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第四十八話 何でもやっておくものだ

誤字脱字などございましたら、感想や活動報告へのコメントなどで教えて頂けると助かります。


今日は日付が変わる寸前ですがアップできました。

一応本日二話目となりますがまだ前の話を読んでいない方はご注意ください。

 その男が指さしたのは一円玉だった。ほとんど価値もないが、一応此方の世界でパンや先ほどの料理やお酒などの値段を聞いてみたところ、大体此方の世界と比べるとパンと言ってもライ麦の硬いパンで六十円ぐらいの価値だろうと言うのが判った。


「これは一円玉と言って、先ほど聞いた感じですと大体此方の世界で、六十枚ほどないとパンが買えませんがいいのです」

「なあに、おりゃ冒険者なんだがな、人族の博物館でそれ以外は見た事有るんだよ。なんでそれを貰って博物館に一つ売りつけりゃパンなんて山ほど買えるさきっと」


 だから気にすることはない、そう言ってどうすると聞きなおしてきたので、それで宜しいのならとお願いした。

 私の名前を紙に書いてもらいその下に平仮名カタカナ漢字ローマ字表記で書き綴り、人族で黒髪黒目で年の割に少し小柄だったりする同じ世界から来た者ならこれらのどれかを読めると思うと伝えると、そんだけ判ればそれぞれの街の組合についたときにでも聞いてみて、人族の博物館で換金した後にでも組合の方に依頼を出しておくと言われた。

 まあ大変かもしれないが頑張んなと言われちょっとほろっと来てしまった。

 周りの方からも嬢ちゃんが働くなら俺なら毎日くるぜなどと言った声が掛かり、お世辞とはいえ嬉しさにそのままぽろぽろと涙をこぼし始める。

 若くなった影響なのか涙腺というか感情が、妙に過敏に反応し懐かしい感じになる。

 少しして落ち着いた後、ソーさんに頼み許可がもらえたので、皆さんに私の料理を振舞わさせてもらったところ、皆舌鼓を打ちながらソグラの料理じゃなくこっちを食べに毎日通おうかな等と冗談を言い皆が酒を楽しみながらバカ騒ぎに成った。

 皆で簡単に食べれるものを少しずつだったのもあり、その後も普通に皆料理を頼み酒を飲んだ結果、閉店後にソーさんが言うにはこの店の一週間分の売り上げ近い金額に成ったとの事で、明日は大量に買い出しをする事に成るから、朝早いが寝ていたら起こすので手伝ってくれと言われた。

 結構汗をかいてしまったので、お風呂は無いのかと聞いたところ、貴族や大金持ちしか持っていないそうで、普通は浄化を使える者が居れば浄化、後は湯と手ぬぐいのみだと言われた。

 浄化というのが分からず聞いてみたところ魔法らしく、その時この世界は魔法が使えるのと驚いた。

 ソーさんは浄化が使えないそうで、閉店後も酔いつぶれて居た私が依頼した冒険者を叩き起こした。


「おいダラムン起きろもう店しまってんだよ」

「ヴぁーうー、うー、うん?店じまいか済まねえ」

「それはもうとっくだよ。ちょっと悪いんだが嬢ちゃんに浄化かけるのと、使い方教えてやってくれねえか」

「んーつけ三日分チャラで」

「だーしゃーねーな、覚えさせられたらそれでもいいぞ」


 そう言った瞬間ダラムンと言われた男は、意識がはっきりしたのか、起き上がり此方にやってきた。

 そして手をかざすと何やら集中し詠唱らしき者を始める、徐々に光が手に集まり一定の大きさに成ったかと思えばそれがこちらに降り注ぐ。

 慌てて防ごうとうずくまったが特に何も起こらずどちらかと言えばすっきりした感じがした。


「驚かせちまったか、今のが浄化だんでこれを覚えてもらうんだが」


 そう言って、ちょっと手を出してくれと言われ両手を前に出すとそれぞれに捕まれる。

 何というかあれだ力比べの時みたいな組み方に成るが、徐々にそこを中心にポカポカとして来てそれが段々と腕に方に体にと広がっていく。

 ああこれはなんか覚えがある、太極拳で気を錬る時の感覚に近い、冬夜さんが昔やっていて料理を作る体作りと健康とダイエットにいいと聞いて、高校時代に教えてもらいそれ以降毎朝と寝る前にやっていたおかげでずっとスタイルがいいままでいられた。

 なのでその気らしき物を体内で循環させ丹田に集めてみた。


「おいおい、嬢ちゃん賢者かなんかか」


 そう言われて小首をかしげ、何のことかと聞こうとしたら、魔力をいきなりそう言った操作が出来るのは普通じゃないと言われ、さらに現在り得ない事だが大気中から取り込み続けていると言う。

 確かに既に手は離されていたので、大気中にある気らしきものを取り込んで丹田で練り続けている。

 まだまだ取り込めそうだが、どう扱えばいいかわからないのでそのまま循環させてみたら、全身から力が湧き出るような感覚に成る。


「なんで身体強化がいきなり使えるんだ、浄化より相当難しいんだぞ」

「これって気を循環させて代謝を高めているだけですよね」

「いやいやいや、気ってのが分からないが普通大気から魔力は取り込めないし、そんな風に循環させたら相当な熟練者じゃないと、体に悪影響が出たり一気に魔力切れ起こすか、循環出来ずに終わるからな」


