↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイビス!  作者: フユルト
第六章 流星は駆け、騎士は眠る
110/116

流星は駆ける4



「さぁて…どうしようかなぁ〜?」



クロエはステップを入れて距離を取りながら、インベントリから回復アイテムを使って回復する。



狂戦士が獲得できる〈狂気愉悦〉というスキルは自身の強化と〈狂化〉の持続時間を伸ばせるかなり強力だが、HPが減少していくので常に気を配る必要があるのだ。



「おーい、いい加減正気に戻ったりとかしないの〜?」



「…」



その相手であるミレアは相変わらず黙ったままであり、ただこちらに剣先を向けて斬りかかってくるだけだ。



「よいしょ〜…っと!!」



クロエはインベントリから黒い盾を取り出して投げつける。ミレアは黒く染まった聖剣で盾を弾き飛ばした…だが、その後ろに居た筈のクロエの姿が消えていた。



「残念っ!!私は…」



クロエは〈虐殺者(スローター)〉の青いエフェクトを纏っており、効果によって一時的に加速してミレアの斜め後方に移動していた。



「…ここだよッ!!!」



腰を捻り、両手に握った大剣を全力で投げ飛ばす。〈虐殺者(スローター)〉の効果時間は敵をキルするほど効果時間が増加するが、逆に言えばその持続時間は短いということになる。それでも、その時間さえあればこの程度の事ならば可能だ。



振り向きこそしたものの、それに対応出来なかったミレアの脇腹に途轍もない勢いで投げられた大剣が直撃し、大通りを面白いほどに吹き飛んでいく。



しかし、間に聖剣を割り込ませていたようで、地面に倒れていたがすぐにあっさりと立ち上がったこともあり、大きなダメージはないようだ。



「…」



その戦いを見ていたヒイナは、顎に手を当てて何やら考え事をしているようだった。



「ヒイナさん、どうかしましたか?」



「…いや、なんかちょっと違和感があって…」



「違和感…ですか?」



何かおかしい…自分が戦っていた時もそうだが、客観的に見るとさらにそれが色濃く浮き出ているような…



「…スキル」



「はい?」


「そうだ、そうだよ…こっちじゃ対人なんて最初以外してなかったから見落としてた…」



最初の盗賊との戦いでは殆ど一方的であった、ミストルティンやハデスとの手合わせでは単純な技術で叩きのめされていたため気付かなかったそれは…



「ヒイナさん…?」



「あっ、ごめん…どうしたの?」



「いえ、私は何が不思議なのかよく分からなかったので…」



「あ、うん…ミレアちゃんは見て分かる通り剣を使って戦うんだけどさ…あのスキル無効化みたいな能力以外、何のスキルも使ってないんだよ」



違和感の要因…それは、ミレアが剣を使用しているのに一度たりともスキルを使用していないことだ。



スキルを使用すれば、そのスキル特有の色やエフェクトが出るのだが、ミレアからは黒いオーラしか今の所見ていない。



そして、種類によって異なるがある程度武器を使っていればそれに関係するスキルが手に入る。つまり、ミレアが剣に関するスキルを持っていないとは考えられない。



「そうなると、スキルを使えないのか…それとも、わざと使ってないかのどっちか何だけど…」



「ヒイナさん的にはどちらですか?」



「ん〜…わざと使ってない、かな?」



「それは一体…」



「いや、正直にいうと素の状態のミレアちゃんに勝つのって無理な筈なんだよね?」



…それは、ミレアが引き籠もってしまう前のこと…



………



……



…




「そういえば、ミレアちゃんって聖騎士何でしょ?」



「えっ、何故分かったんですか!?」



「…いや、聖堂騎士団の副団長っていってたから…そもそも、名乗ったときに自分で言ってたよ?」



「うっ、そうでした…あっ、でもでも、私には神定職がありますから!!」



「…神定職…?」



「あっ、ヒイナさんは異邦人さんでしたね…神定職というのは、神様が与えるとされる特別な職業の事です。私は【英雄】を持ってますよ!!」



「へぇー、どんな効果なの?」



「はい、【英雄】の神定職は全ステータス3倍と全武器種の適性、スキルをかなり獲得しやすくなったり…あ、あとは敵を倒すとレベルが上がるのがかなり早くなりますっ!!」



「えっ、チート?」



「ちー、と?とはなんですか?」



「あっ、いや…なんでもないよ?気にしないで〜…ちなみに、レベルっていくつ?」



「はい、最近150くらいになりましたね!!」




………



……



…




「…えっと、私とクロエさんのレベル約2倍で、全ステータス3倍…」



「そうなんだよ…スキルは私達より段違いに多い筈なのに、一切スキルを使ったような素振りを見せてないんだよね…しかも、クロエだけで抑えていられるのは流石に…」



そう…それこそが最大の違和感なのだ。



本来であれば、クロエがミレアに勝つことなどあり得ない。それ程のステータス差があるはずなのだ。しかし、現実にクロエとミレアの力は対抗している。それはつまり…



「ーーーつまり、この状態ってミレアちゃんが望んでなくて…ナニカに操られてて、それに抵抗してるんじゃないかな?」



そして、その答えはもうすぐ明らかになるだろう…








【英雄】

全ステータス3倍

全武器種の適性(武器が扱いやすくなる)

スキル獲得率と習熟度UP

レベル上昇率UP


ヒイナが言った通り馬鹿みたいに強い職業ですが、実は犯罪行為や普段の言動や行動が英雄らしくない(・・・・・)と職業が剥奪されるっていうリスクがあるんですよね。


…あと、レベルが半減してスキルのレベルが下がるか消されたりします。まぁ、所詮は借り物で得た力なんで…



ちなみに、キルシュガルドのレベルがミレアと比べて低いのは〈鑑定偽装〉というスキルによる効果です。つまり…






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。