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第三十二話 とある砂糖班巡回者の話

順序が入れ替わってしまいますが、書きあがったので番外編となります。

少し日が進んで里に街の人達が来て暫くしてからの話に成ります。

次回は前回からの続きとなります。

 冬夜さんの提案で、砂糖を大量に取引材料として用意しようと言う話に成って、私は砂糖生産班の回収担当部署に努めることとなった。

 そうなってから半年ぐらいが経つが、用意できた砂糖は相当な量に成って居る。

 今生産され続けている量がだいたい一日に馬車二台ほどの量で、里の皆が消費する分としての備蓄分とは別に生産されている量がそれだ。

 ひとまず馬車が百台単位で一月ほど買い続けでもしない限りは現状の分だけで大丈夫じゃないかという話に成り、それからは現在の生産量に落ち着いた、保存している場所は里の倉庫で此方は、冬夜さんが拡張したため専用の腕輪をしたもの以外の時間が停止する倉庫と成って居るらしい。

 以前うっかりして腕輪をつけ忘れて入ってしまい、皆に助けられたことが有るが、入った瞬間までは覚えていたが気がつくと外に居て時間が経っていた感じだった。

 なのであそこで物を盗むのはまず無理じゃないかと思っている。

 そのせいかあそこは誰も警備をしておらず、基本あの中には里の販売品の予備が大量に詰め込まれている。

 取り出すための腕輪は、各店舗に設置され魔道具による人物認証を通らないと取り出して使う事が出来ないようになっているとの話だった。

 どれだけ難しい技術だかわからないがレグアさんが、『私でもできるぐらいですから、そこまで難しい事じゃないんじゃないですか』と言っていたのでそうなのだろう。


 そして今は、砂糖の元を集めるだけではなく、定期巡回として森の中に倒れた人がいないかなどを調べる仕事が追加された。

 他の人たちがこちらに来ると、この森の中に入ってしまい、濃い魔素に当てられて倒れてしまう人も出るだろうとの事で決定された内容だった。

 それとは別で里には魔物結界があるとはいえ、それより先には魔物が居るので、定期的な討伐も必要となっておりそちらの担当もしている。

 皆あれから砂糖回収班は、普段の仕事に加え、冬夜さんによる戦闘訓練と魔法訓練を行っている。

 始めの頃は地獄のような訓練に感じていたが慣れてくるとそうでもなく、冬夜さんが言うには皆それなりに強くはなっているらしい。

 一応全員収納だけは使えるおかげか、魔法と近接戦の両方が扱える者が多く、一部の魔法しか得意でない者も体は鍛えているので防御は硬い。

 最近では普通のオーク程度なら複数でも一人で魔物を討伐できる者がかなりの人数に増えてきた。

 更に大型のオーク複数を相手に勝てる者も出てきて、私もその一人だったりする。

 砂糖回収班は、倒した魔物をすぐに収納にしまい、戻ると生産班の方に回す。

 討伐による報酬などは、冒険者組合のほうで管理する価格設定でやっているとの事だったが、食べようと思えない部分は取っておくと良い事有るかもとアカレ子さんがいっていたので、各自でまとめて倉庫に投げ込んである。


 そのおかげか、ほかの皆よりも実はお金持ちに成って居る。

 冬夜さん達が言うには、里から出たいと思った者が居ればそれもありだと思うが、まずは他の街などと交流をし、外の知識を手に入れてからの方がいいだろうと言われている。

 それは一理あると私も思ったので、暫くは里でまだやって行き、後進が育ったら冒険者にでもなってみようかと思っている。

 冒険者にはランクとか言うものが有るらしいが、オークの集団を同数で討伐できるぐらいで下から二十番目のランクぐらいだと言うので、それよりは多少は強い程度なのか、まだまだ上は居るのだなあと納得しておいた。


