3話 遺産を奪われる。
今度こそ勝てると見越していた筈の桜中学校の同級生達も この場の誰しもが思っていたのだが蓋を開けてみれば、信じられない事にもなっていた。
「あれぇ~可笑しいな?測定不能です、ごめんね、もう一度 触れて貰える。機械が調子が悪いのかな?」
ちょっとまってくれよ。体内魔力を圧縮しているのだぞ。魔力量だってこれ以上も少なくしたら最後、大爆発が起きてしまう処まで来ていて 図れないだと信じられない。どれほどにも低い設定をしている、予定外だ!
「早く、データーを送れ 後が閊えているぞ!」
「課長、先程から何度やっても同じになってしまうのです。何がいけないのでしょう・・・か?」
ブゥ~ンと音が鳴り響く。
「やっぱり、測定が出来ないのです」
「測定ができないのでなくて この人がSランクに匹敵するほどの魔力を持っているって事だ。8人目のSランクハンターの誕生だ」
一瞬で噂が拡がるが当の本人は気にする様子も無く。家族の死から立ち直っていなかった。それは、桜中学校の同級生達にも理解ができていた。桜庭拓海を心配していた。そんな事など何も知らない担任の佐々木望は安易にハンターの大事さを拓海に話し始めた処で席を立つ、
「その手の話なら気分が害した。他の生徒に話をしてもらえるかな!気分転換に外に行く」
「まて 桜庭君に一番に聞いてもらいたい事なのよ」
「悪いな、俺の心は先生の心みたいにダイヤで出来ていない。薄いガラス程度だ、簡単に割れてしまいそうなんだよ。それと興味も無いと言った方がいい。平凡なサラリーマンでいいとも思っている」
桜庭拓海が出て行けば、教室の生徒達からは暴騰が飛び出す。他の教室から教師が駆け付けるほどに この日から学生寮に住んでいる桜庭拓海が学校に顔を出す事が無くなってしまった。部屋にいる訳でもなく、部屋には枯れた花が在るだけであった。
両親の死から・・身寄りも無く、保護観察中の彼の行方を捜す事、数週間後に見つかる。工事現場で仕事をしている最中に現場監督から知らせが来る。
「桜庭、何かあったのか?監察官の彼らが来ているぞ?」
「なんだろう。学校の方には書類を出してある筈だけど・・夏が終わったら帰るって?」
「なんでまた、長期の休みを取った」
「一番は金ですかね。生活費が何もありませんから仕事をしていかないと学園生活もできない状態です。それが現実問題です」
「・・・・そうだったな!取り合えず、顔を出して来い」
「わかりました」
全身から汗が滲み出ている彼を見て監察官の彼らも理解した。真面目に働いている姿を見て
「すいませんでした。何か、迷惑な事でもありましたか。仕事をするのにも学園の方には、書類を提出してある筈ですが」
3人の内、1人が学園に連絡を取る。
「働かなくても十分な金額が保険会社に国からも支援が出ている筈だと思うのですが どうしたのですか」
「聞いていませんね。切り崩したお年玉で生活にも限度が来ていたので長期の休みの申請を学園の方にも出しましたが何か、不味かったのですか」
「学園の方に連絡をして確認が取れました。受理されておりました」
もう1人の男性も支援センターや保険会社に連絡をしてみれば、受理されている事を理解したのだが親戚が引き取りに来た事を伝えられ、
「君の親戚の人が引き取ったらしいのだが届けられていないのかな?」
「母型の兄が県を挟んで近くに住んでいるような事は聞いた事がありますが会った事もありませんね。大方、その人が勝手に持ち逃げしたのでしょう。
無いものねだりをしても仕方が無いから仕事をして働いているのです。これが現状です」
「君だったら もっとラクして稼げるだろう」
「食事付きで1日のバイト代が2万ですよ。割のいい仕事だと思いますが食事だって4回も出してもらえる。から助かっているのです」
調べた結果、既に金が残っている訳も無く。全財産が無くなっていた。
「これが現実ですね。俺の処になど、金が残されていないのも現実です。疑う事をしない大人達が悪い。明日の食事も取れないのも現実です。学園生活を満喫したいと思っているのも現実なのです。
割のいい仕事で短期間で稼ぐと言ったら肉体労働でしょう。それも仕方が無い事です。時間の無駄です、全財産が戻ってきたのであれば、学園に戻りますが無理な事を承知しております。仕事に戻っても構いませんよね」
今日明日の食事代を出せたとしても それ以降の食事代をどうするかと問い詰めれば、何も言えなくもなってしまう。自分自身で働いて稼ぐほかないのも現実であった。16歳で厳しさも・・・ネット上では言いたい放題、言われてしまい。最終的には、取られた奴が悪いで集結した。
悪い事ばかりではなかった。自宅を高値で買ってくれた人が居て 普通の生活ができるようにもなる。それでもバイト生活から抜け出る事もできないのも現実で長期の夏休みが終わった頃に学園に戻る事もできた。2ヶ月ぶりに登校する。
「相変らず、仲がいいな・・お二人さん」
「拓海!」
「拓海君!」
「拓海、連絡先を教えておけよ」
「携帯電話も持っていない状態と言うより、まだ 持つまでに時間が掛かる。電話が無くても困る事も無いからな!」
「まてまてまて連絡が付かないのか?お前は?」
「問題も無いだろう。目の前にいるから!」
「それ以外の時は!」
「俺に時間を使うよりも詩織をカマってやれよ。他の男に横取りされるぞ」
「何処に物付きが居るって 誰も構わないだろう。詩織など!」
「私だって 男の1人や2人くらい。彼氏ができないとでも思っているの馬鹿にしないでよ」
3人の会話を聞いていた生徒が詩織の下に近寄って
「詩織、今日 暇だろう。カラオケに行こうぜ!」
ウインクをする。それに乗る。
「暇よ。行きましょう」
彼の腕をとる。見せつけるだけで佐々木克己も怒り心頭に成り、
「俺も付いて行くからな!」
ハンターギルド職員が話を振ってきた。学園内に侵入しての話を振ってきていた。不法侵入でもあった。
「話をしている最中、悪いが!桜庭拓海君、少し 我々と話をしていただけないだろうか。悪い話でもない話です」
彼らの雰囲気を確認して鑑定を覚えた為に鑑定をしてみれば理解した。
「断る事も可能ですか。そんな気分でもありません」
「下手に出ているからって・・」
桜庭拓海の肩に手を置いた時、彼の手を後ろに回して簡単に腕を折ってしまう。そして・・・悲鳴が上がる。
「克己、警察に電話をして」
第4話 悪評