 気(?)を取り込みながら循環させていた所、結構気持ちがいいのでそのまま話を続けると、何でも私が扱っている気(?)は、魔力というらしく大気中の物をそんな勢いでは吸収できないどころか、自然に徐々に吸収して回復し本人の限界許容量迄で止まるものだと言われた。

 なるほどと理解し、一度循環を止め取り込みもやめ、そのまま深呼吸し一息つくと、丹田に集まっている分以外を徐々に放出した。

 そのあと説明をされ、何とか浄化を覚える事ができ、それだけ覚えが早いのならと他の生活魔法と言われるものも教えられた。

 後から教えられたものは三十分ほどで身につけられたが、着火、冷却、流水、微風、収納、念動の六つだ。


「普通それらどれか一つでも覚えるのに最低三日以上はかかるんだがな」


 呆れながらそう言われ、出来たんだからいいじゃないと返しつつ、台所でちょっと試したいと言い複合発動に挑戦してみた。

 成功はしたが物凄く怒られた、なんと複合魔法などと言う行為は本来できないそうで、やろうとしたら暴走して使い手が死んだり大爆発が起きたとかもあるそうだ。

 それでもやるなら広場でやって来いと言われたので、ダラムンに案内され広場につくと早速試し始める。

 一つ目の温水は先ほど成功してたので問題なく扱えた、二つ目の温風も問題なく成功したが、三つ目に氷作成をしようとしたがそちら上手く行かなかった。

 そこで思いついたことが有り流水の流れを念動で止め冷却という行為をやるように発動してみたところ成功した。

 目の前にいきなり結構な大きさの氷が現れゴトンと落ちたことにダラムンが驚く。


「一体それらは何をやってるんだ、最後は氷魔法みたいだが」

「いえ全て先程教えてもらった魔法のみでやってますよ」

「最後の氷もかどうやったんだ」


 そう言われ解説していったところ、だから何でさらに増やしてんだと怒られた、ついでに普通はそこまで魔力が持つ筈が無いと言われ、もう切れかけだろうと聞かれたので、そもそも自分の中の魔力は一切使っていないと言うと、口をあんぐりと開けたまま固まってしまった。


「な、なんか色々と常識が崩されたがそれらは問題なく扱えるんだな」

「問題ありませんね、いくらでもできますし」


 じゃあ戻るかと言われ、お店へと戻るとソーさんはまだ待って居たようだ。

 出来るようになったことを披露すると、これは洗い物が楽そうだな!と嬉しそうにしていた。

 お湯と温風は洗い物と乾燥用に欲しかったので作った、氷はすぐ冷やす必要がある物とかの為に作った。

 すべては料理と自分のために必要だから作っただけなのである。


 大きなドラム缶の様なものは無いかと聞いたところ、ドラム缶がわからなかったらしいが該当しそうな物が有ったので、それを頂き裏庭に下に木材を平らになるように隙間を開けて並べてもらいその上に設置した後、周囲を衝立で覗けないようにしてもらい、狭いながら脱衣する場所も作ってもらった。

 早速先ほど覚えた温水魔法を使い湯を貯めていき一杯に成ったところで服を脱いで、借りた手ぬぐいで温水魔法で上から湯をかぶりながら体を洗いながし、ゆっくりと湯につかった。

 念のため髪を浄化してから温水をかぶり軽くすすぎ、湯から上がると体を拭いた後服と下着も浄化をかけてから着直し、温風魔法を使い髪を乾かした。

 最後に念動でお湯を捨てた後、ソーさんに声をかけた。


「簡易ですが、お風呂作りましたが入りますか」

「お風呂って、そりゃ入れるなら入ってみてえが」


 ではと、案内していき先ほどの様に目の前でお湯を貯める。

 ソーさんは体を洗う時の桶と着替えを入れる籠を持って来ていたので、桶にもお湯を貯め、足りなくなったら言って下さいと伝え、衝立の外側へと移動した。

 音だけが聞こえる中ちょっと恥ずかしくなりながらもその場にいると、暫くしてお湯に浸かったのであろう音が聞こえてきた。


「この風呂ってのはいいなあ、毎日入りたくなりそうだ」

「私が居る間なら毎日入れるじゃないですか」

「普通魔法をこれだけ使えばというか使っている途中で魔力切れ起こしてぶっ倒れるからな」

「私はそもそも消耗してませんからねえ」

「そこがそもそも可笑しいんだがな」


 そうは言われましてもと言った雑談をしていたら、上せちまいそうだと言って上がってきた、温風は不要そうだったので、お湯を捨てると言ったところ、勿体ないから洗濯に使うと言われ、又洗濯の時に出しますからと説得して諦めてもらった。

 その後は、ソーさんの隣の部屋の私にはちょうど良さそうな大きさのふかふかのベッドが有ったのでそちらで眠りについた。

ブクマ評価ありがとうございます。


ユニークPVともに徐々に伸びており、読んで下さって居る皆様には感謝しております。

ご意見感想などを頂けますと今後の参考や、気を付けるべき点として学ばせていただけますので宜しければお願いいたします。

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