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■第6章:救った先の責任

数日後。


古城の門前。


「……ここで間違いないか」


数人の人影。


あの日、助けられた難民たち。


まだ完全ではないが、

歩ける程度には回復している。


その中の一人が、前に出る。


「……失礼します!」


声を張る。


中庭。


シャーロットは、いつものように菜園の手入れをしている。


「……?」


顔を上げる。


門の方を見る。


ルミナもすぐに気づく。


「……誰?」


警戒の目。


セレスティアは一歩前に出る。


門を開ける。


難民たちが頭を下げる。


「先日は……!」


「助けていただき、ありがとうございました!」


深く頭を下げる。


シャーロットが少し驚く。


「……あ」


思い出す。


「元気になったの?」


少しだけ嬉しそうに言う。


「えへへ」


その言葉に、

難民の表情が少しだけ緩む。


「はい……なんとか」


「本当に、ありがとうございました」


再び頭を下げる。


ルミナはその様子を見ている。


(……回復してる)


(後遺症もなさそう)


少しだけ安心する。


その時――


難民の男が、少しだけ顔を上げる。


「……お願いが、あります」


空気が少し変わる。


セレスティアが静かに言う。


「内容による」


はっきりと。


男は一瞬迷って――


それでも、言う。


「この近くに……」


「村を、作らせていただけないでしょうか」


その一言。


シャーロットの目が少し開く。


「……村?」


男は頷く。


「行くあてもなく……」


「ここなら、水もあり……」


「何より――」


一瞬だけ、シャーロットを見る。


「あなたが、いる」


はっきりと言う。


空気が静まる。


ルミナの表情が一気に変わる。


「……は?」


低い声。


警戒。


一歩前に出る。


「ちょっと待ちなさい」


はっきりとした拒絶の気配。


「それは――」


言いかけた瞬間。


「いいよ」


シャーロットの声。


ルミナの動きが止まる。


「……は?」


振り返る。


シャーロットはまっすぐ立っている。


少しだけ緊張している。


でも――


目は逸らしていない。


「ここに、来ていいよ」


はっきりと言う。


難民たちの目が見開かれる。


「本当に……?」


「うん」


小さく頷く。


「えへへ」


少しだけ笑う。


「一人より、いっぱいのほうがいいし」


素直な理由。


ルミナが一歩詰め寄る。


「ちょっと、あんた」


声が低い。


「簡単に言うけど――」


シャーロットがルミナを見る。


その目は、

少しだけ強い。


「見える範囲は救うって決めたから」


はっきりと。


ルミナの言葉が止まる。


覚えている。


あの言葉。


セレスティアは静かに目を細める。


「……覚悟はあるようだ」


小さく呟く。


難民たちはその場で膝をつく。


「ありがとうございます……!」


「本当に……!」


何度も頭を下げる。


シャーロットは少し困ったように笑う。


「そんなにしなくていいよ」


「えへへ」


ルミナはその様子を見ている。


(……本気だ)


止められない。


でも――


小さく息を吐く。


「……分かった」


短く言う。


「ただし」


一気に空気が締まる。


難民たちが顔を上げる。


「勝手に広げない」


「ルールは守る」


「危ないことは全部止める」


はっきりと言う。


「それができるなら」


腕を組む。


「好きにしなさい」


難民たちは何度も頷く。


「必ず……!」


セレスティアが一歩前に出る。


「土地はあちらを使え」


古城の外、少し離れた平地を指す。


「水源も近い」


「ただし、管理はこちらで行う」


難民たちは深く頭を下げる。


「ありがとうございます……!」


シャーロットはその光景を見る。


少しだけ、胸に手を当てる。


「……よかった」


小さく呟く。


「えへへ」

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