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アイビス!  作者: フユルト
第六章 流星は駆け、騎士は眠る
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流星は駆ける1

やっと…やっとここまでこれた…(´・ω・`)

(地雷を踏んだ…)



発狂するミレアの様子を見て、ヒイナは冷や汗をかきながらもインベントリから十六夜を取り出し、冷静に思考を巡らせる。



(どうしよう、先制攻撃をする?いやでも………あれ?)



ふと、ヒイナはミレアの声が聞こえなくなった事に気づいたのと同時に視界に何かが入ったと感じた瞬間、レコグナイズを起動し、世界が減速する。



「…」



そこには体に黒のエフェクトを纏い、虚ろな目をしたミレアが聖剣を振り抜いている姿があった。ヒイナは対応しようと〈流星〉を起動するが、明らかにミレアの動きのほうが速く、回避できない。



「…はぁ、全然だめ」



その言葉と同時に聖剣が大きく弾かれ、体勢を崩したミレアをローブを纏った少女が蹴りを入れて後方へ吹き飛ばした。



「ハデスちゃん…」



「大丈夫?」



ヒイナはハデスに手を貸してもらって起き上がると同時に、瓦礫を吹き飛ばしてミレアが現れる。



「…事情は見てたから分かってる。私がミレアの気を引くから、ヒイナはミストルティンをーーー」



直後、黒いエフェクトの斬撃が飛来して来たことにより、“ヒイナは”咄嗟に後ろへ跳んで回避した。



「…ヒイナ、足止め」



「えぇ〜…おっと!?」



「…明らかに、ヒイナだけを狙ってる」



そうなのだ、危険度でいえば自身に攻撃を当てたハデスが高いはずなのに、ミレアはヒイナにのみ攻撃を仕掛けた。ヒイナは回避した事により〈流星〉の恩恵の一つであるAGLが上昇し、ミレアの突進を軽々と回避する。



「ヒイナに固執してるのか、私に勝てないことを理解してるから無視してるか…」



なんでも、騎士団に入団する時には騎士団長であるミストルティンやキルシュガルド、さらにハデスによって徹底的に力関係を叩き込まれるとか。それを証明するように、ハデスが殺気を僅かに漏らすとミレアの動きが一時的に止まり、僅かに腕が震えていた。



「それをずっとやり続ければ…いや、駄目か」



「多分、最悪の場合逃げられる。目標はミレアの無力化とその状態の解除…じゃ、時間稼いで」



ハデスはそう言って影に潜っていってしまった。そして、残されたヒイナは…



「えっと、ここは平和的解決を…」



無言で振るわれた聖剣を身を屈めて回避し、バックステップで距離をーーーあれ、なんか近すぎない?急いで十六夜を盾にして、横薙ぎに振るわれた聖剣を防ぐ。だが、ミレアがさらに一歩踏み込んで再度聖剣に力が込められる。



「〈レジストポスチャー〉!!」



ヒイナはそのスキルの名を叫びながら、ミレアと同じく力を込める。ステータス的にヒイナの方が不利なのだが、激しい衝撃音が響いただけでヒイナはピクリとも動いていない。



〈レジストポスチャー〉は非常にシンプルで、効果は攻撃に対して武器でガードした時のダメージとノックバックを無効化する強力なスキルなのだが、勿論弱点も存在し、武器の耐久値が通常より多く減るようになり、その攻撃で武器を破壊されればダメージを無効化できず、僅かに硬直するため隙ができてしまう。



だが、十六夜の耐久値は凄まじく、ミレアの攻撃を確かに受け止めていた。



「〈クルレイド〉!!」



青色のオーラは黒く、黄金の雷光は深紅へと染め上げられる。その光景を見たミレアは、後方へ大きく跳躍して距離をとった。それは警戒をして…



「ーーー!?ーーー…ッ!!」



ミレアは見るからに動揺していた。呼吸は荒く、ハデスの時よりも手の震えが大きくなっていた。



「ーーーッ!!!!」



「えっ!?ちょっ…」



がむしゃらに突っ込んできたミレアに、ヒイナは少し対応が遅れてしまった…



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