第五十六話 領主に届いた手紙
本日は一気に完結まで上げます。
以前イチエンダマを売ってもらった冒険者の所属都市の領主からの手紙が届いた。
売ってもらってから約一月ぐらいなので、飛龍便を乗り継いで急いで戻ったのだろう。
コウサは手元に届いた手紙を開き、中にさらに二通の手紙が有る事に驚いた。
「これは文字なのか、全く読めんな」
ひとまず二通の手紙はおいて置き、領主からの手紙の内容を読み始める。
恒例のあいさつなどと言った部分は面倒なので読み飛ばし、本題を探し読み始めると、二通の手紙の事とスラムが無くなり、新たな商業区域が出来た事、そしてそれらを成し遂げた少女の事が書かれていた。
特に協力や要請等といった事も無いので、問題の二通の手紙をよく見た所、片方は私宛の様であった。
早速そちらを開き読み始めると、トウヤとシイカの氏が掛かれており、そちらに居るのがこの方であるのなら、手紙を渡してほしいと綴られていた。
読み進めていくと、トウヤとシイカの弟子で有る事、三年前に此方にやってきたこと、トウヤとシイカが居なくなってから約五十年ほどが経過していた事等が綴られていた。
一通り読み終わり、封書の中にトウヤ達の世界のお金が入っており、届けて下さる代金にしてくださいと書かれていた。
それを読み終わると早速、トウヤ達の元へ行こうとしたが、執事や文官たちに引き留められ届けに行くことはかなわなかった。
「コウサ様落ち着いてください、そちらの水晶球で連絡すればよろしいでしょうに」
「ええい、離せ手紙を届けつつ息抜きがてらに向こうに行ってもよいではないか、そろそろ最後に行ってから二月近くに成るぞ、たまにはあの辛いものと甘味が食べたいのだ!」
連絡すればすぐに来てくれるのは判っていたが、それだと食べに行けないので自分で行こうとしているというのに、この文官め私の楽しみを奪う気か。
腰にしがみ付かれながらもそのまま玄関へと向かうが、今度はちょうどやってきたベルシーカーの面々に止められた。
「お嬢そこは判りやすが、流石に公務をすべて終わらせて時間を作ってからでないと、俺たちも足止めさせてもらいやす」
ぐぬぬぬぬ、と言いながらコウサも流石に諦めて執務室へと戻って行き、トウヤ達と連絡を取った。
ユイサワダという名前に覚えはないかと聞いたところ、昨日詩歌さんが夢で見て此方の世界に飛ばされているようだという話を聞いたので、手紙が来ているというと目の前にすぐ飛んできた。
「由依ちゃんからの手紙は何処だい」
「あ、ああこれなんだが」
「お、由依ちゃんの字だなあ、しかし詩歌さん宛てか持って帰って読んでもらおう。ありがとなコウサ」
そう言って帰ろうとする冬夜を引き留めて、何者かを聞いたところ。
「可愛い可愛いうちの弟子さ」
と、言い残し帰って行った。
それを聞いて早速、その手紙の送り主の所へと、シャドゥテイカーを調査を命じ送り出した。
手紙を受け取った冬夜は、そのまま帰宅しアカレ子に頼んで詩歌を呼んでもらった。
暫くして詩歌が戻ってきたので、手紙を見せると嬉しそうにしながらその場で開けようとし、目の前に冬夜が居る事に気付くと、エッチと言いながら一人で部屋に行ってしまった。
「とばっちりもいいところだなあ」
「お母さん不注意すぎでしたね」
「ま、嬉しいんだろうさ」
そう言ったやり取りをしつつ、暫くはお茶とお茶菓子と雑談で時間をつぶしていると、嬉しそうにしながら詩歌が戻っていた。
「冬夜君由依ちゃん竜人族の街で暮らしてるってー」
「それ何処なんだ、迎えに行った方がいいのか」
「ここから普通に歩いて旅をするとしたら半年以上はかかりますね」
「ううん、なんかスラムを再建してそしたらサワダ地区なんて着いちゃっておいそれとは出ていけないみたい」
「はは、スラム再建って、俺らの里作りとあんまり変わってない事やってのけてるな」
「それとなんか、拳帝とか食の女帝とか万象調和とか言う称号がついてて扱いに困ってるみたい」
「なんじゃそりゃ、拳帝は俺の下位互換だろうけど、あとの二つさっぱりだな」
そういうと、アカレ子が丁寧に解説してくれた。
調理系チートですと締めくくっていたので、嬉しくないだろうなあと呟いてしまった。
万象調和が有るなら、すぐに会う事もできるはずですがと言い始めたので、詳しく聞いてみると、全てと一体となる感覚さえ身につければ、どこにでも幾らでも存在化可能となるので、その街とこちらに同時に居ることもできるという話だった、魂や思考の処理的にどうなのと聞いてみたが、分割思考ぐらいは当たり前のようにできるようになることと、その領域まで行くと魂は関係なく存在には思考のみが発生するようなものに成るという。
それは不老不死と何が違うのかと聞いたら、魂が劣化すれば滅びるので、魂がその称号にこなれてしまうと不老不死の存在として降臨してしまうとの事だった。
状況を説明したところ、若返りなどの事も考えると、魂がこなれてしまうのも時間の問題で、それを防ぐ手段もあるにはあるが、まずは本人に聞いてからにしようという話に成った。
猶予自体は、数十年有るとの事なので、此方が旅に出て合流できてからでも問題は無いと言われ、ひとまず手紙だけ返して、此方が旅立てるように成ったらそのうち会いに行くとしたためておいた。
いつもお読みくださりありがとうございます。




