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13 紹介

「本当にあの階段迎えに来てくれたなあ」


「まだ言ってんのかペンタ」


ナナシとペンタたちは教室に来ていた。


「先生!教室の準備とは何をするのでしょうか!」


「そうだなあ。教科書がもう少しでくると思うんだが、その間何しようかな」


「何も無いんですね」


「お前ら、何か聞きたい事ないか?」


「こっちに時間つぶさせないでよ……」


「……」


「ん?どうしたの?」


リンリンがロッカーを指差す。

横から1.2.3.4と指して5個目を不思議そうに見る。


「あー。それは掃除用具入れだよ」


「え、お掃除屋さんが魔法でちょちょいってやってくれないんですか?」


「ペンタ、お前は魔法に期待しすぎだ。お前らが掃除するんだよ」


「でも階段とか扉とかは、誰かの魔力を流したままなんじゃないですか?」


「あれは特別な人がやってるから気にしなくて良いんだよ」


「学長ですか?」


ベクターが聞く。


「まだ学長に1度も会っていません。新入生に挨拶とかないのでしょうか?」


「全部のクラス見て周るって言ってた気がするけどな。そのうち来るんじゃないか?」


「では、そのうちKクラスにも来てくれるという事ですね!」


「そうだな……あ、やべ。俺イフに伝えそびれた事があった。ちょっと行ってくるわ」


ナナシはそう言って教室を急足に出て行った。


「あの先生本当適当だなあ」


「教科書が届いたら受け取っておけば良いんですかね?」


「多分な!」


「……」


ペンタは改めて教室を見渡す。


「にしても、魔法を学ぶ教室にしては普通だよね」


「確かに。あまり物も置いていませんし、シンプルですよね」


「他の教室も同じなのだろうか!ぜひ、見に行ってみたいな!」


そう言ってカールが立ち上がる。


「ダメですよ。他の教室は授業をしているかもしれません。それに、教科書がもう少しで届くと言っていたでしょう?受け取る人がいないと」


「それもそうか……」


ガチャッ


「あれ?ここじゃなかったか」


挿絵(By みてみん)


金髪の少年が扉を開けて入ってきた。


「おや、君は確かリーちゃん先生にお仕置きされていた少年ではないか!」


「はあ?嫌な覚え方してんじゃねえよ。あれは幻だ。今すぐに忘れろ」


「誰か探しているんですか?」


ベクターが聞く。


「ああ。リー子のやつ、俺に教室で待ってろって言ったきりいなくなってよ。それでずっと探してるんだよ」


「それは困りましたね」


「じゃあ、まだ授業受けられてないんだ……」


「そうなんだよ。まだ探すとこあるからさ、もしリー子がここに来たら俺が探してたって伝えてくれ」


そう言って少年はKクラスを出て行った。


「意外と話しやすそうな子だったかも……」


「そうですね。人は見かけに寄らないですね」


ガチャッ


「おや?ナナシ君はいないのかい?」


挿絵(By みてみん)


また扉が開かれ入って来たのは、まだ1度も顔を見ていないガタイのいい男だった。


「はい。イフ先生に用があったみたいで先ほど出て行きました」


「そうか。まあ、彼がいなくても良いか」


男は少し困った顔で微笑む。


「貴方は?」


「スクオーラをまとめているだけの何者でもないさ」


そう言うと、男は人差し指を前に出す。

その時、ボンッという音がしてペンタたちの机の上に分厚い本が数冊現れた。


「それを使って楽しく勉学に励みたまえ」


「もしかして、貴方は学長では?」


ベクターが尋ねる。


「皆んなにはそう呼ばれているね」


学長は照れたように頭をかく。


「どうかね?ここに入学してみて、イメージは変わったかな?」


「そうですね。思っていたより生徒が少なかったです」

「意外と厳しくなかったかな」

「楽しく学べそうだな!」

「……」


ペンタたちの返事を聞いて学長は頷く。


「君たちにとって良い学園生活になる事を願っているよ。そういえば、君たちはもう他のクラスの生徒たちとは交流したのかい?」


「クラス替えの時に顔を合わせたくらいです」


ペンタが答える。


「そうかそうか。それはすまなかったな。皆がお互いの名前を知りたかったろうに……ところで、私はまだ他のクラスを見に行けていない。そして、今ナナシ君は用があって出ていると言ったね?」


