第二十一話 里を案内されるコウサ
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里の中を案内されて私は驚いた、まず家が木でできていたり、木と土で作られていることにだ。
なぜなら、私達の家はすべてが土魔法で作られ、そのため石造りに成るのだ。
窓も板をはめ込んで塞ぐか、外してそのままか布を垂らすかしかない。
そのため形は自由だがやはり、ひんやりとする。
それに比べて此方はと言えば、どちらの家もひんやりとはしていなかった。
家の真ん中にあった、囲炉裏と呼ばれるもののおかげもあるのかもしれない。
もう一つ驚いたのは、木と土で出来た家に入るときは靴を脱ぐことだ。
イタノマというところに入る際は脱いで上がることと、冬夜が言い出したのだそうで理由を聞いたところ、板の間が泥で汚れると、寝る場所や食事をする場所に汚れが入りエイセイジョウよくないと言っていた。
エイセイ言うのが分からないので聞いてみたところ、とんでもない情報をもらった。
病に成る場合は、大気中にあるキンと呼ばれるものすごく小さい生物が体に入り悪さをするそうで、それらから守るには、こまめな手洗いうがいをしておくだけでも大分ましになるのだそうだ。
それらへの対策を衛生というのだそうで、これを実際に実験し、もしも確定されたとしたら、それだけでもかなりの人が救われるかもしれないという、とんでもない情報であった。
だがよくよく考えてみると、浄化魔法を使えばいいだけと思ったが、浄化魔法が使える人は限られており、そうもいかない事に気づかされる。
その後、里の中を色々案内されこの里が有り得ない技術で存在していることを思い知る。
里の外に一度出て気づいたのだが、外と中で魔素の濃さがとんでもなく違った事だ、里の外は数日もいたら魔素酔いを起こしてしまいかねない濃さだった。
魔素酔いとは、魔素の濃い場所に居ることでそれが体に吸収され限界を超えてしまい無理やり消費しない限り、精神不調に陥ったり、気絶してしまう事だ。
治すには無理やり魔法を使ったりして消耗するか、専用の魔道具で無理やり抜くかしかない。
この状況は何なのかを聞いたところ、結界が張られているだけだと冬夜が語った。
賢神とは其処まで出来るものなのかと聞いたところ、アカレ子がやったから良く判らんと返された。
アカレ子ちゃんに聞いてみると、多分出来るんじゃ無いですか、数百人ぐらいで頑張って儀式をこなせられればと言われ、それをたった一人でこなせる時点で此方もあり得ないと思った。
さらに案内された施設は、浄化施設という物らしく、何をするのかと聞いてみれば、丁度里の人が戻って来たのか生きたままの魔物が捕えられてきてそこに運び込まれた、あれはよく見たことが有るシープボアだかなり凶暴ではあるものの倒した場合は毛が硬いがブラシ等に成り、肉はなかなかいい値段で取引される。
あれを生きたまま番で捕まえてきたようで二頭いた。
雁字搦めにされたまま祠に入れられたシープボアをそのままに、皆が祠から出てくると扉を閉めた。
確か里長のグレコがやってきて祠の前で何かを弄繰り回す。
すると祠の中が光に包まれ、シープボアらしき物は小さくなり大人しくなっていた。
その後里の者たちはそれらを連れて行き、牧場らしき所へと入れる。
そこには十頭ほどの番が居おり、聞いてみるとこれをこのまま育てるのだという。
魔物を育てるのは危険だと言ってみたが、鑑定で見てみるといいと言われ調べたところ、魔石魔物と成っておらず動物となって居た。
詳しく聞くと、森の生態はそもそもが普通の動植物で、魔素の影響を受けた結果が、凶暴な魔物なのだという。
浄化されたシープボアはおとなしく温和な性格で、毛もかなり柔らかいと言われ、試しに触ってみるといいと言われて、恐る恐る近づいて試しに触れてみるとすごく柔らかかった。
気づいたら抱き着いてモフモフと堪能してしまい、シープボアは困ったように鳴いていた。
「っは、いけないこれはいけない、ずっと抱き着いていたくなる触り心地じゃないか」
「もう少し暖かくなったらこいつらから毛を刈ってそれで糸を作ってみようかと」
「ぜひその時は売って下さい」
思わず冬夜の手を掴みお願いしてしまい冬夜に引かれた。
これで首巻でも作ったら絶対幸せな気分になれそうだからだったのだが、失敗してしまったかもしれない。
「まずは色々試してからだね、売れるほど確保できるようになったときは譲るかもだけど」
その後に冬夜の家を案内され、門の前に着いたときに顎が外れるような事態に驚愕してしまった。
完全にどうやって作ったのかが一切わからない家だったからだ、此方も聞いたところアカレ子が気絶しながら作ったのだと言われた。
