メイドのキル数対決!!〜アオユキ〜
バトル・フロンティア:砂漠エリア
見渡す限りなにもない砂の丘に一人の少女が立っていた。
背中に青いラインが光る小さな白いバッグを背負っていて、しかもこの暑い砂漠のど真ん中で、メイド服を着ているのに涼しい顔をして歩みを進めているのは、青い髪に淡い青色の瞳をした少女…アオユキだった。
「サーチ開始…」
アオユキが小さくそう言うと、バッグから何か機械的な手のひらサイズの丸長の物体が、アオユキを中心に四方に転がってゆく。
そして、今度は「…マップ表示」と呟くと、砂漠エリアの地形に加えてアオユキの現在地を示す青い点と、周りに謎の赤い点が6つ程表示された。
アオユキは、その赤い点々がちょうど自身を囲むよう中心に進んで…足を止めた。
「…背部ミサイルポッド、展開」
それと同時に背中のバッグから左右に、青いラインが入った四角い箱が現れる。その箱の上部は縦2マス、横3マスに区切られていた。
「ターゲット、ロックオン…」と言って、アオユキがマップに表示された赤い点に指で触れると、その点を覆うようにひし形のマークがついていく。
そうして、全ての赤い点をロックオンすると「全弾、発射」の言葉と同時に区切られた箱からまたもや青いラインが入ったミサイルのようなものが合計12本程が1度真っすぐに上へ行くと、赤い点目掛けて散開していった。
「ウアアアァッ!?」
「避けろーッ!!」
「ギャアァッ!!」
と、ミサイルが向かった彼方此方で悲鳴が上がっていく。
しかし、奇跡的に生き残ったものはアオユキを仕留めようと銃を手に取り、発砲を開始した。
「…防護シールドを、追加で展開」
その言葉と同時に、アオユキの四方を囲むような青いラインの入った棺の蓋に似た真っ白な盾が、バッグと連結したアームによって合計6枚展開された。
勿論、敵の銃弾は全て防いで見せる程の強度がこの盾には備わっている。
「射撃武装:アサルトライフルを展開、盾の穴にセットして射撃開始」
アオユキがそう言うと、細いアームと連結した黒いアサルトライフルが6つ出現し、純白の盾に空いたひし形の穴に銃口を差し込み、全方位に向けて銃弾を放った。
「おい、誰かロケットランチャーを…ぐうぁッ」
その後、追撃とばかりにミサイルポッドからの爆撃を開始した。
その銃弾とミサイルは、生き残った全てのプレイヤーの体を撃ち抜き、爆散させて、マップから赤い点を全て消し去った。
「…フフフ。何処に隠れようと、私のサーチからは逃げられない…ウフフ」
アオユキはその幼い見た目に反して、トロンとした黒い笑顔を浮かべた。
…アオユキの背負っているバッグは〘グラディヲン:シリーズ〙の中でも最凶とされている【グラディヲン=006】だ。
グラディヲン=006の最凶とされる由縁は、その狂気を感じる程の性能にある。
まず、敵をサーチしてマップに表示する移動機械。
そして、マップに表示された敵をミサイルポッドによる上空からの爆撃。
次に、ほぼ全ての銃弾を無力化でき、尚且銃口を差し込む事が出来る箇所が作られている棺型の盾。
また、殆どの武装を装着できる無数のアーム。
そして…
「いたぞ!!」
「仲間のかた…なんだコレ!?」
先程始末した敵の仲間を、鏡のようなパネルを持ったドローンが取り囲んでいた。
最後の機能とは、この浮遊しているドローンだ。掴める物に上限はあるが、大抵のものは持つ事ができる。
そこへ、先程と違って小さな銃を装備したドローンが、アオユキの左右に隊列を組んで空中に並んだ。
「発射」
その言葉を待っていた様に、レーザーの様な光が発射される。
その光は、敵を1度貫くだけでは終わらずに、パネルに次々と反射し、何度もその体に風穴を空けていく。
そうして終わった頃には、まるで初めからアオユキ以外にプレイヤーなど存在しなかったかのような静寂が辺に漂った。
「…おしまい?」
そう言って、アオユキは先程までプレイヤーがいた場所へ黒い笑みを浮かべたのも一瞬、すぐ退屈そうな顔をして、袖のフリルを揺らしながら歩みを進めた。
次回、何故メイド服なのか明らかに…!!




