【第17話】魔王陛下と面会!? リリス、親子会議で福祉を語る
魔界――
黒き炎がゆらめく玉座の間。その中心に、重厚な漆黒の鎧をまとった魔王が座していた。
「リリス。貴様、帰ってきたと思えば“介護施設を魔界に”だと?」
ドスの効いた声に、玉座の間が揺れる。だがリリスは一歩も引かなかった。
「そうよ。わたくし、自分の目で“老いと向き合う場所”を見たの。
それがどれだけ尊くて、大切なことかを知ったの!」
「老いとは弱さだ。魔族は“強さ”をもって誇りとする種族。
年老いてまで手を借りるなど――」
「誇りって、何よ!」
リリスの声が響いた。
「本当に誇りがあるなら、自分が弱ったときも、誰かに助けを求められることよ!
誰かを信じる“強さ”も、誇りなのよ!!」
魔王はしばらく沈黙した。
そして――ふぅ、とため息をつく。
「……貴様、強くなったな。口だけは」
「口だけじゃないわよ、実践もしてきたんだから!」
そう言ってリリスは、セカンドリーフで描いた魔界福祉構想図を魔法で投影した。
そこには、種族別のケア、看取りの場、子どもたちとの交流、そして笑顔が描かれていた。
「……これは、お前の“理想”か」
「違う。**“未来”**よ」
やがて、玉座の間に一人の老魔族が現れた。
「陛下。わし……実はもう、膝が痛くてのう。
長時間の巡察に耐えられんのじゃ……。
できれば、この“魔界セカンドリーフ案”……前向きに……」
「……貴様まで……」
魔王は顔をしかめながらも、ついには苦笑を漏らした。
「……分かった。
一つだけ条件がある。“施設の責任者”、貴様がやれ」
「え?」
「貴様が言い出したのだ。貴様が作り、守れ。
……そしていつか、ワシにも使わせてくれ」
「え……それって……!」
「それが“誇り高き老い”だというのなら……見せてみろ」
こうしてリリスは、魔界に新たな“セカンドリーフ支部”を設立する許可を得た。
「セカンドリーフ・マカイ支部」、誕生へ――!
次回:「魔界に支部!? そして王都から“本格認定”の通知が…!」
いよいよセカンドリーフが“正式な福祉施設”として動き始める――
制度と理想のすり合わせに、優一たちの手腕が問われる!
第17話まで読んでくださって、ありがとうございます。
今回は、リリスが父・魔王と向き合うことで、
自分の“想いと言葉”をしっかりとぶつける場面を描きました。
介護の世界では、ときに「老い=弱さ」と受け取られてしまうことがあります。
でも本当は、“誰かに支えられることを受け入れる勇気”こそ、強さなのかもしれません。
リリスが言葉にした「助けを求める誇り」は、
異世界の価値観に風穴を開けるような大切な言葉でした。
これからの彼女の歩みが、また誰かの支えになっていくと思います。
次回は、正式な制度認定に向けた大きな動きが始まります。
どうぞ引き続きお付き合いくださいませ。




