第三十話 とんでもない休憩所
転移を使いショートカット
建物が有るぞ気を付けろ
調べれば調べるほど非常識な建物だな
でも問題は無いようだから一休みしようぜ
ガタッ!女性陣から悲鳴が上がったぞ←今ここ
皆で慌ててホールへと戻ると早速荷物を下ろした女性陣が、我慢できずお風呂へと向かったようで、一人が脱衣所から慌てて出てきた。
「ここ脱衣所からしておかしい、籠が有ってタオルとバスタオルが乗せて有ったけど、着ていたものを籠に入れてバスタオルをかけておけば出るときには浄化修繕されているって書いてあった」
「なんですかカノッサさんその良く判らないアーティファクトレベルの代物は、中に入れたものにリペアと浄化をかける効果を籠に付与してあるんですかね」
「たぶんそう、それが十個あった。二人は我慢できなくて既に入りに行ってしまった。私も行きたいけど報告だけはと戻った」
「なるほど、これは里にたどり着いてからも相当な覚悟が必要そうですね」
男性陣は先にテーブルについて食事をしようとしたが、酒が無いのと温かくもない食事なのを思い出し、どうしたもんかと思ったところでふと思いつき、ロンが少し待って居てくれと水晶へと近づき魔力を流した。
『はいよ、森羅の里休憩所の案内員の者だけど何かい』
その辺によくいそうなおばさんらしき声が聞こえてくる。
「此方はそちらの冒険者組合支部で活動予定の支部長ロンだ、ここで食事とかは自分たちの物を食べるしかないのかい」
『ああ、こっちで用意することも可能だよ、一寸待ってね、ああ、あったあったこれだその水晶の横にお品書きってプレートあると思うけど、それ押すとお品書き出るんで選んでいって欲しい物を押したら数選んで、全部決まったら最後に右下の確認を押して、中央に出た注文の確認で間違いが無ければその下の確認押して違うなら訂正押して訂正して、完全に確認までできたら、その代金用意してまっておいとくれ』
「あ、ああ、ありがとう早速やらせてもらうよ」
早速お品書き(これも先ほどのプレートと同技術だと思われる)に触れると、定食、一品物、飲み物などの文字がプレートに浮かび上がる。
それに興味を示した皆が寄って来たので、定食というのと飲み物で行こうと言う話に成った。
それぞれに、から揚げ定食、回鍋肉定食、麻婆定食を選び、飲み物は紹興酒、烏龍茶アイスとホットをえらび、価格を確認した後金額を用意し確定を押した。
「これで待って居るとやって来るんですかね」
「どうなんだろうねー烏龍茶ってのの冷たいのと回鍋肉が何だかわからないけど楽しみだね」
「だがこれで、ゲテモノ来たらどうしような。さすがにスライムとか出てきたら困るぞ」
「領主様がおいしいとおっしゃってましたし、期待してもいいのではないですかね」
そんな話をしていると、女性陣が風呂からあがってきて此方へと合流した。
なにやら、髪がすごくつやつやとしていい香りを放っていた。
「お風呂凄かったー、あれタダで利用できるとかありえないよ」
「こっちは食事を頼んでみました、どんなものが来るのかわかりませんが」
「えっ何それ聞いてませんわよ。どういうことですの」
「あの水晶の横にお品書きが有って、注文すると持ってくるらしい代金は必要だが」
「注文の仕方は僕が分かるから、教えながらやってみる?」
「どんなものが来るか判らない、皆のを見てから考える」
そう言ったのをきっかけに、女性陣は水筒を取り出し、のんびりとのどを潤していた。
空に成ったのか部屋に戻り、また水を入れて戻ってくる。
ちょうどそのとき、休憩所の入り口から身なりの良い給仕のような出で立ちの美しい緑の肌をした女性がやってきた。
「はーい、お待たせー悪かったねーおばちゃんも含め皆まだ始めたばかりで、手間取っちゃってね。あお代はちょどかい?お釣りも必要ならいっとくれ」
そう言いつつ、注文を確認しそれぞれの所に並べると、お釣りが必要だと聞いて、何やら玉の沢山ついた木枠を取り出した。
何かと聞けば、そろばんという物らしく、計算ならこれが確実だからと言っていた。
