穿つは光の咆哮2
「クロエ、コイツを使え…あと、これは壊れてもいいから〈破壊者〉のスキルをセットしとけ」
「よっと…ありがと、ライネスっ♪」
ライネスは即席で作った無骨な戦鎚をクロエに渡す。
「よいっ…しょッ!!」
『ぐごぁ…この、虫ケラ風情がァッ!!!』
クロエが横薙ぎに振るった戦鎚は、閃光を放とうとしていたアルジスタの横っ面を叩き、攻撃をキャンセルさせた。
だが、スキル〈破壊者〉の影響で戦鎚の耐久が大きく削れる。それを気にする事なくクロエは縦横無尽に戦鎚を振るう。
『ぐぶぅ…雑魚が生きが…』
「おらっ、〈範囲採掘〉!!」
『ぐがぁ…ゴミ虫共がァッ!!!』
「クロエばっかり気にして大丈夫か?」
小馬鹿にしたような言葉に、光晶竜は怒り狂い尻尾による薙ぎ払いをする。グリスはアオユキを抱きかかえて跳躍する事で回避する…が。
「やっべ…」
「っ…全装備〈超過重力〉!!」
ライネスヘ向かう巨大な結晶の尻尾の行く手を塞ぐように、クロエは黒重晶の大盾を地面に突き立てて構え、〈超過重力〉を使用すると同時に、クロエの足元が重力の増加によってめり込む。
「ぐうぅ…何とか、耐えたッ!!」
「クロエッ!!」
『忌々しい…』
クロエの構えた大盾と地面を抉りながら振るわれた尻尾が直撃した瞬間、ドゴォォォンッ!!!という衝撃がクロエを襲い、自身の体力を9割程減らすが、その尻尾の勢いを完全に殺し、受け止める。
「こっち来いや、クソトカゲ!!」
『ぐ、踏み潰してくれるァッ!!!!!』
アルジスタの脳天に思いっきりツルハシを振り下ろすことで、ヘイトをクロエから自分へと替える。その間に、クロエは減少した体力を回復する為に回復ポーションを何本も飲む。
「…悪い、クロエ」
「ん?別にライネスが何かしたわけじゃないでしょ?」
「私がもう少し戦えるようなステータスだったら…」
「…もう、ライネスは考えすぎだよ?ゲーム何だから、やりたい事を好きにすればいいの♪」
その時、 光晶竜に変化が生じた。自身を翼で覆い隠し、何かを溜めるようなモーションに入る。
「おいおいおい…まさか範囲攻撃か?」
『我が光に焼き滅ぼされるがいいッ…〈光線乱反射〉ッ!!!』
アルジスタが翼を広げると同時に、周囲に光のレーザーが撒き散らされた。




