第二十九話 先行した者達は
本日二話目となります。
冬夜のチートっぷりにより専属冒険者の一人が犠牲に成る(死んでません
アカレ子とウォンドラ登場で里と街をつなぐ道が完成冬夜をしかりつける
完成したんだからと我慢できない商会は仕入れの為に馬車で出発を促し出発
スタダだ!とばかりに領主達と冒険者組合と両替商が追い越し先行←いまここ
冒険者組合の係員たちは、元冒険者が多く高ランクの冒険者か、特殊技能持ちが多い。
今先行して走っている係員たちは皆移動輸送特化の者たちで、全員が転移術式と収納を持っている。
そんなわけで、他の休憩している者達がいる場所につくと、領主達が食事の準備をするのを横目に、彼らは二か所に集まり、メンバーの一人が転移術式を展開していた。
「お前たちずるいぞ、これでは一番乗りできないではないか」
「領主様、こちらは向こうですぐにでも登録作業やクエスト発行が有るので急がせてもらいますよ」
若い男性がそう答えると、その直後彼らは消えていった。
ベルシーカーの斥候役が確認したところ、視界内の集団転移呪文だったようで、スキルを使いぎりぎり視認出来た距離に居るとの事だった。
転移した先で彼らは、このまままだ進むかを相談した。
昼から走り通しで、もう夕方であり、もう少しすると夜に成り野営が必要そうなので、ここでいったん野営をして朝から転移を全力稼働させるかという話し合いだった。
「ロンさんどうしますの、この感じですともう少し頑張れば、あの広そうなところ辺りまではいけそうですが」
「実際、魔物の心配はないって話ですが、先程見たところ、この道から一定の所まで来ると魔物が嫌がって離れていきますし、広いところで野営した方がいいかもしれないですね」
「確かにそうだな、メリタと支部長の言う通りかもしれん」
「ダウロさんも同意なら、メリタさんとダウロさんであそこまで一発で飛ばしてもらい、二人はそのままじっくり休息、野営は飛ばさなかった私とモロウさんで、野営は二交代で後半部は、先に飛ばしてもらったカノッサさんとネアさんにして、飛び次第食事をとり休憩も兼ねて二人は寝てもらい、モロウさんとメリタさんとダウロさんは少しその先の計画について話し合いましょうか」
話し合いが決まったところで、早速転移準備を開始し転移をする。
広そうな場所につくと、先ほどまでは森で見えていなかった広場の端には、かなりの規模の木で出来た建物が有った。
入口からは灯が漏れているが、人の気配がしないので警戒しつつ近づいて行くと、入口にはこう書かれていた、休憩所ご自由にお使いください、御用のある方はそちらのカウンターの水晶に魔力を込めて話しかけをお願いします。
「メリタさんお願いします」
「なんですのここ、人の気配はないのに明るいですわ、魔道具かと思いましたけど部屋自体が明るいですわ」
メリタと呼ばれていた小柄な女性が、警戒しながら中に入っていくと、特に問題はなく一階は酒場の様にテーブルと椅子が立ち並び壁際に五つの扉が並ぶ、二階への階段がありそちらも見ると同じように扉が並んでいた。
カウンターの方の水晶へ近づくと、そこにはプレートがあり何かしらの魔術的加工がなされているようだった。
「部屋が沢山に、カウンターの水晶は先ほどの魔力をどうこうという物ですわね。ですがこちらのプレートは一体何なのでしょうか」
メリタは独り言をつぶやきつつも慎重にホールを探った、特に問題はなさそうなので皆の方へと向き声をかける。
「ロン、特に問題はなさそうなのですけれど、一つ気に成るものが有りますわ」
そう言われると、皆が警戒しながら入っていく。
プレートの前に皆が集まり、ロンが何やら鑑定すると、驚いて笑いながらこれは凄いと言いプレートに触れようとしたので、皆が慌てて止めに入った。
「いきなり触れようとしたようですけどこのプレートは何ですの」
「これはメッセージプレートさ、王族が稀に贈答品に混ぜて使われたりもするけど、よくもまあ作ったものだと言えるけど」
「あの王族の贈答品に専門技師に作らせて贈り物と一緒に贈ったり、ダンジョンや遺跡とかに稀に有るあの石板と同じものですの?」
ロンはそうさと言ってプレートに触れると、光が発生し空間に文字が浮かび上がった。
『ようこそ、休憩所へ一階と、二階どちらの部屋もご自由にお使いください、厩舎は休憩所の裏に、お風呂は各階の中央の扉で上が女性用下が男性用です。説明は各扉の前と中の説明は扉の裏側にありますので確認してください。後二ヶ所ほどこのような場所があり、それぞれが距離的な区切りとなっております。何かしらの問題がある場合は、水晶に魔力を籠めその旨をお伝えください、係員が対応し場合によってはそちらに向かいます。』
