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アイビス!  作者: フユルト
第一章 囚われの少女
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流星

ヒイナがネイルと合流する前…施設内にて


「おい、明日にはあのガキ共を売り渡す手筈だよな」


「売った金で宴か…」


二人でそんな事を話し合っていたのだが、後ろから来ていた男の声がピタリとやんだ。


「ん?一体どうし…ッ!?」


そう言おうとした瞬間、首筋にナイフが突きつけられた事に気付く。


「おっと、騒がないで?あと、私の質問にだけ答えて…ね?」


「わ、分かった…」


ヒイナはその言葉を聞くと早速質問をした。


「今まで捕まえた子供達は何処にいるのかな?」


「そ、そんな事を聞いて何に…ッ!?」


言おうとしない男の首に少し刃を強く当てて「余計な口を利くな」と脅す。


「が、ガキ共は地下の牢屋に閉じ込めてる…」


「人数は?」


「さ、3人だ…なぁ、もういいだろ?」


その言葉に「うん♪もう用はないね!!」と言って男を開放して地下に歩き出すヒイナ。


「ヘヘッ!!馬鹿がよ…ッ!?」


解放された男は何を思ったのか、背後からヒイナに襲いかかる…が、ヒイナは腰に掛けていた異邦人の鉄剣を鞘から抜き、振り向きざまにその首を切り落とした。


「やっぱりこうなるのか…馬鹿すぎて笑えないよ…ん?」


男の行動に呆れていると、新しくスキルを入手したとの通知が来た。


「なになに、《首刈り(デュラハン)》…?物騒だなぁ」



《デュラハン》対象の首の部分に攻撃を命中させた時、ダメージが10倍になる。



「10倍か〜でも首を狙うのはできたらでいいかな?」


そんな事を考えている内に、地下に通じる階段を発見して問題の子供を見つけた。


「お、お姉さん誰?」


そこには、怯えた表情を浮かべた3人の女の子が抱き合っていた。


「ん〜、君達の王子様かな?」


そう言って牢屋の施錠を叩き斬って扉を開けるヒイナ。


「ふぇ?」


「さぁ、ここから出ましょう可愛らしいお姫様達?」


ヒイナはきれいな動作で膝をついて、少女達に手を差し伸べる。


3人の少女は顔を見合わせて、その手を握った。


そしてヒイナに連れられて外に出た所までは良かったのだが、大量の盗賊に包囲されていた。


「お、お姉ちゃん…怖いよぉ…うぅっ」


「大丈夫、私に任せて…《流星》」


その瞬間、ヒイナは金と水色のエフェクトを纏っていた。


――――――――――

《流星》消費MP100

能力1:一定時間、STRとAGLが2倍。

一定時間(追加で10秒にMP1を消費し、0になったら終了する)

能力2:敵の攻撃を防御するとSTRを追加で2倍、回避するとAGLを追加で2倍する。

(ダメージを受けた場合、リセットする)

――――――――――


(私のMP的には50秒が限界か…それまでに倒せれば私の勝ちだッ!!)


そして、敵の元へ一直線に駆け出したヒイナ。


「全員、矢を放てッ!!」


その言葉と同時に大量の矢が飛来するが、その全てを持ち前のセンスで弾き、時に躱してはどんどん加速していく。


「なっ!?」


「遅いっ!!」


とうとう敵の前衛に到達して、一人また一人とヒイナに倒されていく盗賊達。


「こ、こうなったら…目覚めろ、トロールキングッ!!」


その言葉と同時に施設が崩壊して高さは50メートル程あるだろう巨大なトロールが現れた。


「ハハハッ!!これで俺達の…」


全て言い終わる前に、ヒイナの手によって首をチョンパされた最後の男。


恐らく彼がリーダーだったのだろうが、ヒイナにとってはただのモブだ。


そして、ヒイナはトロールキングを見る。


――――――――――


【トロールキング】


HP:1600


MP:10


STM:440


STR:440


VIT:100


DEX:10



スキル:

《貪る者》HP、STM、STRが2倍。

《生命力Lv5》HPが2倍、1秒間にHPを100回復する。


――――――――――


「お姉ちゃん、大丈夫なの?」


「お姉さんを信じて…ね?」


安心させるために女の子の頭を優しく撫でると、トロールキングへと駆け出すヒイナ。


(残り時間は…5秒ッ!!)


トロールの腕を駆け上がろうと思えば出来るが、その時間すら惜しいヒイナは、一歩手前の地面に思いっきり踏み込んで上へ飛び上がる。


トロールキングもそれに対応しようとするが、今のヒイナはスキル《流星》によってSTR4000超え、AGLに至っては7000に到達している。


さらに…


「ウオォッ!!《デュラハン》ッ!!」


駄目押しとばかりに《デュラハン》を発動してSTRは驚異の4万を超える。その攻撃を受けたトロールキングの首はまるで水風船のように弾けた。


勿論、トロールキングは赤いエフェクトとなって消え、ヒイナは監視塔にいる最後の生き残りに目を向け、空中で位置を調整しながらそこに降り立つ。


「この化け物がッ!?」


(え〜、急に人を化け物扱いしてくるなんて…傷つくなぁ)


男の言葉に少しだけ傷ついたヒイナだった…



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