学長がニヤリと笑う。


「そうですね、全然戻って来ませんけど……」


「ま、まさか!」


カールが立ち上がる。


「良かったら私と一緒に他クラスの見学に行かないかい?」


「行きます!!」


1番に返事をしたのはカールだった。


「学長が味方なら安心だね。私も行く」


「んん〜……。まあ、教科書は受け取りましたし、ここまで戻ってこないあの人の責任でもありますね。僕も行きます」


「……!」


リンリンも嬉しそうに頷く。


「よしよし。では、まずはQクラスから行こうか」


そう言って扉に手をかける。


ガチャッ


「失礼する」


「「「「!!!!?」」」」


Kクラスの扉を出たはずなのに、目の前にはQクラスのメンバーが教室で授業を受けていた。


「あら、学長こんにちわ」


「やあ。お邪魔するよ」


Qクラスの教師らしき女と、学長が挨拶をする。


「学長、今のってもしかして移動魔法ですか?」


ペンタが聞く。


「ああ。もう何度も体験したと思うが、この扉にかけられている移動魔法は私のものなんだよ。そして、私自身は自由自在に何処からでも、好きな場所に行く事ができる」


「ちなみに、階段を動かしているのは?」


ベクターが聞く。


「それも私の移動魔法だね」


(なんて人なんだ……。火種がいくつあればこんな事が出来るんだろう……)


「学長、見学は結構ですがそちらの子たちはナナシ君のクラスの子では?」


女教師が言う。


「そうだよ。暇そうにしていたから連れ出して来たんだ」


「暇そうにしてた?ナナシ君は一体何しているんですか」


「さあな。それより、この子たちにQクラスを紹介したいのだが自己紹介を頼んでも良いかい?」


「ええ、良いですよ」


女教師はペンタたちへ体を向ける。


「Qクラスの担任、クロナよ。よろしく」


挿絵(By みてみん)


「「「よろしくお願いします」」」

「……」


「ほら、貴方たちも」


クロナに言われて1人の女が1番に立ち上がる。


(あ、ハル……)


クラス分けの教室で最初に声をかけてきたハルだった。


挿絵(By みてみん)


「ペンタとは2度目ね。改めて、私の名前はハルよ。よろしく」


ハルが手を振る。


「へへ、よろしく」


「おや?ペンタ君はハル君と顔馴染みなのかな?」


学長が尋ねる。


「あ、クラス分けの時に色々説明をしてくれた子なんです」


「なるほどね……」


ハルが座り次に立ったのは、ペンタが魅入られた女だった。


「私はルーナ。若い子皆んな大好きよ。よろしくね〜」


挿絵(By みてみん)


(かわいい……は!何言ってんの!私には最推しのサルビアがいるというのに!)


「ふんっ。若い子〜皆んな好きて。気持ち悪いなあ」


そう言って気の強そうな女が立ち上がる。


挿絵(By みてみん)


「ウチはアテラ。よろしく」


「何よ〜。アテラちゃん私に当たり強くな〜い?そんなに私の事好きなの?」


「何言ってんの!気持ち悪い」


「喧嘩、良くないよ」


2人に挟まれる形で座っていた少年が立ち上がる。


挿絵(By みてみん)


