第二十七話 地龍を売るのです
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まず冒険者組合へと連れていかれ、そこで登録をさせられた、何やら水晶に手をかざすと、下にあるプレートに刻印がされるとの事だが、水晶が不調なのか暫くプレートの刻印が進まなかった。
そして出力されたものを見ると、名前:トウヤ ササヤマ、称号:料理人 旅人、ランク:0、チャージ:0と書かれていた。
このプレートの説明を聞いたところ、ランクは魔物討伐をするとカードに記憶され、後ほどそれをこの水晶の下にかざすと、討伐に応じたランクが宛がわれるらしい。
チャージはそのまま、お金の貯蓄機能でどこでも使える即金払いのカードとしても使えるとの事だった。
コウサのプレートを見せてもらったところ、称号:領主ランク:72、チャージ:0と成って居た。
「結構いろいろ討伐してランクが高いようで」
「まあ、領主だから領民を守るためにやっていると自然とな、雇いの者だけにやらせると体が鈍って仕方ないので、私は自分も出るようにしていたらだな」
登録を済ませたところで、組合長に頼み査定役を借り出し、他にお抱えを招集し皆を連れ立って、前回の面々も含めた十数名と共に、ミナス商会とソトラ商会を訪れ両会頭を誘い領主の館の倉庫へと向かった。
「お前たち、これからとんでもない物が見られるぞ」
入口でそう言われたお抱えの冒険者たちは空の倉庫内の壁際に散り警戒を強めた。
冬夜は気にせずに倉庫の中央に進むと、全部出していいのかを尋ねる。
コウサが耳打ちで内訳を聞いきたので伝えると瓶は他の査定が終わった上で最後に一つだけ出してくれればいいと言った。
「んじゃまずはこれだ」
そういって真っ二つに成った地龍の頭を出す、かなりの重量が有るので床に落ちるとともに揺れが起こり、その光景を見た者たちが地龍だとなどと騒ぎ始める。
「これは、地龍の様ですが何故頭がこうも真っ二つに」
「ああうちの奥さんがやったらしいんですが、空に跳ね飛ばされたんでそのまま真下に落ちようと斧スキルを使用したら、たまたまそんな感じになったそうですよ」
「たまたまでも、そもそも斧スキル一度ぐらいでこうなるはずはないのですが」
「でも実際そうなってるので何とも」
まあ良いでしょうと言い、鑑定をしていく鮮度も高いし素材となる牙などに損傷はなく、頭蓋はもったいないが他は問題なしと判定された、査定額はこれ一つで領主の館が経つ程度だとか言われ、これ以上だと多すぎるしどうしようかと悩み始める。
「冬夜何を悩んで居るのだ」
「いやさ、ちょっとした釣銭用の金だけ欲しいわけで、領主の館が建つほどあっても困るんだよ」
「ふむ、因みに後は何があるんだ」
「あとは皮と、骨とか爪とかだな皮は開きで一枚にしてあるぜ」
「開きとは、鱗とかは取らずさらに一枚の状態という事は巨大なままなのか」
「うむ、そうだがなんかまずいなら切り分けるぞ」
「まてまてまて、それを切り分けたら価値が下がるのだ、まずは一度見せてくれないか私では買い取れないかもしれない」
「じゃあだすぞ」
そういって皮を取り出しておいたところ、おいおい有り得ないだろ、何で一枚で綺麗に剥いでるんだよ。そもそも肉はどうしたんだろうな。などと言われたので剥ぐのは簡単だったが肉は残念ながらもう全て喰い終わっていると言うと、コウサ以外の全員から悲鳴が上がった。
「はああああ!肉を全て喰ったって、これだけの大物肉だけでも城が二つは買えるぞ」
「それにこの皮の方も問題ですよ、これだけ綺麗な状態ですと普通の小分け状態でもかなりの値段ですが、一枚状態で買い取れる人なんてこの近辺には居ないでしょうし」
「なあこの皮、うちとお前んところで買って、あそこに売りつけないか」
「確かにあそこなら買い取れるでしょうし、そのまま使いそうですよね」
そういって提示された額を聞いてもピンと来なかったので、まず貨幣価値を教えてもらいながら考え直すと、有り得ない金額に成ってしまう事に気付いた。
