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アイビス!  作者: フユルト
第六章 流星は駆け、騎士は眠る
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流星は駆ける3

お久し振りです…(´・ω・`)

天職が難産過ぎてこっちが書けませんでした…

「…まぁ、よく持ち堪えたほうかな…?」



ヒイナは街の中央にある噴水に身体をあずけて、ステータス画面を見る。そこに表示された残りHPは、もう指で数えられる程にまで削られている。



「デスペナルティって、確か一定時間のステータス半減と所持金の半減だよね…あっ、ちょっとどこかにお金預けてもーーー」



「ーーー」



そんなヒイナへ、ミレアの黒いエフェクトを纏った聖剣が無情にも振り下ろされーーー



「現着ぅ〜♪」



その時、上空から黒いナニカが聞き覚えのある声を出して飛来し、ミレアが聖剣を構えてそれに視線を向け…直後、周囲に衝撃波を放ちながら2つの黒が衝突する。しかし、その黒が突如として2つに別れた。



「せいッ!!!」



「ーーー!?」



片方は聖剣で砕いたが、もう片方にミレアは懐に潜り込まれる。スキルエフェクトを纏った蹴りによって吹き飛ばされ、住宅に叩きつけられたことで瓦礫と共に土埃の中へ消えた。そして、それをした人物であるクロエは少し屈んでヒイナへ手を差し伸べる。



「ヒイナちゃん、大丈夫?」



「うん…って、どうしてクロエがここに…?」



「ん?私だけじゃないよ?」



こちらへ駆け出したミレアの前にヒュンッと一本の矢が地面に刺さり、炎柱を昇らせる。ミレアは直前でバックステップで回避され、特にダメージを受けた素振りはないようだが、距離を詰められるのは阻止できた。



ミレアはその方向をキッと睨み、聖剣を一閃して建物を斬り飛ばす。勿論、ネイルはジャンプして建物から離脱し、空中で身体を捻ってヒイナの横へ着地した。



「あっ、ネイル、ナイスアシスト」



「はい、それよりも…その、随分と話に聞いていた方と違うのですが」



「えっと…まぁ、色々あって…」



「これってあれだよね、『闇乙?して、ダークさいだー?になってしまった』ってやつ!!」



「闇落ちとダークサイドですね…これって助けられるやつですか?」



「う〜ん、足止めだから微妙かな?あと話しかけても一言も喋ってくれないから説得出来ないし…」



「ん〜…あっ、分かった!!こういうのは剣と拳で語り合うんだよ♪」



「えっ?それは流石に…」



「いっくよ〜♪〈狂化〉〈狂気愉悦〉!!」



クロエはにんまりと口角を上げ、白い息を吐きながらミレアへ突撃する。



「クロエ!!ミレアの黒いエフェクトに触れたらスキルが無効化されるから注意してっ!!」



「りょ〜か〜いっ♪」



走りながらインベントリから黒い大剣を二振り取り出して交差させ、全力で投擲する。その剣は回転しながら左右からミレアへ襲いかかるが、最小限の動きで叩き伏せられる。



「アハハハハっ!!!遅いよぉ?」



だが、二振りの大剣によって視界が一瞬塞がれている間に、クロエはもう一本取り出した大剣を構えて接近していた。ミレアは聖剣を引き戻し、防御の構えをとる。そして、大剣が触れる直前に…クロエは大剣の柄から手を離す。たとえ手を離したとしても、その質量と加速による一撃は重く、少しミレアの身体が浮いた。



「〈轟轟飛斬〉!!」


ミレアの横を低姿勢で地面を滑るようにして方向転換し、大剣を逆手に持ちながら隙を晒したミレアへ振り上げて斬撃を飛ばす。



ミレアはその一撃をまともに喰らってしまい、地面を数度跳ねて転がるが、宙に浮きながらも聖剣を地に刺し、勢いを殺して体勢を整えた。



「ふひゅへっ♪…おっと、流石に乙女としてこの笑い方は不味いかな?」



「ねぇ、クロエちゃんがいつもよりテンション高すぎない?」



「あー…道中で色々あってレベル70になったんですが、その時に〈狂気愉悦〉というスキルが手に入ったみたいで、そのスキルの影響でいつもより気分が高揚するらしいですよ?」



〈狂気愉悦〉の効果は、INTとDEXが減少する代わりに、STRとAGLが上昇する。ただし、狂戦士専用の〈狂化〉とセットでしか使うことが出来ないが、毎秒HPを10消費して〈狂化〉の持続時間を増加させられる為、かなり強力なスキルである。



しかし、副作用とはいえ目を爛々とさせ、よだれを垂らしながら下品な笑い声を漏らすのは乙女として色々と不味いのは確かだ…実際の効果は、ただテンションが上がるだけで涎からの下りはクロエの本質的なものなのだが…そのことをヒイナ達はまだ知らない。



「あっ、今は私一人でやらせて(・・・・)?」



「…はいはい」



弓に矢を番えたのに気づき、クロエは笑顔でこちらを見てそう言ったのだが、その目は全く笑っていない。それに対してネイルはやれやれといった感じで豪炎弓:火龍を下げる。



「さぁ、さぁっ、もっとやろう?もっともっともっともっとッ!!!」



クロエはインベントリから大剣を二振り取り出し、それらを地面へ突き刺すと、相対する敵へとまるで舐め回すような視線を向けた。











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