青雪は前を向く
青雪の過去編はこれで終わりデス…
…ベッドから起き上がる青雪に、満足感と喪失感が襲う。
「…真似する、必要は無い…」
青雪は幼い頃から勉強も運動もできた…故に、妬まれていた。どれだけ仲良くなろうと頑張っても、家族以外では誰も青雪を理解しようとぜず、距離を置かれた。
中学生になってもそれは変わらず、いつしか家に籠もるようになってしまった。そんなある日…リユニオンに出会った。
自身と大差ない身長と年齢であるのに、人の為に頑張っている姿を見て、自分も真似をすれば、いつの日か現実でも…と思っていた。
「…どうすれば…いいの?」
同じクラスらしい生徒が来るが、「こんなの見てないで学校に来いよッ」「先生に言われて来ただけだし」と言われて、青雪は嫌だった。
そんなある日、青雪は暁月夏鈴に出会った…
「おぉ…♪」
初めてだった、家族以外に自分の好きなものに興味を見出してくれたのは。
「学校、行きたくないのか?」
「…うん…」
「そっか…あ、またライトニングがぶっ飛ばされてる」
彼女だけだった、「学校に来い」と強制しなかったのは。
「…なんで」
「…ん?」
「…何で、一緒にいてくれるの…?」
か細い呟き…青雪は恐れていた。夏鈴に「先生に言われたから来ただけ」と、他のクラスメイトと同じ事を言われるのが堪らなく怖かった。
…だが…
「…青雪、言っただろ?」
「…何を…?」
「またねって、毎回私が帰るときに言ってたじゃん?それって、私と居て楽しいからだろ?」
「う、うん…」
「私も青雪と一緒に居ると楽しいからな♪」
笑顔と共にそう言った夏鈴に、青雪は胸が暖かくなるのを感じる。
「それに…」
「…?」
「友達だろ?」その言葉を聞いて、青雪の瞳から涙が溢れ出す。
「ど、どうしたんだ!?」
「う、うぅ…」
青雪は夏鈴に抱き着いて顔を埋める。その間夏鈴は慌てっぱなしだった。
「そ、そんなに私と友達になるの嫌なのか…?」
「違う…うれしいの…」
「…あらあら、子供みたいに甘えちゃって」
「うにゅっ!?」
突然、音もなくドアから覗き込んでいた母親の声に、青雪は驚いて変な声を上げるのだった…
それから、青雪は学校に行くようになったのだが…
「あ、青雪さ…」
「…夏鈴、一緒に帰ろ?」
「青雪、いいのか?今の友達じゃ…」
「ん、私の友達は夏鈴だけ…」
「あ、さいですか」
どう拗らせたのか、青雪は夏鈴以外に殆ど友達を作ろうとしなかった…まぁ、引き籠もっていた時期に会って気に入ったのは夏鈴だけだったから仕方ないのかも知れないが…
「…そういえば、青雪って好きな男子とか…」
「いらない」
「い、いらないって…」
「夏鈴がいれば、それでいい…」
「お、おう…」
二人は手を繋いで、そんな他愛のない会話をしながら帰路へ向かった。
おや、青雪ちゃん…?




