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■第9章:名前の重さ

村の一角。


「聖女様、これもどうぞ」


パンを差し出される。


「え?」


シャーロットがきょとんとする。


「……ありがとう?」


受け取る。


少しだけ首を傾げる。


「……せいじょ?」


小さく呟く。


そのまま歩きながら考える。


古城へ戻る。


中庭。


ルミナとセレスティアがいる。


「ねぇ」


シャーロットが声をかける。


「なに」


ルミナが振り返る。


シャーロットは少し迷ってから、


「聖女ってなに?」


まっすぐ聞く。


一瞬の沈黙。


ルミナの眉がぴくっと動く。


セレスティアと視線が合う。


ルミナが先に口を開く。


「……簡単に言うと」


腕を組む。


「特別な力を持ってて」


「人を助ける立場の人」


ざっくり。


シャーロットは少し考える。


「……助ける人」


繰り返す。


セレスティアが静かに続ける。


「もう少し正確に言うなら」


「国に認められた存在だ」


「立場も、責任も伴う」


少しだけ重い言葉。


シャーロットの目が少しだけ動く。


「……責任」


その言葉に、

少しだけ引っかかる。


ルミナが横から言う。


「簡単に言えば」


「勝手に名乗れるもんじゃないってこと」


現実的。


シャーロットはしばらく黙る。


村の人たちの顔を思い出す。


「……でも」


小さく言う。


「助けたら、そう呼ぶんだね」


単純な理解。


ルミナは一瞬だけ言葉に詰まる。


「……まぁ」


完全には否定できない。


シャーロットは少しだけ笑う。


「じゃあ、違うね」


あっさり言う。


「わたし、そんなすごくないし」


「えへへ」


軽い。


深く考えていない。


ルミナがため息をつく。


「……あんたねぇ」


でも――


セレスティアは静かに見ている。


「どう受け取るかは、君次第だ」


短く言う。


シャーロットは少しだけ考える。


そして――


「じゃあ」


にこっと笑う。


「呼びやすいなら、それでいいよ」


完全に軽い。


でも――


“拒絶しない”選択。


ルミナはそれを見る。


「……ほんとに」


小さく呟く。


セレスティアはほんの少しだけ目を細める。


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