 その後その認識が覆されるとも知らないで、今日もひたすら空き時間は、同じ時間帯の班員との訓練につぎ込んだ。

 それから暫くして、里の中にも冒険者組合員がやってきて冒険者組合が出来た。

 里の全員が登録を済ませ非番の時は、どんな感じなのだろうと見に行くようになった。


「あれ、ウィッセルさんどうしたんです。たまにいらっしゃいますけど、今日はどういった御用で」

「ああメリタさん、いえねこう依頼ってどんなのかとか、冒険者組合の雰囲気を見たり、あと私たちの方で討伐した魔物もこちらに卸した方がいいのかなあと思いまして」

「ああ、この辺りの魔物ですか、ここですと護衛依頼と里内の警備依頼だけですけど、本来向こうなら討伐依頼とかもあるんですよね。魔物は卸していただければ助かりますが」

「なら、今手持ちに居るのだけでも卸しましょうか、里で卸すのもこちらでも価格は同じはずですので」

「収納お持ちなんですか、普通は少ないのですけど」

「ああ、里の巡回班と言いますか砂糖回収班は皆持ってるんですよ、持っているのだけで編成されていますので」

「ああ、砂糖の、毎日あれだけの量を売って居るのに、どうして生産が追いついているのかと思えば、そういう事でしたか」

「それにそろそろ里に皆さんが来て一月も経ったのと後進も育ってきたので、私は砂糖班を引退して冒険者にでもなろうかと思いまして」

「ええー冒険者にですか、砂糖の方が安定してくらせそうですのに」

「それはあるかもしれませんが、折角旅が出来るのならしてみたいじゃないですか」

「そう言う時期もありますよね。旅立つ際は一言くださいね」

「で、オークどうしますかね」


 でしたら此方へと案内されて奥の解体部屋へと連れていかれる、その部屋は外部から音が聞き取れないようになっており、専門の係が待機していた。

 今朝討伐したオークが七体居るのでそれを全部というと、そこに並べてくれと言われたので、この部屋で並べきれそうにもないのでと言うと相手に首を傾げられた。

 一先ず一体を出して見せると、これオークやない!ハイオークや!と言い出された。

 この辺でのオークと言えばこれが普通で、これより大きいのも三体居るからここにそれも一緒じゃ出せないと言うと、それはオークじゃなくてオークキングやと言われてしまった。

 味はみんな一緒だからオークって呼んでたんですがと言ったら、ものすごい勢いで否定された。

 オークは一部を除いて大型になるほど討伐が難しく、肉の価格は一緒だが、睾丸等が秘薬となりランクが上のオークほどその効果が昇るため物凄い価格となると教えられた。

 それを聞いて、じゃあ大きい方はあとにしますのでこちらだけお願いします、一寸冬夜さん呼んできますんでと言って、慌てて冬夜さんに知らせに行った。

 事情を説明すると、冬夜も知らなかったらしく使わないからどんだけのをやったかの証明用で保管されて居たその部分だけでも売ってしまうかと、砂糖部門の方に持ち掛けられた、皆は二つ返事で同意をし、急いでそれらを回収してギルドの方へと向かった。


「これは冬夜さんと、皆さんどうしたので」

「いやロンさん砂糖部門の倉庫にお宝が大量にあったんで卸しに来たんだ」

「お宝と言いますとまさか、先ほどの話を聞いてですか」

「そうそれ、量が量なんでアレだけどその部分だけでもいいのかい」

「大丈夫ですが、量によっては買い取り金払えないのでチャージに成りますよ」

「皆もそれでいいか」


 皆が頷いて先ほどの部屋へと案内されていく、だれがどれだけの大物をやったのかの証明のために、わかるように区分けして保存していたため、各自で持ち出せたのが幸いした。

 一人ずつ順番に出していき、清算を済ませたら次へと繰り返すと、ロンの顔がだんだんと蒼白になっていく。


「これ一人ずつ出していますけどもしかして、各自で倒した物だけとかではありませんよね」

「ああ、これはみんなが各自で倒した物だけだが、オーク位慣れた戦士なら一人で倒せるだろ」

「いえいえいえ、これ皆ハイオークですからね、かなりの量のオークキングも居ますが、そんな事出来るのは冒険者でも限られたと言うか最上級でさえ一部ですよ」


 そう言われて皆が驚いた、冬夜基準でこの位は倒せるのが普通だろと鍛えられ続けた結果、最上級冒険者並みかそれ以上の力を付けていたとの事なのだから。


「ウィッセルさん達はもの凄く強かったんですね。ソロでオーク討伐とかおっしゃってましたからそれなりだと思っていたら、まさかソロでオークキング討伐だったなんて」


 メリタがキラキラとした目で皆を見つめていた。


「ああ、どうしますかね。皆さん市民証代わりに登録なさってますし、討伐カウントされているんですよね、いっそのこと冒険者ランク更新して上げちゃいますか?ランク表示だけ化け物みたいに成りますけど」

「面白そうだからやってもらったらどうだ、ついでに今後定期的に更新もしとけば」


 面白そうだという事で、全員が更新しに行った結果、冬夜以外の全員がランク測定不能と表示されるようになってしまった。

 冬夜はと言えば、ランク0のままだった、むしろ全員はそのことの方に驚いたが、冬夜は何の気なしにだって全部逃げちゃうから倒せないじゃんと言ってのけた。


「そういえば此間また地龍見たって言いましたけどあれも逃げたので」

「ああ、旨かったんで、一寸肉くれよって近寄って殺気出したら慌てて背を向けて逃げたからほっといた」

「地龍が逃げるってどんだけなんですか冬夜さんは」


 そういったところ、砂糖班全員が訓練の時に全員で本気で同時に襲いかかっても一撃も掠りさえできない人と答えられ、ロンに人類最強ですかなどと言われてしまった。


 それを聞いていた冒険者たちが、冬夜に弟子入りさせてくれと殺到したり、砂糖班をぜひうちの集団にと誘いをかけたのはご愛嬌であった。

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