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アイビス!  作者: フユルト
第二章 村への帰還と森の大精霊
20/116

《打ち砕く者》

「良いだろう、相手をしてやる」


そう言って女騎士は左手の斧を逆手に後ろへ引き、右手の斧を正面に構えた。


(…今の私のAGL値は540、対して相手は300だから、できるだけ近づいてから…ッ!?)


「《ホーリージャベリン》」


そこへヒイナに向かって光の槍が飛んでくるが、異邦人の鉄剣でその槍を叩き落とす。


「早くしろ」


「…そっちがそう来るならこっちだって考えがあるよ?」


そう言ってヒイナは《流星》のエフェクトを纏いながらリニアスへ駆け出す。


そこに騎士は斧を横薙ぎに振るうが、その横をスライディングして回避し、無防備な背中に鉄剣を振り上げた。


…が、リニアスは横薙ぎに振るった反動で回転して、右の斧で防いでいた。


ヒイナは反撃とばかりにリニアスが振るった左から迫る斧をバックステップで回避する。


そこにリニアスは《ホーリージャベリン》を3連続で射出したが、ヒイナはその全てを弾き、逸した。


だが、その瞬間にリニアスはヒイナのすぐ目の前で、左斧を振り上げる体制に入っていた。


「《クイックチャージ》」


(《クイックチャージ》って確か最初の一撃のダメージを3倍にする筈…)


ヒイナは無理矢理体を捻って振り降ろした鉄剣を自分と斧の間に滑り込ませた。


なんとか防ぐ事が出来たが、異邦人の鉄剣から「ギリリ、ピキキッ」という嫌な音が聞こえてくる。


ヒイナは一度相手との距離をとるために、リニアスへ回し蹴りを放つ。


それを片方の斧の面で防ぐリニアスだったが、現在、《流星》の効果でヒイナのSTRは5,760まで上昇している為、リニアスを強制的に吹き飛ばすことに成功した。


(不味い、異邦人の鉄剣がもう保たない…防げてあと数回が限界か…こうなったら)


そう言ってヒイナは新しく手に入れたスキルを使用した。


「《打ち砕く者(クル・レイド)》」



――――――――――

《クル・レイド》

1秒ごとにHPを1減らす。

HP以外のステータスを2倍、HP50%以下でプラス5倍、10%以下でノックバック効果とHP以外のステータスをさらに10倍する。


――――――――――


先程まで纏っていた金色の雷光が赤色に、水色が黒い煙のようなものに変化し、ヒイナのHPによる命のカウントダウンがスタートした。


その異様な光景に、リニアスは動きを止める…だが、それが間違いだった。


次の瞬間には、リニアスは宙を舞っていた。





次回で決着です!!

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