「僕、ムー。猫が好きだよ。よろしくね」


ペンタたちは拍手をする。


「ではでは、こちら側も自己紹介しておこうかな?」


━━━━━━━━━━━━━


「……では、自己紹介も終わったので私たちは適当に見ていても良いかい?」


「あらやだ。学長に見られながら授業なんて、緊張しちゃうわね」


「ははっ。すまないな。気にしないでくれ」


女教師のクロナは、教卓の上に置いてある水槽を見る。

中には1匹だけ小さい魚が泳いでいる。


「では、再開するわね」


よく見ると、ハル達の机の上にも同じように小さな丸い水槽が置かれていた。その中にも、魚が1匹泳いでいる。


「一体どんな授業なんだろうか……」


ペンタの隣でカールが嬉しそうにしている。


(私もしっかり見ていよう。これから役に立てるかも……)


「はーい。じゃあ水槽をよーく見て」


クロナが言うと、ハル達も水槽をじっと見る。


(凄い集中力……)


すると、クロナの水槽の中でいなかったはずのもう1匹の魚が現れる。

氷で出来た”それ”は、仲間である魚を無視して優雅に泳いでいる。


「あれはクロナ先生の魔法?」


「そうだよ。クロナ君は氷魔法を使うんだよ」


ペンタの呟きに学長が小声で答える。


「ハルさん達の水槽にも、変化が起こっているみたいですよ」


ベクターの言うように、ハルの水槽では魚が跳ねたりボールをついて泳いだりと、芸をこなしていた。

ルーナの魚はルーナを見つめた後から、ふらふらと不安定に泳いでいる。

ムーの魚は、小さなピストルに変わっていた。


「アテラさんの魚は消えましたね?もしかして、魔法を魚に?」


「そうよ。学長が階段や扉にかけているように、自分以外のものにも魔法をかけられるように鍛えるの。その力を鍛える事が出来たら、魔法の幅も広がるからね」


ベクターの問いにクロナが答える。


(確かモネさんもそんな事言ってたな……)


「1年生は魔法の質を磨き、出来る事の幅を広げる。やっている事は違えど、基本はそれを中心に学んでいってもらうんだよ」


学長が言う。


(1年で出来る事を増やして、2年でそれを磨き上げるって事かな……)


「では、そろそろ行こうかな。お邪魔したね、クロナ君」


「ええ、また会議でお会いしましょう」


「もう行くのですか!」


「あと2クラスあるからね。それに、ナナシ君が戻ってくるまでに君たちを帰さなければ」


ガチャッ


「あと20週ーー!!!!」


学長が扉を開くと、そこは先ほどペンタ達が2年生と訓練していた草原だった。


「はあ、はあ、く、くるしっ」

「なんだい、君、Jのくせに大した事ないねっ」

「は、吐いちゃう……」

「年寄りにはもう少し優しくして欲しいの」


ルージーを含めたJクラスの生徒が走り込みをしている。


「頑張れー!!!」


そんなJクラスを追い込んでいるのは、担任であろうガタイの良い男だった。


「やあ、お邪魔するよ」


学長が話しかける。


「おや!学長ではありませんか。丁度良いところに。今、気合いで追い込みをかけているところです」


いかにも厳しそうな男を前に、ペンタ達はナナシで良かったと心から安心する。


「はっは。いやあ、気合いがあるのは良い事だが、無理させ過ぎないでくれよ」


「はい。そこは気をつけております……。ところで、そこの生徒たちは?」


「Kクラスの子たちだよ。ちょいと他クラスの紹介をしようと連れ回しているんだ」


「そうでしたか。では、うちのクラスも……。おーい!皆んな戻ってこーい!」


男が叫ぶと、今にも倒れそうなJクラスの生徒たちが、フラフラとやって来た。


「先生っ。次はなんでしょう」


(生意気くん辛そう……)


「Kクラスの生徒たちに自己紹介をするぞ」


そう言うと、ペンタ達に向かって男が一礼する。


「俺はJクラス担任のオークスだ。ナナシのとこの生徒だよな?よろしく頼む」


挿絵(By みてみん)


ペンタ達は拍手を送る。


「では、ワシから。ルージーだ。こんな老いぼれだが、仲良くしてくれ」


ルージーがペンタにウインクをする。


(あんなに走ってたのに全然息が上がってない……)