家の中に案内されてさらに驚く、現存する技術のみで作られたそうだがこれは本当かと言われ、全てを確認していった結果、確かに作れることは作れる代物だった、ただし金に糸目を全くつけないのなら、まず同じものを作るための材料を用意するだけで、城が建てられそうなものばかりで、これらすべてを普通に作ろうとした場合、超一流の土魔法も特異な錬金術士と魔石付与もできる魔道具作成師が二桁単位で集まった上で数年かけてようやく建てられるかもしれない程度の出来だった。
正直にそれを伝えたところ、冬夜はがっくりと項垂れていた、こんなのが有ったらそれだけで戦争の原因に成ってしまうじゃないかと。
それに対して私は、これが作れるものが居る時点で、そこに戦争を仕掛けようとする国など存在しませんと正直に答えた、これだけの技術をしかも短時間かつ一人でこなせる者を相手にする時点で、犠牲がどの程度出るかも判ったものでもないので、まず友好を結ぼうとすると思います。
そう答えると、安心したようで立ち直っていた。
その後、お風呂を見せてもらい入ってみたいと言ったところ、ここよりいいところがあると言われ、また里の中を案内され、里の外付近の建物まで案内された。
「この建物は何ですか?入口に女と書いてありますが」
「皆が使うための温泉さ」
「オンセンが良く判りませんが、この中に入ればいいと?」
「ここからは俺は案内できないから、詩歌と行ってくれ」
じゃあいこっかと、手を引かれその建物の中に入っていく、脱衣所らしくすでに何名かが中に居て、既に入ったのか服を着たり、同じようにこれから入るのか脱いだりしていた。
「まず籠の中のタオル類を取り出して、代わりに脱いだものを籠の中に入れてね、それで籠の所についてる番号札に触れるとこうなるから」
腕に番号の書かれたブレスレットが付いた、取り外したりは出来るようで特に異常とかはなかった。
すべてを脱いで籠にしまうと、大きいのタオルを籠にかけて、小さいタオルだけをもって来るように言われついていった。
脱衣所から中に入ると、そこはすごく大きなお風呂だった、腰位までの高さの大きな桶があり、まずそこでお湯をかぶり、その後はその周りにある椅子に座り体を洗うと説明され従った、何やらセッケンなるものが有り、それを濡らしたタオルにこすりつけてからタオルをもむと泡だち、そのタオルを使い体を洗いお湯をかぶると、すごく気持ちよかったので、髪を同じように洗おうとしたら止められた、髪に使うと刺激が強すぎて髪が痛むのだそうで、今は髪を洗う用の物を考え中だとの事だった。
体を洗い終わると、もう一度お湯を全身でかぶりなおしてから、ようやくお風呂へと入る。
最初はちょっとピリッとしたが、少し経つと慣れたのか体がポカポカと温まってくる、体から疲れが抜けていくようで気持ちが良かった。
このお湯は魔法か何かでもかけてあるのかと聞いてみると、建物は魔法で作られたけどお湯は掘り当てただけで、オンセンコウノウとやらで美肌や疲れや怪我等にも効くと言われた。
美肌と聞いて思わず入りすぎて上せかけたのはご愛嬌だったかもしれない。
入りすぎは良くないと詩歌に言われ、そのままお風呂をあがりタオルで水気をふきとってから脱衣所に戻ると、自分の籠の前へと移動しそこでまた驚いた、大きいタオルを取り出しきちんと体をふいて髪の水気をあらかたとって、暫く着て汗臭い服を又着るのかと思い取り出そうとしたが、臭いが無いどころかすごくきれいになっていた。
これはと思い、詩歌に聞いてみると、折角さっぱりしたのに皆の服が汗臭いのは納得いかないと、アカレ子ちゃんに言ったらパパッとやってくれたというのだ、籠に一定時間以上入れておいたものは浄化修繕されるとの事と籠からブレスレットを付けた場合対応したブレスレットを付けた人しか扱えなくなるとの事で、この籠一つだけでも王都の城下町に家一軒建ちそうな価値の物だった。
使った物は畳んで籠に入れて置けば、次使う時には綺麗になっているので、皆で使いまわししているそうだ。
皆の肌が綺麗なのはそのせいですかと聞いたところ、皆に苦笑され濁されてしまった。
「じゃーその辺は、グレコんに聞いてみてからにしようか」
そういって、お風呂を出ると外で待っていた冬夜と合流し、里長の家へと向かった。
里長のグレコは、凄く渋い熟練の手練れと言った雰囲気のある男性で、この里の中では数少ない年配者のようだ、冬夜がグレコと小声でやり取りをし了承されたのか、家の中へと案内される。
そこで教えられた事に驚き謝罪をした、彼らはゴブリンの先祖だったのだ、ただ今ではゴブリンは完全な魔物となってしまい、彼らの様に戻ることはない事と、彼らも元々はゴブリンのような見た目だったこと、その原因は、魔素を含んだ食物の影響で変異してしまっていたことなど、色々と気を失ってもおかしくないようなとんでもない話ばかりだった。
そして何かを思い出しかけていた私は、昨日の夜の事を思い出してしまった。
機能の事を土下座して謝り、さらに質問が口から出てしまった。
「あなた様方神は一体何のためにこちらに降臨したのですか」
切り方が中途半端ですみません。




