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いつかの陽だまりへ

「ひまりちゃんは本当に素直でいい子ね」

仮面を付け始めたのはいつのことだったろう…

そう、たぶんお母さんを助けたかったから


「私のお人形なくなっちゃった」

「誰か、取っちゃったのかな」

「可愛い人形だったから羨ましかったのかも」

「誰にも言わないから返してあげて?」


「母親ひとりだと、ひまりちゃんも寂しいんじゃないですか?」


「父親がああだと、子どもも育てにくいでしょう」


何かに傷ついても泣けなかった。

泣くと、お母さんが辛そうな顔するから。

泣くと、周りの大人が嫌そうな顔をするから。

だから、

だから必死で良い子の仮面を被った。

周りはその日を境に徐々に優しくしてくれた。お母さんも…


でも、最終的には

彼氏を私に取られたと思った子に階段から突き落とされた。


(馬鹿みたい…だよね)


そんな理由で異世界転生した先では今度はヒロイン。

だから、もっと上手く立ち回らなきゃ

そう思い込んだ。


でも本当は寂しくて、

本当は誰かに助けて欲しかった

レティシアが壊れなければ私もやり直せるんじゃないかって思った。

だから、ホンモノの愛があるって、私が今まで見れなかっただけで、存在はするんだって。

信じさせて欲しかった…いや


「レティシア様…えっと。王子さまとは偶然お会いして…」

「前にも言ったはずです」

「婚約者のいる男性と2人で話すのは品位にかけると」



私は試してみせる!


「レティシアさまっていつも本音ですごいですね!」

「·····?」

「それにいつも正しくって。羨ましいっ」

「話の論点をすり替えないで……」

レティシアの言葉を私は遮る。


「王子様って私と似てるんですって!

だからなのかな?気持ちが分かるんです」

「あの方の優しさに漬け込まないでください」

レティシアの声が震えている。

でも辞めてあげない。

だって、私は


明るくて無邪気で少し天然…な仮面を被ったずるい女だから。


「優しさ?優しさって難しいですよね」

涙が止まらない。


「アリシア嬢…?」

「優しいってなんなんだろう」

「優しさだけじゃ何も届かないのに」

ここが私の成れの果て


「また同じことを聞きますね」

「レティシア様は王子さまの事、好きですか?」

「それとも私に壊されます?」


「そう…いえ。壊れてません」

「私の想いはあります」

レティシアはまっすぐ私を見つめ返した。

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