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第二十二話 問いかけたコウサ

あと一話か二話ほどに成るかと思います

 私が投げかけた質問に対し二人は困ったような顔をし始める。


「秘密を守れると確約できるなら、教えられなくもないが、保険として制約をかけさせてもらいたい」


 かなり深刻な表情をしたうえで冬夜がそう語るのでそれを受け入れた。

 条件は正体とこれから話す内容を一切他言しない事、どちらかと言えば、出来なくする制約だと言われ、それを受け入れた。


 それらが済んだ後に語られた内容は驚愕だった、そもそもがこの世界に来る前は、異世界におりただの料理屋の気のいい夫婦なだけだったという、神称号はその頃にそちらの世界の情報網でそうもてはやされていただけだったとの事で、事故で亡くなり魂だけに成った時に此方から見て異世界の神に頼まれ、此方の世界の神に魂が譲渡されたという話だ。

 そこで、称号を付けられ暫く使いこなせるのかを見ると言われ、称号に補助されたおかげもあり使いこなせ、大丈夫そうだからとここに飛ばされたとの事で、そこからはここで暮らしているだけなのだと言われた。


 ここの料理や建物は、前の世界の知識を流用して作っている物で材料や作り方は、自宅以外はこちらの世界準拠に合わせているとの事だった。


 そう言われた私は、家に興味を持ち再び訪ね質問を繰り返した。

 土魔法で作った家だとどうしても石に成ってしまうので朝方や夜は物凄く冷え込む。

 だというのに、土壁の家は冷え込みはするものの、辛くなるほどではなく、木の家に至っては床から来るはずの寒さもあまりなかったからだ。

 地面から浮かせてあるから地面から伝わる寒さは抑えられ、空気を含め物は冷えると重くなり下に降りるため、地上から少し浮かしてあるだけでもあまり寒くはならない、という答えを聞いて理解が追い付かなくなった。

 理解が出来なくなっていた私を冬夜は自宅へと連れて行き、そこで透明な器に水をためて下から火で温め始め、その器の少し上の辺りにもう一つ氷を入れ水をためた器を用意して固定した。


「今回は水だが大体の物ってのは、温めるとまず温まった部分が大きくなって軽くなるんだ」

「大きくなるのはわからないけど、確かにどこかに消えてしまう」

「で、まあそこの水をよく見ていると分かるかもしれないが、温まったところが上に行って、冷たいのが下へとぐるぐる回り始めてるのはわかるか」


 そう言われてよく見ていると、確かに水がそういう風に回っているのが理解できた。


「これが、もっと温まると今度は湯気を出して器から減っていくわけだが、湯気ってのは温まって広がった結果空気より軽くなった水なわけだ。なので、上の方で冷やされると」

「おお、これ確かに錬金術師の店で見たことある、確かこの上にたまった水滴を集めてた」

「まあこれで、水が氷に成ったり水蒸気に成ったりはわかったな」

「温まると軽くなるわけだな大丈夫だ理解した」


 なるほど、先ほどの家も同じことだったのか、少しでも高い位置ならば、地面よりはまだ暖かい空気があると、そして床より低い位置からイロリと呼ばれたあれで空気を暖めるからあの家は暖かかったわけか、竈も同じで料理をしていれば自然と周囲が温まると。


「なるほど理解した、ならこちらの町でも同じことをすれば今よりは暖かくなるのだな」

「石のままじゃ、そうもいかないがな、あれは非常に冷えやすいから、土壁や木に比べるとどうしても寒くはなるぞ」

「なら、この土壁とか木の家にすれば良いではないか」

「材料とそれをやる人はどうするんだ、わかって居なければやろうとしても作れないぞ」


 案内しているうちにコウサは慣れてきたのか、礼儀正しい口調から砕けた口調へと変わっていた。

 別段冬夜は気にしもせずそのまま対応を続ける。

 ここで頼めばいいのではないのかと言うと、まだ此方から人を出してどうこうはしたくないのと、里もきちんと出来上がって安定しているわけではないので、その旨を伝え落ち着いたらあの道を完成させて交流が出来るようにし、それから次第という事を言われコウサは残念そうにしていた。