普通に考えて、地龍などは討伐に数十人から数百人単位で挑みそれでも皆が最低百枚の金貨が手に入る代物との事で、大体が討伐を成した者達は引退しのんびりと暮らす代物との事だった。
それをたった一人で討伐しあまつさえ最高の状態の素材と成れば、桁がおかしくなるのは仕方ない事だった。
「うーん、困ったなどうするかこれは、金貨でもらっても困るし、かといって釣り銭が無いと里の商店が困るし、ううむどうしようか?教えてコウサさまぁ」
「いや、冬夜にそう言われてもうれしくもなんともないのだが、そうだな一部を金額で他はこちらから物品による支援や、労力支援でも構わないぞ」
「ああそうか、街道作るんだからその辺の盗賊対策とか必要か、んじゃその辺って道が出来て流通が始まったら巡回やらといった防衛関連を丸投げする代わりにその費用をそこから捻出ってことでどうだ、釣銭たりなくなってたかりに来る事に成りそうではあるが」
「なぜ盗賊対策なのだ、魔物とかの対策も必要ではないのか」
「そこはほら、森霊様々ですよ」
そんなことを言われて色々と説明を聞いていると、まず街道に森霊の樹木結界と言われるもので魔物が近寄ってこないようにするとの事を言われ、聞いた全員が口をあんぐりと開けたままあきれ返っていた。
そして、魔素が濃すぎる問題も、街道に定点毎に設置する結界機構により、夜もそこそこ明るく、魔素の影響もないレベルまで薄められること、そしてそれ専用の相互メンテナンスゴーレムがその機構に複数体ついてくることを知らされ更に悲鳴が上がった。
何をそんなに驚くことなのだろうと言った風の冬夜に対し、鑑定などそっちのけで皆が詰め寄り常識を教えていくと、だんだんと顔色が悪くなり、アカレ子めやりすぎじゃないかと言い出した。
しばらくしたらまあ、技術的には全部確立されているなら良いよねと、言い出したので皆は苦笑いしつついいんじゃないでしょうかと返事をした。
結局鑑定も半ばに、交渉の結果里との交流が始まった際には、両商会が後ろ盾として補助に回り、釣銭問題などのために両替所の設置と、冒険者組合の設置および、組合証による取引機構も配備することに落ち着いた。
結果的に言うならば、銀貨と銅貨と鉄貨を一万枚ずつに組合証に八千万ほどが書き込まれた。
これでもまだ一部なのである、皮の方では無く頭の部分と爪だけでこの金額となった。
頭の中の肉と脳や目玉なども含めた結果で、だれも食べようとしなかった内臓もおまけでつけてたら、おまけで付けるようなものじゃないと叱られた。
「皮についてだけど、此方で売りに行って売れた額の7がそちらで此方が3でいいかね」
「それで問題ないが、そちら商会二つで分けるなら少なすぎないんじゃないか」
「いやいや3を分けたとしても、莫大な儲けに成るからねただ支払いが多分割符に成るから、換金して少しずつ払う事にはなると思う」
支払いは直接じゃなくて、組合証で良いかと言われたので構わないと言うと、組合証同士を合わせてリンクをつないだと言われた。
リンクをつなぐと指定振り込みや組合証同士での直接取引が出来るようになるそうで、行商人や冒険者の取引は組合証を使い行う事が多いのだと言う。
旅先で高い買い物をするために大量の金貨を持ち歩くと移動の問題なのが出るからだそうで、基本は収納持ちの専門家がお金の移動を行うそうだ。
一通りの手続きが終わった後に、倉庫に戻り最後に骨と血液一壺と内臓は、先ほどの街道関連の費用に充ててくれと言って、お前は何百年分の費用を前払いするつもりなのだと返されたが笑ってごまかした。
「じゃあこれで帰るわ。直接飛んだからこのまま又飛んで次からは門から入るんでよろしく」
そういって冬夜は忽然と姿を消した。
それを知らなかった、お抱えの冒険者たちが、領主にあの者は何者ですかと問いかけるも、とんでもない新人冒険者だよ、あくまで料理人らしいが。と答えるだけだった。
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