表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「妹がバカかわいくて平凡な農家ライフが崩壊しそうなんだが!」  作者: やまちゃぁん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

286/297

『しろと十ぴきの仲間たち 〜巨大魚、つかまえるぞ!〜』

調子に乗って、「巨大魚編」書いてみました。

春の風が心地よく吹くある日。


川沿いで草むらがざわざわ……

そして――


バシャァァァン!!


川の水面が大きく跳ね上がった。


「な、なんだ今の!?」


村の子どもたちが目を丸くする。


さらに――


ドッパァァン!!


水しぶきが空に届くほど高く跳ね上がり、光を浴びてきらめく巨大な影。


それは――


「――お……お魚……?」

ミーナがぽかんと呟いた。


「いや、もう“魚”っていうか“怪物”だろ(ガライーバかよ)」

ルークが冷静につっこむ。


川の中で堂々と泳ぎ回る、

信じられないくらいデカい魚。


村の人たちはざわざわ。


猫たちは――


「……」


「…………」


「………………」


バシュッ!!


十一匹全員の尻尾が、一斉にピーン!! と立った。


「でっかい!!」

「ぜったいおいしい!!」

「夢みたい!!」

「いや夢以上!!」


先頭で目をきらきらさせるのはもちろんこの猫。


しろである。


その隣で腕(らしき前足)を組み、


「ふっ……ついに来たな、ぼくらの時代が」

くろが妙にカッコつける。


「どんな“時代”だよ」

ルーク即ツッコミ。



■ そして、決意


村のおばさまが困った顔をする。


「あの魚、網が破れちゃってねぇ……」

「でもこのままじゃ畑の水をかき回して被害が出ちゃうよ」


困った大人たち。


ミーナはぎゅっと拳を握る。


「じゃあ――

つかまえちゃおうよ!!」


猫たち


「おー!!」

「狩猟の時間だぁぁ!!」

「魚まつりだー!!(まだ開催されていない)」


ルークは額を押さえる。


「絶対こうなると思った……」


だが口元は笑っていた。



■ 巨大魚 VS 十一匹


川岸に集結する猫たち。


くろが前に出て叫ぶ。


「作戦を説明する!!」


「おおお!!」


「――ない!!」


「ないの!?!?!?」


一瞬で崩れる軍議。


ミーナ爆笑。

ルークは静かに空を見た。

(完全に予想してた)


そこで。


「じゃあね――」

ミーナがぱっと手を上げた。


「泳げる子は魚の前に回って!

足の速い子は周りから走って注意を引いて!

勇気のある子は――飛び込む!!」


なぜか完璧。


なぜか猫たち納得。


「ミーナ、時々怖いくらい有能だよな」

ルークが小声で言う。



■ いざ、決戦!


川が揺れた。


巨大魚、出現!


「でっっっっっか!!」


猫たち――


ゴー!!


一匹が石から石へ飛び移り、

一匹が水しぶきをあげて走り、

一匹が勢い余って川に落ち――


「にゃがばぼばば!!!」


即座に救出。

(すごく手慣れているのが悲しい)


水面が跳ね、巨大魚が動く――!


「今だ!!」


しろが飛んだ。


風を切る白い毛並み。


ミーナが両手を握る。


ルークが息を呑む。


――しかし


ピチッ


「………………」


「………………」


「しろ、背中乗ってるだけだね」

ミーナの正直コメント。


それでも――


「いまだあああああ!!」


くろ号令。


他の猫たちがロープ状の蔦を引き、

川岸で村人たちが支え、

ルークも加わる。


「引けえええ!!」


ミーナも一生懸命。


「うんしょーー!!」


魚、暴れる。


猫、叫ぶ。


村人、必死。


そして――


ばっしゃああああああん!!!


巨大魚、ついに川岸へ!!


大成功!!


「やったーーーーー!!!」


猫たち飛び跳ねる!

ミーナ大喜び!

ルーク笑顔!

村人大歓喜!


――ただひとり。


「………………」

魚の背中に乗ったまま放心しているしろ。


「かっこよかったよ、しろ!!」

ミーナの言葉に


「……えへへ」


ちょっと誇らしげ。



■ そして、結果


巨大魚は村の名物に加工され、

春祭りのために大切に保存されることとなった。


そして――


「特別猫用、ちっちゃい切り身!!」


おばさまの笑顔。


「やったあああ!!」

「英雄だ!!」

「今日だけはぼくら、すっごく優秀!!」


くろ、堂々。


ルーク、小声で。


「……今日“だけ”って自覚あるんだな」


ミーナはしろの頭をそっと撫でた。


「すごかったよ、しろ」


「……えへ」


尻尾が小さく揺れた。



■ でも、猫は猫


食べ終わった十一匹。


「なぁ、くろ」

「なんだい」


「次は――」


「巨大エビとか、いないかな!?」


「いるだろうさ!!きっとどこかに!!」


「いくぞーーーー!!!」


十一匹、全力ダッシュ。


ミーナ笑い転げる。


ルーク、天を仰ぐ。


そして春の村にはまた今日も――

笑い声と足音が響くのだった。


おしまい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