第三十三話 里を目指して二日目
移動開始二日目へと話が戻ります。
組合から一日遅れで休憩所に到着したコウサ達であったが、到着すると同時に冬夜達がやってきた。
「コウサちゃんお疲れー、見事なまでに組合にしてやられたようだねえ」
「ありゃチートだな、既に第二地点に昼頃に到着してのんびり昼寝したりして休んでたぞ」
「あ、ああ、いやここにいきなり出てくるお前たちの方がおかしいという考えはダメなのか」
「そこはほら、これ使えばスタッフはすぐすべての休憩所に行けるからな」
そういって腕輪を見せつけると、どういう物なのだとコウサは冬夜につかみかかった。
説明を聞いてせめて私だけでも先に里にと言い出し、冬夜達はそれでも構わないけど、良いのかそれでとベルシーカーの面々に確認をとると、お嬢が先に行くってんなら俺たちは後ろの商会の護衛につきますんでそれでも問題ないですぜと言った。
そう言われたコウサは嬉しそうにしていると、冬夜が自分の腕輪を取り外しコウサに渡す。
事前に相談していた結果、森羅の里自体はオーラリア領として扱い、法律などはオーラリア領に合わせることと決めて有り、税金などは新規開拓地という扱いにし向こう十年ほどは無しと成って居る。
コウサは馬を預けようとしたが、冬夜が俺が転移で持っていくから、コウサは詩歌に転移装置の使い方を習って、自分一人でも使えるように成っておいてくれと言われ、馬を冬夜に預けて、あとのことはベルシーカーに任せそのまま詩歌についていった。
必要なら、コウサの家からの転移装置も設置するが、そちらの方で使う場合は、一度使うごとにかなりの魔石を消費すると言われ遠慮しておいた。
コウサはそのまま詩歌に連れられて、厩舎横の扉の使い方と転移の仕方を習い、里へと一足先に飛んでいった。
里につくと、色々とオーラリア領領主として歓待されていたがその辺りは割愛する。
里の犯罪者の取り締まりなどに関しては、今のところ発生していないし、起きても里人同士の喧嘩程度で済んでおり、大概ガズか砂糖班が抑えて話し合いで決着させている。
自警団の結成の話もあったが、その辺りは冒険者組合の方で期間任務として発布して、その者たちに取り締まりを行ってもらう事が決定されており、そのクエストの受諾人数いかんによっては考えようと言う話に成なっている。
里の民も全員が身分証明として冒険者登録はする予定なので、ある意味誰でもなろうと思えば警備任務に従事できることもあり自警団は必要なさそうではある。
ベルシーカーの面々と両替商たちはどうしたら良いのかがわからなかったが、ちゃっかり残っていたアカレ子が建物の案内と機能の説明をし始め、それを聞いているうちにここは一体一日にどれだけの魔石を消費しているんだと聞かれ、この辺りは既に結構魔素が濃いので、周囲の魔素を利用して組んでいるから魔石は消費していないと説明され、リーダーのアルドと副リーダーのパトラは森羅の里の技術力は化け物かと言い出し、アリッサは必死にさらに詳しくと聞き込みを開始した。
そのやり取りをよそに斥候役の二人ことザウロとモランは、そそくさとお品書きを起動し食事を注文していた。
両替商はお風呂に入ったらその後は五人部屋で寝て、明日は朝から出発しますと皆に挨拶を済ませて荷物を置くとお風呂へと入っていった。
それから暫くすると、彼らは知らないが前日と同じおばちゃんが料理を運んで来て、アカレ子ちゃん戻って来ないから詩歌ちゃんたちが心配してたよと伝えられ、アカレ子は説明終わったら戻るので心配無用と返事をした。
「はーい、お待たせだよ、代金はいっぺんに払うかい?あと色々こんなに頼んでるけどいいのかい冷めたり温くなると美味しくないよ」
おばちゃんがそういうのも無理はない、青島ビールが五杯に紹興酒が四本と烏龍茶アイスが十杯頼まれ、定食ではなく一品ものを二十ほど頼んでいた。
まとめて支払うと言うので、領収書が必要かも確認したら、良く判らないが何だと聞かれたので説明すると、必要だと言うのでそれも書き会計を済ませるとおばちゃんは、食器の戻し方を教えて戻って行った。
その様子を見て、アカレ子は思いついたのか、食器を戻す場所に食べ終わった物は蓋を開けこちらに入れて蓋をしてくださいと常に浮かび上がるように細工をした。
その様子を見ていたアリッサが急いでやってきて、さらに質問攻めを開始した。
説明されても全く分からなかったようで、アリッサはお礼を言うと肩を落としながら料理の並ぶテーブルへ向かい席に着いた。
アルドとパトラに色々引き留めて悪かったそして説明ありがとうと謝罪とお礼を言われると、アカレ子はいえ気になさらずと言って、残りの休憩所で同じ仕込みをして帰って行った。
幸いな事に、ここ以外は誰もまだ来ていないか皆お風呂をしていたらしく誰とも遭遇せずに済ませることが出来た。
ベルシーカーの面々は、エールらしき物で乾杯しその冷たさと旨さに喜び合い、つまみに手を付けさらに驚いた後結局全てを食べつくし飲み尽くした後さらに追加して騒ぎあっていた。
後日それらの費用を経費で申請し却下され落ち込むことに成って居たが、あの料理を食べるためにも、まだまだ頑張ろうと心に決め合ったのだった。
先行した組合員たちは二日目の昼には既に第二休憩所についていた。
見た目も中身もほぼ同じ建物だったため、前日と同じ感覚で使用し、夕方から第三を目指すかという話も上がったが、どうせだからまた一泊してゆとりを持って行動しようという事に落ち着いた。
そのため皆は自分たち個人の財布の中身と相談しながら昼は軽めに取り、夜に酒盛りをするかの算段をしていた。
「やっぱり明日は飲まないで今日は好きに呑んで、引きずるようなら昼まで休んでから出ればいいと思う」
「ではその様にしましょうか、一応食事の経費は先ほど提示した額までで、それ以上は各自清算に」
そう決まると、夕方までは時間が有るのでお風呂に入ったり、のんびりと部屋で話したり、一部ではカードゲームをしていた。
夕方からいっぺんに頼むのではなく、小出しに追加しながら飲み食いをし、注文が出来なくなる少し前にまとめて酒類と少々のつまみを頼み、結局一部は飲み過ぎでダウンしたため、残りを皆で片づけた後お開きとなった。
案の定ダウンした者たちは、翌日に引きずり昼に成っても持ち直せずかなり遅くに出ることと相成ったのはお約束だろう。
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