番外編4「神田、初任者研修に行く」
王都から届いた一通の手紙。
「えっ……研修? 俺が?」
神田は目を丸くしていた。どうやら“制度化に伴う施設代表者の基礎研修参加”という名目らしい。
「これ、義務ですか?」と尋ねると、「“強く推奨”とのことです」とミラが答えた。
というわけで、神田は王都の研修センターへと向かうことになった。
——だが。
「おいそこのハーフオーク! おむつの当て方が逆だぞ!」
「ふぇ……す、すみません……!」
講師役のエルフ女性はキビキビとしていて容赦がない。
参加者はハーフリング族、リザードマン、精霊族にスライム(!?)まで混じっていた。
「この種族間身体構造の違いに対応するのが、“異種族介護”の基本です!」
神田は(これは……予想以上にカオスだ)と内心ツッコんだ。
実技講習では、なぜか神田が講師代理にされていた。
「はい、次。“声かけ”の例を神田さんお願いします!」
「えーと……失礼します。これからおむつを替えさせていただきますね」
「うんうん、安心感のある声だ! さすが!」
その場の空気が和らぐと、緊張していた他の受講者たちも笑顔になっていった。
休憩時間、スライム族の受講者が神田のもとへ来て、小さな声で言った。
「……ありがとう。“こうしなきゃ”って思いすぎてたけど、“寄り添えばいい”って、ちょっとわかった気がします」
神田は笑って頷いた。
「介護は魔法でも特技でもなくて、“気持ち”なんです。どの種族でも、きっとそれは一緒です」
今回は少しコメディタッチで、制度の波に巻き込まれた(?)神田の王都研修回でした。
異種族の身体・文化の違いを踏まえた“多様な介護”の入り口としても、やや真面目に構成しています。
次回は、ノクが“ひとり立ち”に挑むエピソードを描きます!