 そこで気づいたコウサは、冬夜に伝えた。


「私達の種族では、道が出来ただけではどうやってもここまで来れないぞ」

「なんでだ、道が有れば通れるし問題はないんじゃないか」

「この里は平気だが、あの道もだいぶ魔素が濃い。なのであの辺りを移動していたら耐えられず倒れる人の方が多いのだ。それに距離もあるから馬車や馬での移動に成るだろうしこちらに近づくにつれ魔物は凶悪になるから護衛もかなりが必要だ」

「むむむ、道幅が狭いのと、魔素はじく結界と、魔物が近寄らないようにする結界か」


 ちょっと待って居てくれと言うと、冬夜はどこかへ行き暫くすると森霊とアカレ子を連れてやってきた。


『冬夜呼ばれてきてみたが、何事だというのだ』

「お父さんどうしたの」


 二人を連れてきた後、事情を説明しどうにかできないかを聞いてみたところ、結界の木で魔物はどうとでもなると言われ、結界も馬車二台がずれ違う程度の幅でよければ中央に等間隔で定点設置してしまえば良いだけだから大丈夫との回答を頂いた。

 結界の方に関しては、周囲の魔素を使い稼働する魔工品で作り、相互メンテナンスゴーレムを複数用意すれば対応できるはずとの事だった。

 その魔工品でついでに周囲を、軽く照らせるようにできるかも聞いたところ、問題なくできるとの事で、問題なのは道幅だけとなった、現在の幅だとせいぜい馬車一台程度なら通れると言った幅なので、里の完成を皆に任せ、幅の拡張作業をすることにした。

 病気は基本的にどう直しているかを聞いたところ、秘薬と呼ばれるものか、新館の魔法で癒しているとの事だった。


 そう聞いた結果、医療施設は後回しにして、商店と宿屋を作るのを優先した方がよさそうだとなり、希望者を募りアカレ子に道具を作る技術を教えてもらうことにした。


 置いてけぼりを食らったコウサに謝罪をしつつ、里が完成して人が受け入れられる様になったら、先程の道を伸ばしてそちらの都市へと向かうので、それまでは余り触れ回らないでおいてほしいと頼んだ。


「それはかまわないが、そうなると暫くはここでの食事が食べられなくなるのか、それにどうやって戻ったものだろうか」


 帰るだけなら簡単ではあるな、一寸問題は発生するかもしれないがと言われ、どういうことなのかと聞いてみると、乙女しか乗せないという伝説のある一角獣に送ってもらうというのだ。


「ええ、一角獣ってあの美しい乙女しか乗せないという伝説の」

『誰だそんな伝説作った奴は、気に食わない奴は乗せんだけだ』


 そう声が真横から聞こえてきて驚いてしまう、白い一角獣が居た。

 思わず、うわあうわあと感動のあまり言ってしまい、触ってもいいかと聞いたら構わんと言われたので触れさせてもらった、普通の馬よりは手触りもよく少し気持ち良かった。


『娘、鎧などを着ないのであれば乗せてやってもよい』

「それでしたら、でも荷物はどうすればいいのでしょうか」

『冬夜よ袋一つぐらいならいいのではないか』

「う~ん騒ぎに成ったりしないかね」

『そのあたりは娘次第だろう』

「大丈夫だ、それなりの立場はある。秘密という事ならば守ろう」


 じゃあ良いかと言って、冬夜は口が広く底が浅い皮製の袋を持ってくる。

 そのまま、私が寝泊まりしているところへと連れてこられ、大量の荷物の前に立つと、それをその袋の口から中へと入れていく、どう考えても最初の一つ目すら入りそうになかったのだが、スルスルと収納されていく様子を見て、私は驚きの声を上げた。


「冬夜それは何だ!なんで袋より大きい物が入っていくのだ」

「んん、あれこの世界にはあるものだと思ったがないのか、マジックバック」


 マジックバックと言えば、聞いたことは有るが国の宝物庫にあるぐらいだという程度でしかない、大きな荷物などは、希少な収納魔法の使える専門の人や冒険者が依頼として受けて運ぶ程度でしかないのだ。

ブクマ評価ありがとうございます。

タグをつけてみましたが、なかなかいいものが思いつかず半端となりました。

こんなのどうですかと言った、ご意見などございましたら感想にて宜しくお願いいたします。

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