まとめて払うか各自で払うかを聞かれ、各自で払うと言うとそれぞれに計算していく。
明細書は要るかいと聞かれたので、良く判らないが皆が要ると言ったところ。
すごくきれいな紙らしき物に、注文した品の名称と価格、総計金額と森羅の里休憩所三号店と書き、最後に名前を聞かれそれが書き込まれ渡された。
そろばんと言われたものの使い方を見ていたが、かなりの速度で操作されしかも正確な計算結果が出ていたところを見ると、使いこなせれば経理の仕事がはかどりそうではあると思い、早速備品として購入することを決めた。
「んじゃ、ありがとね。またなんかあったら、さっきの方法で呼んで頂戴。時間によって誰が出るかわからないけど、何時の時間でも誰かしらは居るから。病人とかも、きちんと対応できるからね。食事はこのお品書きの上のプレートにある数字盤が、07から20までの間なら受け付けてると思うから、その間だけにしてね。とはいってもそれ以外の時間はあのお品書き動かないんだけどね。ああそうそうもう少ししたら二〇に成っちゃうから何か頼むなら早めににしたほうがいいよ」
そうまくしたてると、またのご利用お待ちしてますと言って、おばちゃんは建物を出ていった。
慌てて追いかけていくと、厩舎の横の扉へと入っていってしまい、その扉には関係者専用扉と書かれており、扉はどうやっても開けられなかった。
戻ってみると、既にダウロとモロウは食べ始めており、物凄い速度でかき込みながらそれぞれに飲み物をあおっていた。
「もう食べていたんですかそれにはしたないですよ」
「そうはいってもな、旨すぎて止まらんのだ」
「うん、これはいけないね。あの値段で提供されたら、何度でも利用したくなる」
「そんなにですか」
ロンは二人の言葉を信じ、早速食べてみてから揚げ定食の魔力に取りつかれる。
とはいえ、気に入った美味しい物は少しずつ食べる癖のおかげで、一気にかき込むようなことはせず、じっくりと味わいから揚げを一つ食べ終る。
定食の内訳としては、白い粒状の物が盛られた器と、赤子の手のひらほどのから揚げと思われるものが五つ、それが緑の糸の様に細切れに成った物の上に並べられており、横に白い酸味のあるクリームのようなものが盛られている皿と、スープのようなものが入った器と、赤い物がちりばめられた独特の香りがするしなびた野菜のようなものの盛られた器と、小さな透明な器に白い柔らかそうな塊りが盛られていた。
なぜから揚げがそれかと思ったのかと言えば、皆の定食もその部分以外は同じだったからだ。
から揚げを一つ摘まんだ後は、それぞれを少しずつ食べてみて納得し女性陣に説明する。
「これはかなりの高級店で出てもおかしくない程度の味ですね」
「そんなになんですか」
「ええそれに、此方の透き通った器はデザートのようですし、此方の粒状の物はから揚げとかと一緒に食べるようですね、このから揚げの皿の白いのはから揚げや下の野菜につけて食べたりするもののようです」
から揚げの野菜だけは既に味がついているようだが、そこにこの白いのを混ぜるとソレはまた別で美味となる。
回鍋肉と麻婆はその部分は器に盛られそれのみと成って居たが、他にも定食はありそれぞれに違うのではないかと思えた。
「回鍋肉はこっちの白いのにかけて食べたらおいしかったよ」
「麻婆は辛みが強いからこの白いのにも半分ぐらいで十分だ、一緒に頼んだ紹興酒がこれまたたまらんで」
女性陣はお酒はちょっとと言いつつも、定食はみな麻婆にして飲み物は烏龍茶アイスにしていた。
男性陣は食事が終わると話し合いはこっちでやっておくからそのまま疲れを癒してくれと言って、部屋に戻り、話し合いを始めた。
腹もこなれたころに話し合いも終わり、今度は男性陣が風呂でうおおお等の声を上げていた。
女性陣はその声を聞いて笑いながら眠りについていった。
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