第三十八話 メリストギナさんの一日
本日二話目です。
毎度ながらありがとうございます。
誤字脱字なども多いので直したいのですが、気付けない部分も多いです。
感想や活動報告へのコメントなどで教えて頂けると助かります。
修正が間に合うか迄の保証は出来ませんがよろしくお願いします。
メリストギナの朝は早く夜は遅い、日が昇るかどうかと言ったころに起き朝食の仕込みをする。
それが終わるとまずは里の中を軽く散歩しごみや落し物が無いかなどを、里の入り口から中央広場にかけては特に念入りに見回る。
大体そこまで終わると朝日が昇り、早い時間から活動している者たちが外に出てくるので、挨拶をしながら早朝の空気を楽しむ。
挨拶を交わすとなぜか皆きちんと食べないととか食べてるのかいとか言いながら、毎度野菜やお肉や前日の残りで悪いけどとお惣菜をくれたりする。
有りがたいけれど、私が細いからみんなそう心配しているのだろうか、私は弟と二人で暮らしているから、女手一人では養えてないとでも思われているのだろうか。
弟はシルヴァイルって言うけど実はこれ、生まれた瞬間にあの子が喋って、いきなりそう言ったのだけど、あまり体の良くなかった両親は『しゃ、しゃべったあああああ』と驚いてそのまま亡くなったのだ。
別にそれは恨んでないし、私も近所の手伝い程度は出来たし皆良い方が多かったので、その後もなんとかなっていた。
あの子はとても賢かったがちょっと最初大人びたところがあるようで、両親がなくなって乳を上げられないので近所の方にお願いしたが、顔を真っ赤にしながら嫌がり仕方なく最初から栄養のある汁物薄めてをあげていた。
その弟も今は学校に通って色々習っている、どうしても私の仕事は遅くなりがちなので、朝にまとめて一日の分も作り置いて凍らせておいてある。
いつも囲炉裏で温めて食べているらしいのだが、昨日も美味しかったよって嬉しそうに言ってくれるのが、毎朝嬉しく思う。
朝の日課も終わり家に帰り、まずはゆったりとお風呂に入り汗を流し少し休むと、夕食を作り冷凍庫に入れ朝食を完成させる。
その辺りで弟が起きて来るので顔を洗ってこさせ、戻ってくると一緒に食事をしお弁当を詰めてやり渡して学校へと送り出し、自分も職場へと向かう、先日は初めて第三休憩所で給仕をやったのだが、偉く気に入られお礼をと大金を渡されそうになった。
あの人たちはどこかの大金持ちだったのだろうか、気軽に金貨十枚を渡そうとしてきた。
この里で暮らしていくだけなら、自宅が有る者なら一人銀貨一枚もあれば一月暮らせるなので金貨十枚と言えば、皆で分けたとしても一人銀貨五十枚で数年は暮らせてしまう。
慌てて冷静を装いながらこれで十分ですと金貨一枚だけいただいたが、それでも戻って皆と分けたら皆大喜びしていた。
給仕の一人が十枚貰えばよかったのにと言っていたが、きっとあの方は今後も幾度となく利用してくださるから、あそこでそんな事をするよりも顔を覚えてもらって今後につなげた方がいい結果に成るわと言っておいた。
あなた中々小悪魔ねと言われてしまったが、実のところそんなつもりはなく、ただ単に自分たちで自由にできる大金を持ち帰ることが、怖かったからだけなのだが。
そんな私だが、職場へと行くと一日のほとんどは書類に埋もれることとなる。
嬉しい事か悲しい事か、森羅の里案内所の所長を務める事となっている。
なった原因が、『その言葉使い!正確な書類仕事!そしてスリム系美人!これはあれだね冬夜君、この子に頼むしかないよ!』という、詩歌様の鶴の一声で決定されてしまったものだ。
そのおかげで他の人達よりは給料が良いのだが、仕事から帰る時間が遅くなり、あまり弟とスキンシップが取れていない、休暇だけは一緒に出掛けたり、欲しい物を買ってあげたりしているが、これでいいのだろうかと最近少々悩んでいる。
弟はあの年でかなり賢いらしく、魔法の才能のあまり無い私と違って、そこそこに才能が有るのか収納を使ったり、何やら木の枝を武器らしきものに変化させたりする術を使っていたりする。
色々買い物をするとその場でどんどんしまうので、買いすぎることもたまにある。
以前夕飯もそれにしまえば持つのじゃないのと言ったら、僕のは無限サイズみたいだけど停止型じゃなくて保持型だからどうのと、言っていたのだけど理解はできなかった。
先日の第三の宴会の時は、初めての宴会だったことと、丁度スクナさんはもう片方に行ってしまっていたので、緊張した面々ばかりだったこともあり私が務めさせてもらった。
