第三十一話 初めての客に対応したおばちゃん
休憩所を堪能ていると料理も取れるようなので取ってみた
おばちゃんを自称する身なりの良い美人が料理を持ってくる
みんな満足しておやすみなさい←今ここ
わたしゃスクナっていうおばちゃんさ、誰だいおばあちゃんっていうのは。
まあ確かにグレコと同い年だからそうなんだけどさ。
ほら、正しい姿とやらに戻ったら、どう見てもおばちゃんって程度に成ったからいいんだよおばちゃんで。
それはそうとさっき三号店に行ったんだけどね、届けて戻るときなんか追いかけてきたもんだから焦っちゃったよ。
扉開いてても私達みたいに関係者専用の腕輪をしてないと入れないから良いんだけどね。
おばちゃんは休憩所職員ってのをやってるんだけど、そろばんも慣れたもんだ。
何せ今里の財政管理はその職員が全部やってるからね。
「あ、スクナさんおかえりーどうだった緊張した」
「あんらー詩歌ちゃんじゃないのこっちは問題ないよ。それより家でのんびりするんじゃなかったの」
詩歌ちゃんなんて言ってるけどこの子は神様で、他に家族の冬夜ちゃんとアカレ子ちゃんと三人とも神様で、それは里以外の者たちには内緒なんだけどね。
「いやーだってあれでしょ、あの休憩所最初に使われるとしても早くて二日目の昼ぐらいって予想だったじゃない」
「そうだよねえ、あの子たちどうやったんだろうね、こっちみたいに魔道具使わないでも転移できちゃうのかね」
「アカレ子ちゃんがいうには、出来る者たちだけで飛んで短縮しているって言ってたけど、それでも早くてもこの里に来るのは三日後じゃないかって」
「という事は、毎日あの子たち利用するのかね。朝から利用が有るかもって、調理部に教えとかないとだね」
それもそうだねー伝えとくよと言って、詩歌ちゃんは去って行った。
それを尻目に、交代の時間が近づいたので、他もろもろの書類仕事を終わらせ、引継ぎ日記を開く。
水晶のアラームが点灯していたので見てみるとさっきの女性陣が料理を注文したようだ。
「まったく、ほんとぎりぎりにまで悩んだんだねあの子たち」
全員麻婆と烏龍茶アイスを頼んでいたことに苦笑しつつ、料理が出来上がるまでの間に横に置いておいた好物の胡麻団子を一つ摘まみ温かい烏龍茶を飲む。
あそこだけであれだけ驚いていたのだ、この里に最初についた時の歓待と、里の状況を見てどう反応するのかがもうすでに楽しみになってきてしまった。
「ははは、さって本日最後の配達と行きますか」
初日は利用者も居ないだろうという事で、二日目の昼までは一人体制での待機となり、二日目からは複数人数体制での対応予定がなされている。
そのため、今日の深夜から明け方、明日の明け方から昼はそれぞれ一番慣れている者たちが一人で配備されることに成って居た。
あたしゃ次は明日の昼から夜が担当なんだけどね。
食事を届けたら、皆から色々と質問されて一つ一つ答えたり聞いたりしていくと、坊やだと思ってた子が実は小人種で、私よりちょっとした程度だったことに驚かされた。
「これでもおいら二百歳なんだ坊やとか言わないでくれ」
「なんだい、あたしより若いんだから坊やでいいよ」
そう返した瞬間、女性陣は皆目を見開いていろいろとさらに質問攻めにされた、水晶が点滅していたのでちょっと待ってもらい出ると、次の引継ぎから何で居ないんだという苦情だった。
「うるさいねえ、引継ぎ日誌は書いてあるんだからそっち読みなさいな、今ちょっとこっちの子たちに質問攻めにされてるから終わったら帰るんで、他はやっといてよ」
そのやり取りを見て、この人向こうの方の偉い人なのかなとか色々聞こえてきたけど、あたしゃ今の子の部下だよって答えたら、みんな顔色を変えていた。
その後も暫く質問攻めにされていたが、ようやく終わって解放されたときはプレートが22を示していた。
食器の片付け方を教えるのをすっかり忘れていたので皆に教えると、驚いていた。
こんなことの為だけに転移の魔道具を使うのは有り得ないんだって。
作れるんだから利用するでしょうって言ったら、材料とかはどうしてるのかとか、こんなことが出来る技術者なんて滅多にいないからって言われちゃったけど、レグアちゃん大丈夫かねひたすらアカレ子ちゃんに習って今ならこの辺の設備あの子一人で作れちゃうんだよねえ。