感心しながらペンタは小さく手を振る。


「僕はハンス。よ、よろしくね……」


挿絵(By みてみん)



「僕はマット。惜しくもJクラスに選ばれてしまったが、実力はAくらいある。せいぜい、僕を目指して頑張るんだな」



挿絵(By みてみん)


「なんだあの人」


ベクターがボソッと言う。


「はは、ああいう子なの。きっと、そんなに悪い子ではないはずだよ。……多分ね。」


すると、マットがペンタを見て小さく舌打ちをする。


「ちっ」


「……ペンタ、あの子と何かあったのですか?」


「まあ、少しね……」


「ええっと、私はマルです。よろしくね」


挿絵(By みてみん)


「少しリンリンに雰囲気が似ていないか!」


「……?」


「そうかなあ?どっちかと言えばモネさんじゃない?」


マルが、カールとペンタの会話を聞いて微笑む。


「じゃあ、私たちの番だね」


━━━━━━━━━━━━━


「なかなか面白そうな生徒だな。こりゃあ、ナナシも暇がなくて良いだろう」


自己紹介を終えたペンタ達にオークスが笑いかける。


「私もそう思うよ。ところで、Jクラスはどんな授業をしているんだい?」


「基礎体力作りですよ。いくら魔力があるからって、体力が無ければ意味ないですから」


「ははっ。明日は筋肉痛だな」


「笑い事じゃないですよ」


マットが不満そうに言う。


「あと少しで終わるじゃないか。終わったら今夜は親睦会をするんだろ?頑張ろうじゃないか」


「それを言い出したのは先生ですよ……」


(オークス先生、意外とお茶目なのかな……)


「では、あまり長居はしない方がいいな。次に行くか」


「またいつでも来て下さい」


ペンタ達は挨拶をして再び学長に付いて行く。


ガチャッ


「おや?ここにいると思ったんだが」


次に来たのは普通の教室だった。


「ここはAクラスでしょうか?」


ベクターが聞く。


「そうだ。リー君がいると思ったんだが……」


どう見ても教室にはペンタ達だけだった。


「間違えたか……?」


その時。


「学長ー!ここですよ」


「ん?今何か聞こえませんでしたか?」


ペンタが辺りを見渡す。


「何だい?私には聞こえなかったな……あ」


突然、学長が腰を下ろして床を眺め始める。


「学長?」


「お疲れでしょうか!」


「はは、いやいや。ここにいたよ」


そう言って床を指差す。


ペンタ達はそこを注視する。


「リーちゃんだよ〜」


「あっ」


よく見ると、小さくなったリーが床で手を振っていた。


「リーちゃん先生は小さくなれるのですね」


ベクターが手を伸ばす。

すると、リーもベクターの手に触れようと手を伸ばす。


ボンッ


大きな音と共に、元の大きさのリーが目の前に現れ

る。


「気づかなくてすまない」


学長が謝る。


「いえいえ。どちらにせよ、そろそろ元に戻ろうと思っていたところです」


(あ、そうだ)


「リーちゃん先生。さっきあの金髪の少年がKクラスに来て、先生を探しているって言っていましたよ」


「あちゃ、あの子Kクラスにまで探しに行ったの?」


「リー君、今は何をしていたところなんだい?」


学長が尋ねる。


「少年がどれだけ相手の魔力を見られるか、試していたところなのです」


「なるほど」


「魔力を見るって、つまり火種の事でしょうか?」


ベクターが聞く。


「あんなレベルの低いものとは違うよ。火種は双方見せ合うのが条件だけれど、見るっていうのは一方的に相手の魔力を視認する事なの。まあ、それができるのは一部だけれど。あの子なら出来そうな気がしたんだけどね〜……」


