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■第7章:始まりの村

翌日。


古城の外。


何もなかった平地。


そこに、人が集まっている。


「ここで……」


「やるぞ」


難民たちが動き出す。


木を運ぶ。

石を積む。

地面をならす。


ぎこちない。


でも、必死。


シャーロットはその少し後ろで見ている。


「すごい」


小さく呟く。


「ほんとにできるんだ」


「えへへ」


ルミナは腕を組んでいる。


「最初はこんなもんよ」


現実的な声。


「問題はここから」


視線は鋭い。


セレスティアは全体を見ている。


人の配置。

水の位置。

作業の流れ。


「無駄が多いな」


ぽつりと。


一歩前に出る。


「そこ、二人でやるな」


「三人で持て」


「道は先に整えろ」


的確な指示。


動きが少しずつ整っていく。


シャーロットはそれを見ている。


「……すごい」


「セレスティア様」


「当然だ」


短く返す。


その時――


「シャーロット様!」


一人の女性が駆け寄ってくる。


まだ若い。


少し不安そうな顔。


「これ……どうしたら……」


水の入った桶。


運び方が分からない。


シャーロットが少し戸惑う。


「えっと……」


ルミナが横から言う。


「二人で持てばいいでしょ」


即答。


「……あ」


女性が少し安心する。


「ありがとうございます!」


そのまま走っていく。


シャーロットは少しだけ考える。


「……わたしも」


一歩前に出る。


ルミナがちらっと見る。


「なにするの」


「手伝う」


迷いのない答え。


「えへへ」


ルミナは小さくため息。


「無理はしない」


「分かってる」


短いやり取り。


シャーロットは作業に加わる。


木を運ぶ。

石を積む。


その動きの中で――


ほんのわずかに、

きらり。


でも、抑えている。


影響は小さい。


ただ――


作業が、少しだけスムーズになる。


誰も気づかない程度に。


でも確実に。


セレスティアがそれを見る。


(……自然に使い始めている)


ルミナも気づいている。


(制御したまま使ってる)


一歩進んだ状態。


夕方。


簡単な骨組みがいくつかできる。


「今日はここまでだな」


誰かが言う。


疲れた顔。


でも――


少しだけ、希望がある。


シャーロットはその光景を見る。


「……できてる」


小さく呟く。


胸に手を当てる。


「……家族」


その言葉が、少しだけ重くなる。

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