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11サイコトルネード

見てくださってありがとうございます。

一方、鬼ヶ島の裏手からはおじいさんとおばあさん、ミツユキの三人はすでに上陸を果たしていました。

ドォオオン……ドォオオン

「……どうやら派手にやっとるようじゃの……」

遠くから破壊音が轟いてきます。

「礼太君……大丈夫かしら……」

『私が見ています。心配ありません。異変が起きたら知らせましょう』

『女神か……』

どうやら女神様はこちらとあちらの両方を見守ってくださっているようです。

『彼が心配なら人間の救出を急ぎましょう。予定通りにまずは天下城を目指しましょう』

「そこに桃太郎がおるのじゃな?」

『はい。人間の救出には彼の力も必要となるでしょう』

「あぁ、桃太郎!今助けに行くわ!」

「当然じゃ!」

おばあさんとおじいさんのやる気は十分。

『ならば急ごう。少し手荒になるが、良いだろうか?』

「いいわ。すぐにでも桃太郎に会えるのなら」

「やってくれ。ミツユキ」

『承知した』

ミツユキは念動力でおばあさんとおじいさんを持ち上げ、

『行くぞ』

「「!?」」

三人は超高速で飛翔し、グングンと天下城に近づいていきます。

「と、飛んでるわ!?ワタシ達飛んでるわ!?すごいわねぇ!」

「ほっほぉ!こりゃ爽快じゃな!」

ミツユキは超加速によってかかる空気抵抗や加速度エネルギーを念動力で丁重に制御し、おばあさんとおじいさんの負担がかからないようにしました。

おかげでおばあさんとおじいさんは大喜びです。

ミツユキもそんなおばあさんとおじいさんにつられて薄く笑みを浮かべました。 そんな状況にそぐわない楽しい飛行体験ですが、やはり世界は辻褄を合わせるように三人の前に壁が立ちはだかりました。

「こんばんは。侵入者諸君」

「ひいっ!?」

「お、鬼じゃ!」

三人の前に、同じく飛翔して立ちはだかってきたのは鬼でした。

額には大きなねじれたツノが一本。煌びやかな金の長髪が特徴的で、鬼にしてはやや小柄。衣服も一流の職人が仕立てたような一級品。豪胆な種族である鬼にしては珍しい外見でした。

「ボクの名前は美鬼びきよろしくね」

「やかましいわい!おまえ達の悪行も今日までじゃ!」

「おじいさんの言う通りです!」

「君達の命の方こそここまでだと思うけどね。周りをよくご覧よ」

「「……?っ!」」

おじいさんとおばあさんは目を凝らし、気づきました。

鬼、鬼、鬼、鬼。鬼の大群が待ち構えていたのです。 数は軽く見積もっても千以上。

『偶然です。滅鬼との戦いに巻き込まれないように避難してきた先に出くわしてしまっただけです』

「女神様!?それなら事前に知らせてくれませんと困るわい!」

『問題ありません。やれますね?ミツユキ』

『……簡単に言ってくれる』

ミツユキは右腕をかかげ、

『ふっ!』

鬼の大群を薙ぎ払うように腕を振るいました。

ブォオオオ!

「「「「うぁあああ!?」」」」

たった一薙。それだけで大群の前線が吹き飛び、陣形が崩壊しました。

『…………ふむ』

ミツユキは調子を確かめるように、腕に目をやりました。

「へぇ?君もなかなかやるようだね。けど、その程度じゃ……」

ムクリ。

吹き飛んだ鬼は痛みに顔をしかめながらも立ち上がっていきます。

「残念ながら僕達を倒すまでには届かない」

美鬼の言った通り、強靭な肉体を誇る鬼を倒すまでには至りません。

『……ならば、もう少し試してみよう』

「なに……?」

ミツユキは右腕をかかげ、再び念動力を発揮します。

「「「「うわぁああ!?」」」」

再び、鬼達が念動力によって吹き飛んでいきますが、

「さすがに二度目は甘いんじゃない?」

「「「「おぉおおお!」」」」

ミツユキの念動力をかいくぐり、接近を試みてくる鬼達が出てきました。

「いかん!」

「ミツユキちゃん!?」

狼狽するおじいさんとおばあさんでしたが、

『案ずることはない』

「「「?」」」

動じないミツユキを前に、おじいさんとおばあさん、そして美鬼も首を傾げました。 そして、初めに違和感を覚えたのは美鬼でした。

「これは……?」

念動力の力がジワリジワリと増していたのです。それだけではありません。

念動力の力の向きが、巨大な螺旋を描くように変化していきます。 結果、

「「「「うわぁああああ!?」」」」

その凶悪的な螺旋は鬼の大群の全てを呑み込む程に大きくなりました。

『サイコ……トルネード!』

「「「「!?」」」」

ミツユキが掲げた腕を振り下ろすのを合図に、念動力によって生み出された竜巻が爆ぜました。

竜巻の爆発による途方もない力は鬼達を巻き込み、群れのほとんどを鬼ヶ島の外へと吹き飛ばしてしまいました。

「すごい!すごいわミツユキちゃん!」

「こりゃあたまげたわい!」

絶対的強者の鬼の大群を簡単に一掃してしまったミツユキを前に、

「なん……だよ……それ……!」

美鬼は戦慄し、後ずさります。

『退くなら退け。止めはしない』

「誰が……!」

美鬼は瞳に闘志を宿し、ミツユキを睨みつけます。

「調子に乗るなよ怪物め……!ボクはすぐにくたばったザコどもとはワケが違うぞ……!」

続きもお願いします。

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