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■第17章:守るための取引

古城・応接室。


重い空気。


テーブルを挟んで、

セレスティアと神官。


ルミナは壁際。


完全に警戒状態。


若い女性も同席している。


「……結論から言いましょう」


神官が口を開く。


「その少女は中央に来るべきです」


「管理と教育のために」


はっきりと。


セレスティアは紅茶を一口飲む。


静かに置く。


「断る」


即答。


神官の眉が動く。


「理由を」


セレスティアは視線を向ける。


「引き離すと不安定になる」


短く。


「実証済みだ」


神官は黙る。


思い出している。


あの場。


暴走。


「……確かに」


認めざるを得ない。


若い女性が口を開く。


「ですが、このままでは危険です」


「未管理の聖女など、前例がない」


セレスティアはわずかに目を細める。


「ならば、作ればいい」


その一言。


空気が止まる。


「……何を?」


神官が問う。


セレスティアははっきりと言う。


「ここに教会を置け」


一瞬の沈黙。


ルミナの目が動く。


神官がゆっくりと言う。


「……地方教会の設置、ということですか」


「形式上はな」


「だが実質は違う」


はっきりと言い切る。


「この村に“小規模の教会”を作る」


「そして――」


一拍。


「彼女を、そこの聖女とする」


完全な提案。


若い女性の目が見開かれる。


「……正気ですか?」


「中央に置かない聖女など――」


セレスティアが遮る。


「中央に置けば壊れる」


冷静に。


「ここなら安定する」


事実だけを並べる。


神官は深く考える。


視線を落とし、

指で机を軽く叩く。


「……管理はどうする」


重要な問い。


セレスティアは即答する。


「表向きは教会」


「実務は私が見る」


主導権は渡さない。


ルミナが小さく笑う。


若い女性が言う。


「それでは中央の権威が――」


神官が手で制する。


「……待て」


そして、ゆっくりと顔を上げる。


「条件を追加します」


交渉に入る。


「定期的な報告」


「監査の受け入れ」


「有事の際の優先権」


一つずつ提示する。


セレスティアは少しだけ考え――


「一部は受け入れる」


選別する。


「報告はする」


「監査も受ける」


「だが――」


視線が鋭くなる。


「強制移動は認めない」


絶対条件。


神官と視線がぶつかる。


数秒。


長い沈黙。


そして――


「……了承します」


静かに言う。


決着。


若い女性が驚く。


「ですが――!」


「現実を見ろ」


神官が制する。


「あの状態を中央で扱えると思うか」


若い女性は言葉を失う。


セレスティアは紅茶を持ち上げる。


「賢明だ」


一言。

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