詩歌様からみっちり仕込まれた、お客様が次が欲しくなるタイミングや、何が欲しそうなのかを見分ける技術を全力で活用してこなしていったが、戻った後はかなり疲労してしまっていた。
あの方の判断基準を習ったが、正直これを文章化して教えようものなら、以前レグアが積み上げていた魔道具の本数冊分の数倍に上ると思われる。
何せ、性別、見た目、顔色、飲み物を一度に飲む量、食べ物との割合、食べる速度、最初に出すおつまみとその後の一品目の食べ方をみてその後の出す料理について判断するのだが、その分類がとても細かく、その結果導き出される答えは、里唯一当てられないのはヨダさんぐらいなものだからだ。
あの人の場合、何を出してもいいという方向での当てられないなので問題はないらしい。
そして今日も書類仕事をこなしていると、お昼前に箱を抱えたレグアがやってきた。
「あらレグア、こんな時間にどうしたのよ。ここには特に用は無いわよね」
「ああメリーちょっと魔道具作ったんだけど、試すのに丁度良いのが貴方ぐらいなんでこっちに来たのよ」
ふうん、と納得しつつも魔道具の実験と聞いて、内心焦っている。
お昼時に来たという事は、お弁当に何か関係が有るのかと思ったらそれは当りだった。
「ちょっとあなたのお弁当温めさせてくれない」
「どういうことか説明してよね」
先日授業でのことを教えられ、あの子何時も美味しかったっていうから気づかなかったわと思わず呟いてしまった。
冷蔵庫から弁当を持って来て、耐熱付与したという容器へと移し替える。
一応実験では上手く行ったのでこちらも上手く行くはずだと言うので、操作方法を説明されながらやって行くと何やら温めが始まったらしい。
少しすると、箱の扉があき中から湯気を上げ暖かそうなお昼のお弁当が出てきた。
あまり熱くし過ぎてもと少し控えめに調節したつもりだったが正解だったようで、容器は言っていた通り熱くなっておらず、中の食べ物だけが温まっていた。
実際に食べてみたが問題なく暖かく美味しいご飯が食べられたので、お礼を言ったところそれ持って帰っていいから、あとこっちおまけねと、先ほどの耐熱容器の蓋のついたものなどを含めいくつもくれた。
これ幾らかかったのよと聞いたが、聞かない方がいいと青い顔をしながら言われたので聞くのはやめて、そのまま有難く貰っておくことにした。
弟を喜ばせてやりたくなってしまったので、皆にお願いし今日は早く帰らさせてもらった。
夕食前に帰ってきたことに弟は驚き、箱の事を話すとさらに驚かれた。
早速やってみたがったので、まずは冷凍庫から作り置きを取り出し容器を入れ替え、操作を説明しながら一つ温めて見せた。
「おっおーすっげー電子レンジみてぇ」
「ん?デンシレンジって何」
「んん?そんな事言ったっけ気のせいだよ姉ちゃん、それより早く僕にもやらせてよ」
弟がせがむので、残りのはやらせてあげたら喜びながら操作していた。
「しかし何で姉ちゃんがレグア先生に話した内容を知ってたり、レグア先生が一日で作りだしたのも驚きだけど、それを持ってるんだ」
「あら、言ってなかったっけ幼馴染よあの子、シルが生まれてからは、たまに外で会話する程度だったけど、以前はよく遊び歩いたりいろいろしてたわ」
そういうと、そんな時期もあったんだ、姉ちゃん凄い人と知り合いなんだなと言ってたけど、立場だけで言うなら、現在は私の方が上に居るんだけどなあと思ってしまった。
里の案内所となっているが、正直なところ里のほぼ全てを取り仕切っているのが現在の私達の立場だ、里長のグレコさんと、笹山一家はこの案内所が作られてからは、里の運営は丸投げにしてたまに手伝いや助言や意見を出すだけに成って居る。
グレコさんはもっと頑張りたかったらしいけど、スクナさんが『あんた頑張りすぎでこのままだと禿げるよ』と冗談で言われたら、『そうか年じゃしなあ』と言って本当に一線を引いてしまったのだ。
笹山一家は、もう里任せてもいいよねのんびり暮らしたいよと言って、もともと自由にしていた詩歌様はさらに自由に、冬夜様はふらふらと何処かに行ったりし、アカレ子様はいろんなところを見て回ったり、気付くとシープボア牧場でシープボアをモフって居るらしい。
そうだ今度の休みは弟とシープボアをモフりに行こう、職場の皆が癒されるから、一度は行ってみなと言っていたし、きっと気持ちいいのだろう。
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