ガチャッ


「あー!リー子いた!!」


勢い良く扉を開けて入って来たのは、金髪少年だった。


「リーちゃんだってば……」


「はっは!今年のAクラスは元気な子が入ったね」


学長が笑う。


「ん?そいつは誰だ?」


「ちょっと、失礼よ」


金髪少年の言葉にリーが注意する。


「そんな事より、リー子お前どこにいたんだよ?俺ずっと探してたんだぞ?」


「私は階段で君と話した後、教室に行ったよ。それからはこの教室を一歩も出ていないよ」


「はあ?そんな訳ないだろ。俺はここで待ってたんだぞ?」


「君は魔力を見てみた?」


「魔力を見る?なんだそれ」


「1度、何も聞かずに目を閉じて集中して」


「なんなんだよ……」


少年は目を閉じる。


「じゃ、そのまま魔力を目に持っていって」


「ん?」


「持っていったらそこに留めたまま、目を開けて」


「いやいやいやいや」


少年が目を開ける。


「見えたでしょ?」


「見えてねえよ!てか、そういう事なら最初から普通に教えろよ!魔力を見るとか知らねえよ!」


「試してみただけだも〜ん」


「はあ!?こんだけ長い時間放っといて、お前やばいだろ!」


「何よ、何となく察してやってみない君も悪いじゃない」


「察するか!」


「えーーと……、上手くやれているみたいだね」


2人を見ていた学長が言う。


(学長……それは無理ありますよ……)


「ところで、リー君。君たち2人に自己紹介をして貰いたいのだが、良いかな?」


「自己紹介?良いですよ」


リーがペンタ達を不思議そうに見ながら、返事をする。


「って言っても、私は最初に自己紹介したね。リーちゃんだよ。よろしく」


挿絵(By みてみん)


ペンタ達は軽く頭を下げる。


「ほら、君も」


「俺?あれ、さっきしてなかったか……。ロイだよ」


「ロイ君は中々元気で面白いね」


「は?馬鹿にしてんのか?」


そう言って学長を睨みつける。


「こら!」


ドンッ!!!


「「「「……!!」」」」


「いってー!」


気づくと、ロイが壁にめり込んでいた。


「失礼はダメでしょ!」


「だからって暴力もダメだろ!」


「はは……ここはそろそろ戻った方が良さそうだね」


学長がコソッと言う。


「そうですね」


それにペンタが答える。


「リー君、ロイ君、お邪魔したね」


「あれ、もう帰っちゃうのですか?」


「ああ、この子達をナナシ君の元に帰してあげないといけないからね」


「そうですか……。では、また後で会いましょう」


「ああ」


寂しそうに学長を見るリーを、威嚇するように背後で見ているロイ。

それを見ながらペンタは学長の背中を追う。


ガチャッ


「4人ともお疲れ様。何か新しい発見はあったかな?」


「うちの担任がマシって分かりました……」

「Kクラスで良かったです!」

「……!」

「リーちゃん先生のあの暴力的な力は魔法なのでしょうか?」


ベクターが質問をする。


「あれは純粋なリー君の力だね」


学長が笑いながら言う。


「恐ろしい……」


学長が教室を見る。


「ナナシ君はまだ戻っていないみたいだね。では、僕は今のうちに戻るとするよ。今日は付き合ってくれてありがとう。また会おう」


そう言って学長は手を振りながら、扉の先に消えていった。


「……なんだか疲れましたね」


ベクターがダルそうに椅子に座る。


「私も……」


ペンタ達も続いて座る。


「僕は楽しかったぞ!」


「……」


ガチャッ


「悪い、遅くなった……ん?お前ら何か疲れてないか?」


「おそえりなさい〜」

「気のせいですよ。それより、もう時間終わりますよ」

「サボっていたな!」

「……」


「すまんな、大人の急用ってやつだ」


「もう疲れたからなんでも良いです。それより早く寮に帰ってご飯にしましょう……」


「本当にお前らに何があった……?」


疲れているベクターを見て心配するナナシ。


「夜ご飯、とびきり美味しいの作って下さいね」


ペンタがナナシに言う。


「ああ、任せろ」

 






























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