カギラスの村
「お前はもう少し考える事が出来ねぇのか?」
「はうぅ…」
まるで駄目な子を見る様な、呆れた表情でキルシュガルドは、恥ずかしそうに顔を俯かせているリニアスに向けてそう言った。
「あと、お前私の真似してヒイナ達を採点してただろ」
「ッ!?な、何故それを…」
「近くに居れば嫌でも聞こえて来るわ」と言って溜息をつくキルシュガルドに対して、「な、ななッ!?」とリニアスは顔を真っ赤にして驚いていた。
そこで、「私の真似した時のお前を採点してやろうか?」などと、そんな感じで目的地である村に着くまで、キルシュガルドはリニアスをからかって遊んでいた。
そして遂に…
「ついたぞ、ここが目的地の【カギラスの村】だ」
そこには、村というには少し大きな町のような雰囲気で、木造建築が殆どの家々が建ち並んでいた。
村の入口には、村人らしき人々が私達と一緒にいた子供達を見ると、とても喜んでいた。
そうして、キルシュガルド達と一緒に、村で少しお世話になる事になった。
それから、村長らしき女性の案内で来客用の屋敷でしばらくの間暮らすことになった。
「なぁ、村長少しいいか?」
そう言って、キルシュガルドは村長と一緒に屋敷の奥に入って行った…
〜キルシュガルド視点
「…それで、話ってなんだい?」
「敬語を使わないのは相変わらずだな、ヒイラギ」
「アンタに敬語を使うような仲じゃないだろう?」
「それもそうだな…それで、話ってのは…私とリニアスの他に黒いローブを着た少女が二人いただろ?」
キルシュガルドの問いにヒイラギは頷く。
「そして、数週間前に『この地域の何処かに【勇者】が来ると神からのお告げがあった』と【教会】の奴等が騒いでいたよな?」
「ええ、だけど結局見つからなかったじゃない…まさか」
何を言いたいのか理解したヒイラギに、キルシュガルドは口を緩ませる。
「あぁ、ご想像の通りあの二人がそうだ」
「…確証はあるの?」
ヒイラギの疑問に、キルシュガルドは柄だけとなった一本の剣を手渡す。
ヒイラギがそれを【鑑定】すると…
「…ッ!!【異邦人】!?」
「知ってるだろ?【勇者】は【異邦人】の名を持つ武器防具を持ってこの世界に現れるって…コレを黒髪の少女が使って、しかも圧倒的レベル差の、格上のリニアスと互角以上の戦いをした…もう確定だろ?」
キルシュガルドは、とても嬉しそうに高揚した笑みを浮かべていた。




