でお金を出している』

 と自白しましたね、アスタロ様」


 吾輩は、冷え切った目でセレスを見下ろした。


「やっぱり、この国の経済が狂ってるのは

 お前のせいじゃないか!

 勝手に偽金にせがねをバラ撒いてインフレを起こし、

 さらに貧乏神の特性で運気まで吸う……。

 お前、この世界を滅ぼす気か!?」


「違うもん! 私はただ、

 働かずに飲み食いしたいだけだもん!」


「それが一番の害悪なんだよ!

 ……だいたいお前、そんなぐーたら精神で、

 よく前代勇者との過酷な旅に同行できたな?

 あいつ、休みも取れずに走り回ってたんだぞ?」


 吾輩の問いに、セレスは

 ケロッとした顔でジョッキを掲げた。


「え? だって、あいつ(勇者)に

 荷物持ちから野営の準備まで、

 全部丸投げしてたからね!

 私は後ろで、あいつが稼いだお金で

 お酒を飲んで応援してただけだよ!」


「…………」


 勇者の過労の原因、その半分は

 こいつのせいだったのではないか。

 吾輩は、膝から崩れ落ちそうになるのを

 必死で耐えた。

 吾輩は神である。

 そして、今日からはこの世界のルールであり――

 前代勇者の「魂の摩耗」の真実を知り、

 そっと空を見上げて涙を拭った、

 ただの情に厚い創造主である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