後進を育てるんだって今は学校だかってので子供たちに教えてたけど、あの子達ももしかしてとんでもない事を覚えさせられているんじゃないかね。
それに、材料とか言ってたけど確か塩と銀と何だかの樹液で出来るって言ってたし、もしかして普通はもっといろんなもの使って作るのかね。
ドラゴンの血がどうのやら、ミスリルがどうのやら言ってたし、あたしゃ良く判んないけど確かあの地龍とかいうのがドラゴンの一種だと言ってたし、あの辺使わないと作れないのかねえ、面倒そうだねこの人たちの方の魔道具作成って。
戻った後で、日誌に先ほどの内容をまとめて書いてから、引継ぎの子にわるかったねえ、お客さんほっとけないからさ仕方なく付き合ってたんだよっていったら、それなら仕方ないねもう夜も遅いし危ないから早めに帰って寝なよって言われちゃったよ。
あたしゃ仕事の後の風呂が大好きなんだからと返し、残った胡麻団子はあげるって言って、冷めたお茶だけ飲干すと、共同温泉にむかった。
温泉行ったら、たまたまガズが居たけどあの子もまだうぶだねえ、あたしが入ったら驚いて背中向けて真っ赤になりながら隅っこに行っちゃったよ。
あんだけでかいんだから気にせず堂々とすればいいし、おばちゃんの体なんか見ても気にしなくていいのにねえ。
ガズは焦っていた、なぜなら昔からお世話になりっぱなしのスクナさんがいきなり入ってきたからだ、小さいころから散々お世話に成って居たからこそ、この年に成って改めて比べられるのが恥ずかしく感じ、思わず後ろを向いて隅に行ってしまった。
別段、他の女性に見られてもいつもは気にしないでいられるどころか、一部の子は凄いですよねと言って触ってきたり、抱き着かれたり、背中を流してくれたりもするし、それすら平然としていられたりはするのだが、何故かスクナさんだけは恥ずかしくて仕方なく感じてしまった。
あとで冬夜に相談したら、うらやましいやつだなあと言われつつ、それは母ちゃんに見られると恥ずかしくなるようなもんだから気にしないでいいと言われた。
なるほど、母親に見られて恥ずかしい感覚みたいなものか、確かに実の母親はもう無くして久しいし、そう考えればスクナさんはそれに感じてしまうのも納得がいった。
暫く入ってたら若い子たちが来て、ガズにはっついてたけどそっちは平気そうだったね。
ああ、私に見られるのが恥ずかしいのか、まあ十分珍しい物も堪能したし、さっさと上がって家に帰ることにするよ。
ひと汗流してから家に帰って楽しみに冷やしておいた青島ビールを取り出して呑んだ今日の当ては自家製のキムチだっけかね辛いやつだ家庭ごとに違うって言うけどうちのは酸味より辛みが強いのを作ってる、これが有るから夜の仕事明けが楽しみでついつい夜上がりを選んじゃっているんだけどね。
里の家はみんな結局土壁に成ったけどこの、板の間の下の収納部分と、囲炉裏用の炭と灰に、冷蔵庫と冷凍庫とか言う魔道具が配られたのはありがたいね。
下の収納に野菜を入れとくとひんやりしてしばらく持つし、冷蔵庫に青島ビールを冷やしておけば美味しいし、冷凍庫に肉入れとけば食べる分だけ出して使えば、かなりの間持つし至れり尽くせりすぎて堕落しちゃいそうだよ。
家に風呂も囲炉裏もトイレも台所もあるけどこっちはこっちで便利だ。
台所と囲炉裏は色々できるから、おつまみ作るのに便利だし、朝風呂も気持ちいいもんで辞められない。
トイレにしたってそうだ、今まで掘ってして埋めて葉っぱで拭いてたのが、魔道具のおかげで用が済んだ後にポンと押すだけで全部すんじゃう、おかげで色々つらい思いをしなくてすんでる。
朝風呂の後に飲んじゃうと職場で怒られちゃうから、休みの日にしか飲めないのが難点だがね。
酒もつまみもなくなったところで、布団を敷いて寝たけど翌日は危うく昼まで寝そうになっちゃったよ。
本来だとこの辺の設備は魔石で動かすらしいんだけど、この辺は魔素がすごく濃いからその辺の余剰から掬い取った力だけですんじゃうんだって、森とかに影響のあるほどの量じゃなくて、そうでもして使わないとどんどん濃くなって危ないらしいよ。
それにもしも、ここ以外で再現するなら魔石が必須だから、魔石代だけでも大変な事に成るって言ってたねこの里の外ってのは大変なんだねえ。
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