15話 私にも運が向いてきたのよ!
ノリで書いています。
誤字脱字あると思います。
ご指摘くださいませ。
___ミリーデ、今すぐ魔法学校があるロバルの街へ向え
父ボルデオデは、私が13歳の魔法検査で魔力があると分かると、ロバルの街の魔法学校へ進学するように言った。幼いときより絵本で読んで憧れた英雄の“魔導師”。世界を救い、ロニテア王国の貴族院を支える賢者。優しくカッコよく、女性なら誰でも憧れる存在。私の領土にも2人、ヨボヨボのおじいちゃん魔導師がいるけど、彼らが若いときは、それは非常にカッコ良かったと侍女長も顔を赤らめて言う。
絵本の中の魔導師は、刺繍の入った綺麗なローブを翻し、この地にいる魔物や野蛮な者をなぎ払い、王や民ために働き、そして貴族なり領土を治めた英雄。
ロニテア王国の貴族はその子孫だという。だけど現実の魔導師は、すこし絵本とは違う。ある者は手から火を出し、ある者は水を出す程度。私の領土は王都から遠く離れている田舎なので、2人いるヨボヨボの魔導師は本当に小さい火を2~3個しか出せないし、怪我の痛みを引かせるぐらいしかできない。だけど王都にいる魔導師は人の頭程の火の玉を多く出すとも聞く。私は本当にわくわくした。私がその魔導師の素質があると!
しかし私がロバルに向うときに、おかしな事が続いた。まず親しい侍女が夜に何者かによって乱暴されて、大怪我を負った。聞くと深夜に強盗が入ったのだと。それからも毎夜のように不審な事件が続き、ある朝、早くに父に呼び出されて、言われる。
「ミリーデ、今すぐ魔法学校があるロバルの街へ向え」
執事のデリダルさんと侍女のリアナ、冒険者組合の護衛2人を伴って、まだ暗い朝に私はロバルへ向う事になった。2匹のボロークが引いた箱馬車に5人で乗り込み、西に向った。
私も馬鹿ではない。この不審な事件、どう考えても兄の仕業。侍女に聞くと、兄は私に魔力があると知ると、しきりに領土内の豪家を回っているという。貴族に生まれた以上、こうなるのは私も分かっているけど、さすがに遠く離れていく故郷を想い悲しくなる。
「ご安心くださいませ!ミリーデ様!護衛の1名は魔導師とは言いませんが、魔法を使えます。必ずお守りいたします」
魔法を使えるネスタ、それと気は弱そうだけど剣の達人だというダケーラ。私は安心して西に向う。だけど2つ街を越えて、ワニズミの街に着くときに盗賊に襲われた。
「安心ください!ミリーデ様!我々が!……」
そう言うネスタは窓から引きずり出され、姿が見えなくなる。換わりに野蛮は男たちが箱馬車を囲い、私たちは盗賊に攫われた。
知らない山小屋のような場所に縛られてダメだと覚悟したとき、更に恐ろしい事が起きた。野蛮な毛皮を羽織った蛮族の子供が小屋にきたと思うと盗賊に見た事もないような大きな火魔法を浴びせ、窓からも毛皮を羽織った蛮族が2名入ってくると盗賊達を虐殺しはじめる。
蛮族の子供が、囚われている私たちに声をかけ、質問をし始める。怖くなりながらも、会話に成功する。どうやらこの蛮族たちはドムゲザル山脈にすむ蛮族らしく、南のロアン帝国に故郷を追われた者だという。それにしても蛮族が魔導師級の魔法を使えるなんて聞いた事がない。
___過去の英雄の子孫なのかしら?
震える足を頑張って止めて、私は考える。故郷を追われた蛮族。そして魔導師級の腕を持つ……そうしている間に蛮族の2人が暴れ出す。あれは絶対、自分の魔力を抑えきれない魔力酔いのはず!
____そうよ!私も魔導師の素質があり、私は貴族の娘!そして英雄の子孫。
「そうだったの……、いいわ!私が雇ってあげる!魔法も使えるし腕は立つのでしょ!」
執事のデルダルには咎められたが、私は彼らを雇う事にした。私にも運が回ってきたのよ。
野蛮な蛮族に壁にかけてあるローブを着るように指示を出す。
そう……。
私は貴族エッツオ家の長女、ミリーデ・フォン・エッツオ!
魔導師になる者よ!