皆呆気に取られた、距離的には徒歩で半月程はかかると言われていたので、それなりの覚悟をしつつ準備して出てみれば、途中にこのような施設まであり、何かが起これば向こうの補助が受けられそうな気配がする。
野宿をしながらの強行軍を覚悟した矢先にこのような場所が有る事が分かってしまいどうしたものかと思いはじめる。
「先ほどの説明にここお風呂有るって書いてありますけど、お風呂ってあの高級宿か金持ちか貴族の贅沢のあれですよね」
「たぶんそのお風呂だろうな、俺は水浴びと浄化しかしたことないんだが」
「ど、どの程度の物か確認してまいりますわ」
そういって、メリタは階段を上りお風呂と書かれた扉から中へと顔を入れ覗き込んだ後、廊下の左右を確認したのち、中へと入り少しすると慌てて出て戻ってくる。
「なんですのこの、狭い土地に建てられた超高級邸宅のような休憩所は、あのお風呂のある扉の中ですが拡張の永続化がなされていますわ」
「「「「「はあっ!何その無駄な高級感」」」」」
全員が声を揃えて言ってしまう、最近ようやく技術が確立された魔法陣に、建物内を半永続的に拡張させるという物があり、それにより、狭い隙間のような土地に家を建て、中を拡張で大邸宅にして自慢すると言う事が一部で流行り始めている。
なぜ自慢に成るかというと、普通にその大きさの大邸宅を数件買っても足りないぐらいの費用がかかるからなのだが、それが出来ると言うだけで貴族や豪商の間ではステイタスと成って居るような感じなのだ。
そのため、その技術者は現在過労に成るかと云うほどの仕事を抱え、貴族や豪商は今か今かとそれを待っている状態となっている。
「ひとまず、皆さんどころか十人ぐらいなら一度に入れそうでしたわ脱衣所を見た限り」
「じゃ、じゃあひとまず飯食ってから、部屋で休んだら入ってみるか」
扉の前に立つと扉ごとに個人用、二人用、三人用、五人用相部屋、と書かれており、それぞれ男性は一回女性は二階の三人用をためらわず開けると、月明かりに照らされた薄暗い部屋には、ベッドが三つ配置され、部屋の角に何やら扉のついた小部屋がありその扉の少し離れたところに洗面台らしき物が設置されていた。
「おいおいおい、こりゃ何処の高級宿だよ、この角のやつ洗面台だぞ」
「しかもこれ、その金属の下向いている所の上の魔石に触れるとでるみたいですよ」
「一度触ると、一定量でるので止まったらまた押せって扉の裏の説明にあるよ」
そういうと部屋が急に明るくなる、最後に発言した少年のような見た目の者が、扉の横にあった魔石に触れて明かりを灯したようだ。
「こっちのこれで、部屋を明るくしたり暗く出来るみたい」
「こりゃ、食事まで付いたら俺たちが普段泊まれないような高級宿というレベルだな」
「モロウさん一言言ってから明かりは点けて下さい、罠かと思いましたよ。それにこの小部屋厠みたいですよ」
そう言われて中を確認すると、妙な形をした椅子が有り、扉の方に説明文が書いてあった。
それを読むと、座って用を足し、用が済んだ際に右手の魔石に触れると、中の物が処分され室内と体の方は浄化がかかるとの事だった。
ダウロがさっそく使ってみるぜと言って皆を個室から追い出し扉を閉める、外には臭いも音もせず静かだったが暫くするとダノアが出てきて、これは凄い是非にギルドの厠もこれにすべきだと言い出した。
いくらかかるかわからないからその辺は費用次第で考えましょうと言ってその場は流した。
皆は荷物を置き、各自ベッドをどこにするかを決めた後、洗面台の水が安全かを確認し、確認が取れたところで水筒の中身を一度空にしすすいでから入れなおした。
コップも取り出し、一杯汲むとベッドを椅子代わりにし飲んで一息ついたところで、女性陣の悲鳴が上がった。
ブクマ評価ありがとうございます。
徒歩半月程とは、一日三十キロほどの移動を目安にした距離と考えております。
なので全長四百五十キロ百五十キロごとに休憩所が設置されております。
馬での移動は休ませつつで無理をさせずに移動ですと、大体一日七十五キロほどの移動と考えております、二日毎に休憩所につくと言う感じの算段です。
馬車ですともう少し遅くなり三日毎位にと考えております。
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