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 5話  2人の為に動く。


 そして 時間が流れ、秋の季節がやってきた。


 街中にゲートが出現するもハンターの力不足で氾濫が起きる。最後のボスを倒しきれずにゲートから溢れ出してしまう。被害が大きくなるにつれて人の死も付き纏うようにもなる。学園の生徒もハンターを志す者達が戦いを挑むも多くのケガをして流れ込んでくるようにもなる。


 その様な最中に校舎の屋上から眺めていた。桜庭が


「学生程度の彼等が出て行った処で勝ち目など無い事が分からないのかねぇ~足手まといだろうに」


 克己の隣でブルブルと震えている詩織、そんな彼女の肩に腕を回す。佐々木克己!


「青春だな!克己!」

「うるせぇ~拓海!おまえなら勝てるのか?アイツ等に?」

「どうだろうな?戦いを知らないからな・・俺も遊び程度だったら勝てるかもしれないが命のやり取りだろう。考えた事も無いな!」

「そうなのか、自分が笑っている事も理解できないようだな!」


 ミラージュの魔法で自分の顔を見て興奮する。そして 初めて見る魔法に2人も驚く。


「なんだ、それ?」

「鏡を作り出す魔法だよ」


 2人の前に鏡に映し出された2人の状態を見て 2人して顔を赤く染めてしまった。突然、


「なぁ~!あの2匹を俺が加勢して倒す事ができたのであれば、おまえ達 付き合えよ。安い買い物だろう」


 冗談とも取れる。冗談を言ったのだが 当の2人も冗談だと受け取り、


「いいわよ。そんなにも簡単な事でも無いから」

「付き合うなどと言わないで結婚をしてやればいいよな!頑張って働くさ、詩織の為に!」

「なら 決まりだな!」


 屋上に落ちていた。小石を数個、拾い上げて


「行ってみますか。克己の未来が掛かっている事だし」

「ま・・待て 早まるな、拓海!ここは、5階の屋上だぞ!」


 普通に足を出せば、地上に向かって落ちて行くのだが “ ドン ” と 言う音共に桜庭拓海が飛び出してしまう。小石を足場にグランドを飛び越えて屋根の上を走り切る頃には、2人も抱き合って空を見上げていた。


「次元が違うとは思っていたけど・・・ここまで凄いのか。拓海は!」

「私達と幼馴染の拓海君かしら違う人が入っているみたい。凄すぎる」


 上空から見慣れた2人を見つけて 地上に降りてきた。


「まだ ハンターの仕事をしているのですか。もう、辞めたのかと思いましたよ」


 誰かと思い、振り返れば!途端に頭を下げる人に青い顔をする人が・・・元ハンターギルドの職員の2人が


「あの時は、事情も知らないで本当に済まなかった」


 武器が無いと倒す事もできないか。


「ねぇ~おじさん、携帯電話持っている」


 懐から取り出して見せる。


「最新型だね。俺が標識を破壊するから それを録画してよ。簡単でしょう。あれとこれにしようかな!それで許すから」

「おじ・・・!俺はまだ、24なのだがわかった。録画すればいいのだな!」


 拓海が標識を蹴り飛ばしている姿を録画が完了して 映像の確認を行う。十分だと理解した処でそれをネットに流す。悪評高い、桜庭拓海の拍車が係る。


「いいねぇ~炎上まじかだ!」

「何がしたい。君の悪評が拡がるだけだろう」


 1本の標識を拾い上げて


「ん?悪者は1人で十分だろう」


 意味を理解できないでいたのだが魔力の流れを感じ取る。標識の柱の部分が風魔法で斜めに切り取られ、拓海が投げただけで勢いを増して飛んで行き、頭を貫通して風魔法で元の場所に戻り、刺さってしまうが向きが違う事を懸念して向きを変える。その光景を見ていた2人も驚く。逸材と言うレベルで無い事は十分に理解した。


 そして もう1体の方も狼狽えだす。突然の仲間の死に拓海を見つけ出した時には既に遅く、頭の部分に風穴が開いて 今度は、手直しをする事も無く正確に立つのであった。


「少し、低くなったけど!問題が無いよね。叔父さん達!」


 彼らの頭も上下する。それでしか反応が出来ないのであった。その映像もとぎれとぎれで録画をされており、ハンターギルドに持ち込まれるのであった。


 ハンターギルドとしても彼にハンターに成って貰いたい気持ちが在ったとしても世間一般的に見てもそれが許されない状態でもあった。これ以上に彼との関りを公表されでもしたらギルド自体が傾く恐れまで備わっていた。彼が20歳を超えるまで関わらない事を表明しているだけに国からの援助も無くなりかねない位置にまで来ていた。


 今回の失態にも拍車が係る。ゲートの出現率とハンターの数が追い付かない状態にまでなっている事も現実で一般市民も国が そんな状態にまで落ち込んでいる事も知らされていなかった。1部の報道機関や1部の役所関係者が知っているのも現状だった。


 そして 屋上で見ていた2人も固まる。まさかの冗談が本気だった事を! 小石を足場に戻ってきた、桜庭拓海が目にしたのは、


「それでは改めて 2人が付き合うという事でいいよな!俺の前でキスでもしてくれ、それで納得してやる」


 突然の告白に戸惑う2人・・・それを聞いている。周りの野次馬達、突然に現れる。桜庭拓海の存在!懐から取り出して携帯電話で映像を公開する。フラシュが光り輝き、戸惑う2人・・・


「学園生活がおもしろくなったな!」

「拓海、俺達で楽しんでいないか?」

「悪いか、楽しんでいるぞ!そのお陰で念願だった、詩織と付き合う事ができたのだろう。おまけ付きで!」

「そんな物は、無効よ!むこ~~うぉ~よ!」

「無理だわ。全校生徒に送ってしまった後じゃ~」


 彼等2人の携帯電話にメールが届く。先程の音声、会話が流れ それを確認して顔が赤面にもなる。


「完璧な音声だろう。怪我人の治療に向おうぜ!仲間達の!」

「覚えていなさいよ。絶対にやり返してやるから!」

「俺にも彼女ができた時に頼むな!」


 怒り心頭に克己を見る。


「なんだよ。俺が何をした?」

「拓海君の好きな女性の好みは?」


 悩んだ末でてきた言葉が


「そもそも、拓海と女の話をした事が無いから分からない。知らないなぁ~」

「好きな芸能人は?」

「芸能関係の話もしないな!もっぱら 遊び関連な話は」

「遊びって?」

「パソコン関連やゲーム関連だろう。俺達の遊びって言ったら」


 深い溜息の後に振り向けば、既に桜庭拓海の存在も消えており、階段を下りている最中であった。こんなにも面白い場面を見逃した彼らも携帯電話の映像を見て盛り上がっていた。そんな処で桜庭拓海が現れて回復を施す。見る見るうちに回復をして傷跡も消えてしまった。







 第6話 初のゲート!

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