第四十五話 詩歌さんのデート
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準備も済んで里の方へと出ようと玄関を見ると靴は赤だった。
あたしは赤い靴履いた女の子で異人さんに連れられていっちゃうのって思わず突っ込みを入れてしまったが、いやだってアリスファッションならこれでしょって言われ、ああと納得してしまった。
里の入り口の方の施設から回っていくと、 新たな試みと言って妙なものを作ってので見ていて楽しい。
土産物屋を見たら行列が出来ていた、よく見ると普通に中で買い物をして出入りしている人たち以外に、冒険者らしい人たちが一列の行列を作っており、最後尾は木刀列最後尾はこちらという看板を持っていた。
シル君の木刀目当てなんだと思い、そこまで凄い物かなあと疑問に感じ質問してみたら、何でもあれを使いこなすには杖術と両手剣術と片手剣術をそれなりに収めている必要があり、それが出来ると神がかった連続攻撃が出来るとか言っていた。
ありがとうってお礼を言ってその場をあとにしたけど、連続攻撃の必要もなくしたことないので判らなかった。
後で冬夜君に聞いたら、普通に両手剣技などを発動させて使うとなると、単発に成るからそれを杖術や片手剣術などと併用して繋ぐんじゃないかなと言っていた。
結局は私には良く判らない世界だった。
中央について露店を一通り回っていると、飴細工の店を発見し加工をずっと見ていた、子供たちも夢中になっているけど、ちょっと値段が高いため諦めて見ているだけと言った感じでずっと見ていた。
熱した飴を鋏と指で伸ばして切ってとどんどん加工していき、鳥や犬や花などを作っていく、ちょっと技術に感動もしたのもあるので冬夜君を見るとうなずいた。
「ふっふっふ、君たち欲しいの一個ずつだ」
私がそういうと一緒に見ていた全員がこっちを向き、詩歌姉ちゃんだっ!いいの!と聞いてきたので、腕を組んでうむうむ良い物を見せてくれたおじさんに感謝だねーと言って、みんなに一個ずつ買ってやりついでに自分と冬夜のも購入して戻った。
子供たちはお礼を言いながら貰った飴を持って皆で一か所に集まり楽しんだ後に食べていた。
そこから離れ、食べながらまた回っていると気付いたのだが、今日は普段よりやけに露店が多い。
よく見てみると、里の屋台以外の露店はみな街から来たお店だったようだ。
小物類が多く、普通に細工箱として作られたものに、この里で買った生地や色紙を張り付けて飾り箱と言ったひと工夫凝らしてあるものや、普通に街やそこ以外から持ってきたらしき物など、この里では見かけない物が結構見られる。
一つとんでもない露店が有った、広い敷物の上に所狭しと武器が並んでおり、横に置いてある筒状のものには剣が一杯さしてあった。
結構使いこまれて居る物が多いのだが、鑑定してみると全てが魔法武器と呼ばれる類のものだった。
「おじさんこれどうしたの」
どう見ても商人と言うよりはベテランの冒険者と言った風体の男性に話しかける。
「まあ、嬢ちゃんから見ればおじさんかこれでもまだ四十二なんだぞ」
「むむ、年下か、なら坊ちゃんで良い?」
「嬢ちゃんが年上だって嘘だろ」
「むー信じないならこれでどうだ!」
そう言って、最近気づいた冒険者証の機能を利用して、名前と年齢とランクだけを見せるようにして見せると、本当だったのかよ反則だろ、その見た目で人生の先輩とか実はエルフじゃないだろうなと言われた。
悔しいので種族も出して見せなおして、御見それしやした姐さんと言われたが、姐さんと言われちょっと懐かしくなる。
「で、面白かったからもう良いやおじさんこれどうしたの」
「まあ姐さんがおじさんって言いたいならそれでいいや、さっき木刀買おうと来たんだが、ちょっと足りなくてな、今までのお古を処分して買おうかと売ってるんだ」
杖、斧、短剣、弓、槍、槌、と並べられ、筒には大量の剣この人なら木刀使いこなすのは問題なさそうだ。
いろいろ聞いてみたが、状況によって武器を使い分けるから持ち替えに手間がかかるより、汎用性の高い一本が欲しくて来たと言う。
それを聞いた冬夜君が、おっさん一寸手合わせしないかと言うと、名前を聞かれカードを見せたところ、噂のフェイタルさんでしたかと、急に姿勢を但し挨拶をしていた。
フェイタルって物騒だなあと思いつつ聞いてみたら、なんでも地龍すら逃げる人間がいるという噂から、それが近寄れば周囲のモンスターが逃げ出してそれによるスタンピードが起こるんじゃないかと言われ、それは災厄級の存在だなと言う話から着いたのだとか。
冬夜君凄いねって言ったら、微妙そうな顔をしてた。
結局、おじさん(ロウェルって言うらしい)は、一手ご教授お願いしますと言って、露店の前に出てくると、周囲の人たちが円形を描いて広がり、私と冬夜君とロウェル以外は観客状態に成った。
冬夜君は木刀を取り出してロウェルに投げると素手で構える。
受け取ったロウェルはそれに驚きにやりと笑う、お互いに構えをとったところで仕方ないので私が合図をすると、ロウェルはどう攻めたものかと隙を伺い、冬夜君は余裕の表情で右手をクイクイと動かし挑発をした。
「いきますぜ」
彼はそういうと、刺突技で飛び込んでいきそれを冬夜が受け流すと、その勢いを利用して次の技へと繋いで行く、確かフルスイングとか言う鈍器や斧で使える技だ、それを止められると一旦下がり、フェイタルはやっぱ化け物だなあと言いながら今度は、袈裟がけに切りかかり技を発動し避けられようとも構わず連続でそのままつながる技を発動し続ける。
すべてを往なし躱し防いでいる冬夜君も凄いんだけど、これだけの技を連続で使い徐々に速度を上げているのにまだ息が乱れていない彼も大概だと思った。
一通りの技を出し終わった後は満足したのか、又距離をとると、冬夜に向かい敵わねぇなと言って木刀を緩やかに投げ冬夜が受け取った。
それを見ていた観客は大いに沸き立った。
きっと最後の方の超高速に成って居たやり取りは見えていないだろうけど。
「おいあれ、ウェポンマスターじゃねえか」
並んでいた一部がちょうど此方が見える位置だったらしくそんな事を言っていた。
折角だからと、協力してやることにした。
「はい皆さん、本日はこちらのウェポンマスターロウェル様が、長年使ってきた武具の数々、その一部が販売されております!ぜひ気に成る方は一度ご覧ください」
そういうと、ロウェルは呆気に取られつつも慌てて自分の露店へ戻った。
冬夜君はそこへ向かい、楽しかったよこいつはお礼だと言って件の木刀を渡していた。
「いいのかフェイタル貰っちまって、大事なもんじゃないのか」
「いんや俺にはこれが有るからな」
そう言って冬夜君は、先日シル君が打ち上げた刀を示す。
見た瞬間にロウェルが青ざめるた。
「なんだよその化け物みていな気質の武器は、この木刀も大概だがそっちは更に異常だぞ」
「その木刀の作り主に一寸作ってもらってな」
「マジかよ、羨ましいなあ、俺もほしいぞ」
「気に入られたら作ってもらえるかもな、今度紹介しようか」
「是非に頼むぜ」
そういうと、ありがとなと言われたので、そこをあとにした。
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